桜さくら堂

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魔除け・厄除けの植物【柊・ヒイラギ】さんを買ってまいりました(*^^)v

(*^^)v 玄関に置く柊(ヒイラギ)さんを、ずう~~~っと前から欲しいな

と思って、いつもの散歩コースの園芸店やお花屋さんを見てまわったり、

声もかけているんですが、なかなか出会えませんでした。

 

先日、皮膚科を再受診した帰りに、ちょっと遠回りして、ホームセンターに寄ってみたら、やっと柊さんに出会えました。

いくつかの種類があった中で、この小さな柊さんが気に入ったので連れて帰ることにしました。

わかりやすくいうと、398円で、買ってまいりました!!

 

それが、これです⤵

 

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ギザギザのある葉っぱが、ツヤツヤ、ピンピンとして、すごくいい感じです。

柊さんは、鬼が嫌うとされていて、魔除け・厄除けに、玄関に置いたり、北東に植えるといいとされていますから、これでもう、大安心ですね。

 

クリスマス前なので、ちょっとキラキラもつけてみました。

ずうっと前に、花屋さんに飾ってあった柊に、ラメがついていて奇麗だったのを思い出して、ちょっとマネしてみました。

こんな感じになりました~~(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 

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なんか、いい感じ~~💛(自画自賛です)

これに赤いリボンをつけると、🎄クリスマス・バージョンになりますね!

 

キリスト教でも、キリストが人間の罪を背負ったのを忘れないように、クリスマスにヒイラギ(セイヨウヒイラギ)を飾る風習ができたのだとか・・・。

 

f:id:sakurado:20211212061529p:plain ふふっ。

 

でも、よ~~く調べてみたら、

クリスマスのヒイラギと、節分のヒイラギは違うのだとか・・・。

 

クリスマスのヒイラギは、モチノキのセイヨウヒイラギで、春に白い花を咲かせて、初冬に赤い果実を実らせ、

節分のヒイラギは、初冬に白い花を咲かせて、初夏に黒紫色の果実を実らせるのだとか。

 

あれ? この柊はどっちなんだろう?

まだ苗なので・・・それに、説明書もどこかへいってしまいました。

とゆうことで、

この柊さんの、ルーツが疑われます・・・

 

でも、ま、いっか。

 

そのうちわかるでしょう・・・それまでは、共用ってことで。

 

柊の花言葉 

1:用心深さ・保護

2:剛直

3:先見の明

 

お題「これ買いました」

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風のラヴソング[あの日のラヴソング]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

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越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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あの日のラヴソング

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「おい、こいつ、ドロボーやねんぞ。三年のとき、金柑盗りよってん」

 藤井くんが、細長いあごをつきだしていうた。

 

 小夜子は、安田さんが金柑の枝を持ってきて、先生の机の上に飾ったのを見ていて、お父ちゃんが食べさしてくれた金柑を思い出して、つい、1つ、2つちぎっていたのでした。

そのことを藤井くんと松浦くんが、五年生になってもドロボーといっていじめるです。

小夜子はそれも嫌でしたが、「キンカンドロボー」って言われたとき、日下部くんがどう思うかが気になるのでした。

西田先生のクラスでは、テストの成績で席順を決めていました。ついに小夜子が日下部くんの隣の席になったとき、日下部くんが、

きらっと笑って、「やったね!」と言われてから、小夜子は日下部くんが好きになったのでした。

 

 その日下部くんの隣の席に、太陽がいました。

太陽はクラスで一番の不良で、テストをいつも白紙で出す太陽の席は、ずっと前の席のはずなのに、自分の席に座らずに「きょうは、ここに決めた!」とだれかの席を取るのです。

 

小夜子と日下部くんとは仲良くなりましたが、みんなに2人はスケベーな関係やと言われたり、キンカンドロボーのうわさが広まって、気が弱い日下部くんは、小夜子と目が合うと、そっぽを向くようになります。

それで小夜子は、休み時間をうさぎ小屋で過ごすようになりました。

そこへ、太陽がやってきて声をかけるのです。

 

「おまえ、キンカンドロボーしたって、ほんまか?」

 太陽がいうた。

 うちは。だまってた。

 

 太陽は、アア、と、のびをして立ちあがった。

「さあ、ひまやから、教室でも、ひやかしてこおか・・・」

 そういうて行きかけて、また、ふりかえった。

「おまえ、キンカンなんか盗って、どうすんね? あんなもん、ドロボーのうちにはいらへんぞ。あほか」

 

 やがて日下部くんが、北海道の釧路へ引っ越していきました。

それをからかった女の子とケンカになってしまい、竹尾さんが小夜子の頭をたたき、小夜子がたたきかえすと、竹尾さんが泣いてしまいました。

 先生に「どっちが先に手を出したんや?」と聞かれたとき、小夜子は本当のことを言いましたが、西田先生は、

「うそつきは、ドロボーのはじまりや。なんで、ほんまのこといわへんのや!」

と、一方的に決めつけて小夜子を怒り、小夜子の母親にも、

「わがままで、自分が悪くても、人を悪くいう。協調性に欠ける」

と言うのでした。

小夜子は、その時の母親の顔がいつまでも忘れられませんでした。

それからは自分を曲げて、西田先生に気に入られるようにおとなしく、しおらしくするようにしたのです。

そして、ついに西田先生は、小夜子を呼び捨てではなく、篠原さんとやさしく呼ぶようになりますが・・・

 

(とうとう、やった・・・)

 そやのに、心臓だけがみょうに苦しくて、顔が熱うて、なんや、はずかしいのやった。

「篠原さん」いうて呼ばれたのは、うちやない、知らんだれかのような気がして、なんや、せつないのやった。なんや、腹がたつのやった。

(大キライや!)

 うちは、西田先生のかくばった背中にのっているいかずち頭をにらんだ。

 

 太陽は、じろりとうちの顔を見てから、フンと、そっぽをむいた。

「センセイ! トイレに行ってマイリマス!」

 大きな音をたてて、太陽が立ちあがった。西田先生はむっとして、太陽を見た。

「行くんやったら、静かに行け!」

 先生がいうのを、最後まできかずに、太陽は、おもいっきり大きい音をたてて出ていった。

 ろうかで、大声で歌うのがきこえた。

 

キンキンキラキラ ゆうひがしずむゥ

キンキンキラキラ ひがしずむゥ

 

まっかっかっかっ そらのくもォ

キンスケのおかおも まっかっかァ

 

 西田先生が、戸をあけてどなった。

「静かに行かんかっ!」

 ほんのしばらくシンとしたあと、遠くから、もっと大きな声がきこえてきた。

 

まっかっかっかっ そらのくもォ

にしだのおかおも まっかっかァ

 

 みんなはクスクス笑って、下を向いた。

こわい顔をしているのは、西田先生と、うちだけやった。

 

がなりながら遠くなってゆく太陽の声に、うちはなんでか、ついていきたかった。

 

 このお話は、最初からずうーと日下部くんのことが書いてあるんですね。

日下部くんが頭がいいとか、やさしいとか、それから運動場で走り幅飛びのとき日下部くんがこうだったとか、理科室で2人きりでの掃除の時なんかは、

うちの胸はもっとどきどきして、心臓の音が、自分の頭のてっぺんまでドンドン響いた

って書いてあります。

あと小夜子が原因で、日下部くんが藤井くんになぐられたことや、別れのシーンなんかもあって、ちょっと切なくなったりして・・・

それで、これはちょっと見には、日下部くんとのラヴロマンスのように見えるんです。

 

でも本当は、ラストのところで、太陽の方だったんだというのがわかってきます。

太陽は脇役のように描かれていて、じつは、なかなかに魅力的なキャラなんですね。

西田先生が、成績で席順を決めることや、えこひいきするところとか、

太陽は先生にすごーく、反抗していて・・・・そして、小夜子の気持ちも、よく分かっているんです。

それから、いじめっこの松浦くんにも、なにかやったらしいのです。

ちなみに太陽が歌ったキンスケっていうのは、小夜子のことです。

 

太陽という少年はいろいろ問題は抱えているようですが、すごく大きくて温かい少年なんですね。

 

f:id:sakurado:20211203070647p:plainあなたは、どう思いますか?

 

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 


風のラヴソング(完全版)【電子書籍】[ 越水利江子 ]

 

 【中古】風のラヴソング完全版 /講談社/越水利江子(新書) 

 

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東山魁夷記念館〈市川市〉へ行ってきました(*^_^*)

ワタクシ、日本画家では、東山魁夷画伯の絵画が一番好きなんですね。

 

どうしてかっていうと、ずいぶん昔に「」という絵を観て、

「あ~~、いいなあ」って惚れてしまったんですね。

ひとめぼれってやつです。

(お米の銘柄ではありませんよ)

ワタクシ、一目惚れが多いですね💦

 

それが本物の絵でもなく、リトグラフでもなく、複製画や画集でもなくて、ただの本だったんですね。

それもふつうの文芸書くらいの本で、絵はさらに小さかったのです。

こんな小さな印刷された絵に感動してしまったワタクシって・・・・。

 

たぶん文章も良かったし、そこに書かれていた東山魁夷画伯の歩んだ人生や絵に対する真摯な思いというものに共感したからかもしれません。

東山魁夷画伯が絵の道を歩こうと志したところとか・・・

 

東山魁夷画伯は、成功する一歩前に、ご家族を全て失っているのです。

絵でも確か出品した作品が落選して、失意の中、死の病に臥せっている弟を喜ばすために、1枚、1枚絵を描いて、見えるところに貼ったのだとか。

やがて残照という絵を描いて、日展に出品しました。この絵は戦争を経験して、命に対する熱い思いを描いたのだそうです。この残照が出世作になりました。

しかし、残照が日展で特選になって、政府買い上げとなったときに、一緒に喜んでくれる身内は誰もいなかったとか・・・。

 

」は、第6回日展に出品した作品でした。

たぶん、このようにすばらしい絵というものは、こんな小さな印刷された本の絵でも、人を感動させる力を持っているのではないのかと思われます。

 

でも、この本っていうのが悩ましいところで、

東山魁夷画伯といえば超有名ですから、本もたくさん出ていますし、カレンダーや絵はがき、リトグラフ、複製画はもとより、いろいろなグッズにも印刷されて出回っています。

そういうのを、こう、比べてみますと、色合いがみんな違うんですね。

本もそうだし、カレンダーも微妙に違います。

印刷の技術の差なんでしょうか・・・。

 

それで、最初に観ていいなと思った「道」が、本によっていろいろで(色なだけに)、

ちょっとショックでした。

 

絵画はやっぱり、実物を観なくちゃあと、

しみじみとあたり前なことを思ったワタクシ、

実は惚れていながら、東山魁夷画伯の本物の絵を観たことがなかったのでは・・・と、

ハタと気づきまして・・・ああ、これでは、

「♬あなたの幻を愛したの~~~♪」の歌ようになってしまう・・・と、

のこのこと、千葉県市川市に在る東山魁夷記念館に行ってまいりました。

(前置きが長いですが・・・・)

 

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ココには、道の〈試作〉があるとのことで、期待でわくわくでしたが、今回は残念ながら展示されていませんでした。

試作とはいえ、あこがれはなかなかに遠いものです。

 

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でも、いくつかの東山魁夷画伯の本物の絵を観られたので、満足いたしました。

 

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記念館に併設されている〈8代葵カフェ〉で、

道のプリントされているカップでコーヒーを飲み(これなんかターコイズブルーだもんね)、大好きなオムライスをいただきました。

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葵カフェからKAIIの森へ出て、写真を1枚。

 

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同じく併設されているミュージアムショップで、絵はがきと一筆箋を購入しました。

ちなみに、当然ですが、記念館内は写真撮影ができませんので、ありません。

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f:id:sakurado:20211130114824p:plainつぎは、長野県にある東山魁夷美術館に行きたいなあ ・・・

と夢をふくらませているのでした。

 

 

※施設案内

 

市川市東山魁夷記念館

 

〒272-0813

千葉県市川市中山1丁目16番2号

☎ 047-333-2011

 

開館時間 午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)

 

休館日 月曜日(祝祭日にあたる場合は開館し、翌平日が休館)

    展示替え期間、年末年始

 

電車 ・京成電鉄「京成中山」駅から徒歩15分

   ・JR総武線「下総中山」駅から徒歩20分

 

バス ・JR下総中山駅から京成バスシステム柏井線「市営霊園」「保健医療福祉センター」行き8分、「北方」下車1分

 

車  ・京葉道路「市川インター」「原木インター」から約15分

   ・駐車場(無料)普通車約20台、大型、中型バス駐車可

 

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🚙今回はワタクシ、車で行ってまいりました。

師走ですので、交通トラブルに合わないように慎重に運転しています。

みなさまも、お元気でありますように💛

 

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風のラヴソング[みきちゃん]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

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越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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みきちゃん

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 みきちゃんは、ええかげんでうそつきや。

路地の子は、みんなそういうてる。いつかも、東福寺の山で、蝶々のオオムラサキを見たいうて、うそついた。

 

 みきちゃんというのは幹夫という男の子で、ウソつきです。みきちゃんの父親は酒癖が悪くて、飲むと暴れていつも大騒ぎになるのでした。

小夜子の両親も近所の大人も子供も、みんなみきちゃんと遊んだらダメだと言います。でも、遊んだらダメな本当の理由は・・・

 

小夜子はみきちゃんと遊んだことがありました。

なぜなら、その日は仲間外れにされたり、テストの点数が悪かったり、お父ちゃんに怒られたりして最低の日だったからです。

 

 しょぼくれて、縁側にすわって雨を見ていたら、向かいの板塀から、黒い顔がひょいとのぞいた。

「さよちゃん、あそぼか?」

 そういうて、みきちゃんは、にやあと笑った。うちもつられて、にやあと笑った。

 

みきちゃんは東福寺の山の秘密のかくれ家を教えてくれて、ここはみきちゃんのお母さんがヒステリーを起こした時に逃げてくる場所だと言うのでした。

みきちゃんのお父さんはお酒を飲むとしょっちゅう暴れるのだけれど、昼間はおとなしくて、男の俳優みたいにきれいな顔をしているのです。

そして、子供たちが花火をやっていると・・・

 

 みきちゃんのお父ちゃんは、じっと空をにらんで、

「ほんまに、さっぱり見えへん」と、くりかえした。

つられて空を見上げてみたら、路地の屋根と屋根のあいだの小さな空に、こまかい星がチカチカ光っていた。

「わしの生まれたソギポの星は、こんなもんやない。

海辺の石垣にこしかけているとな、一晩のうちに、数えきれんほどの星が落ちてきてな・・・

いっぺんに3つも、4つも、シャーシャーと降ってくるのが見えるんや・・・」

 

 白木のおっさんというこの人は、日本人ではないのです。

そして、小夜子はなぜ、周りの大人たちがそのことを理由にして遊んだらダメだと言うのかがわからないのでした。

大人がいうのをそのまま鵜呑みにしないで、小夜子は純真な子供の心でそう思うのです。

 

 そのうちにみきちゃんのお父さんがお酒を飲んで大暴れして、警察がきたり、救急車がきたりして、大騒ぎになってしまいます。

小夜子が海水浴に行く時に、みきちゃんが「カニ取ってきて」といいますが、それを最後に、みきちゃんのお母さんからひどく叱られて遊ばなくなってしまうのです。

小夜子は約束したカニを取って帰りますが、みきちゃんとは会えないまま、カニは10日めに死んでしまいます。

 

ちょうどその日に、みきちゃんは家出をしたのでした。

小夜子はもしかしてみきちゃんは東福寺の山の秘密のかくれ家にいるんじゃないかと思って探しに行きますが、そこは荒れはてていてみきちゃんはいませんでした。

そうして、草のなかから木箱を見つけるのです。

フタを開けてみると・・・

 

 何十匹の白い蝶々はそのまま雨の降りはじめた空にのぼっていって、そのとちゅうで、そこがひろい空やということに気がついて、とつぜん、ひろがって散った。

 白ばっかりに見えた蝶のなかに、青い青いしじみ蝶が一匹、まるで、白いカーテンをあけたみたいにあらわれて、それは、まっすぐの空へ飛んでいった。

「みきちゃん、やっぱりうそつきや・・・オオムラサキなんかいいひんやん・・・・小さいしじみ蝶しかとれへんかったくせに・・・」

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 鼻がつーんとしてきた。

 はるか下のほうで、東福寺の駅についた京阪電車の緑色がゆがんで見えて、うちは、声をあげて泣いた。

 

 この「みきちゃん」は作者の越水利江子さんが、初めて書いた作品だそうです。

みきちゃんは、大すきな幼なじみをモデルにしています。

そのみきちゃんは大人になっても、ずうっといつまでも心の中に生きている大切な友達なのでしょう。

 

ですから書き上がった「みきちゃん」を、作者はどこに応募するでもなく、誰に読んでもらうでもなく、ただ自分で読んでは満足していたのでした。

そして、最初の読者でありファンとなったのが、越水利江子さんのお子さんだったのです。子供が気に入って、勝手に読んでいたというものでした。

作者として、とても幸せな門出ですね。

 

 この物語みきちゃんでは、やはりラストの小夜子がわあわあ声をあげて泣いたことが心に残りました。

小夜子の涙は、いったい何だったのだろうかと。

それは子供が、迷子になったときに流すような涙でしょうか。

それとも、何か欲しいものを買ってもらえなかった時に流す涙でしょうか。

 

子供だからそれはそうなのだけれど、でも、ちょっとだけ違うような気がするのです。

 

大事な友だちが、小夜子の手が届かないどこかへ行ってしまったという喪失の涙かもしれないし、

みきちゃんが背負っている運命の過酷さへ涙かもしれません・・・。

それとも、大きな何者かへの無意識の抗議の涙かもしれません。

 

あなたはどう思いますか?

 

それにしても、秘密のかくれ家で蝶が飛び立つ表現は、すごく幻想的でありながらリアリティもあって、これも美しい情景がくっきりと浮かんできます。

またみきちゃんのお父さんが生まれ故郷のソギポの星を話すところも、とても美しく、描写が美しいだけに、それがかえって現実の生活の過酷さを際立たせていて、小夜子の悲しみが胸に迫ってきますね。

ちなみにソギポは韓国最南端の西帰浦市のことです。

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 


風のラヴソング(完全版)【電子書籍】[ 越水利江子 ]

 

 【中古】風のラヴソング完全版 /講談社/越水利江子(新書) 

 

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🎄クリスマスカードを買ってきました。

クリスチャンではないけれど、毎年何人かの友人に送って楽しんでいます。

コロナ前は、品数が多くある賑やかな街まで行って選んでいましたが、

今はいつもの近所の文具店で買っています。

でも、これも悪くないかなと思っています。。。

 

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愛しの庭木💛南天(ナンテン)さん

わが家の数少ない庭木の南天さんが、

赤い実をいっぱいつけました。

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この南天さんは3年前に、小さな貝がいっぱい寄生してしまい、アリが行列をはして上り下りをするようになっていました。

素人なりにいろいろがんばってみましたが、どうしようもなくて、貝が付いている枝はみ~~んな切ってしまいました。

f:id:sakurado:20211209103805p:plainごめんなさい、南天さん💦

一時はつんつるてんの棒のようになってしまいましたが、あれからまた細い枝がのびて葉が茂り、白い花をいっぱい咲かせて、今ではこのように赤い実をいっぱいつけてくれるようになりました。

 

f:id:sakurado:20211212061529p:plain  ありがとう、南天さん!!

 

花言葉は私の愛は増すばかり

     良い家庭

初夏に白い花を咲かせ、晩秋から冬にかけて真っ赤な実をつあけることから

 

難転・・・難を転ずるとも呼ぶことから、縁起の良い木とされ、

火災除け、魔除けのため、玄関先、トイレ付近、鬼門の方角に植えると良いとされています。

・お正月飾りとしても使われます。

・昔から毒消し、デトックスに、各家庭によく植えられました。

 

・果実は熟すにつれて、赤から黒になるため、岐阜県郡上市八幡町では黒字に転じるという縁起を担いだ「南天玉」が作られて、正月飾りに使われています。

 

茨城県以西の本州・四国および九州に自生するナギ科ナンテン属の常緑低木。

 

空海が唐から持ち帰ったナンテンの枝を石垣にさしたものが根付いたという伝説や、中国中南部およびインドの暖地にあったものが薬用として持ち込まれ、野生化したなどの説があります。

 

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風のラヴソング[青空の国]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

f:id:sakurado:20211203070324j:plain

越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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青空の国

 

 小夜子は授業中にあくびをしたことを先生に注意され、そのことがもとでいじめっ子の松浦くんと藤井くんに机に落書きをされたり、机のなかに泥を入れられたりしました。

そんなことがあったために、学校から帰ると知らない所へ行きたくなって、家からいちばん近い山の泉山へ歩いていくのです。

知らない山道を歩いていってトンネルと抜けると、先に道はなく雑木林と野小屋とさといも畑だけになります。

そこで小夜子は、パジャマ姿のやせた女の子に出会った。その子は病気なので学校へ行けないのだという。

夕暮れなのですぐに帰ろうとしたら、その子がおじいちゃんとの秘密を見せてくれるといって、小夜子を引き止めるのです。

 

 行く手の雑木林は斜面になっていて、点々と白い明かりがともっていた。

むせるようなあまいにおいがただよっていた。

夕方の林のなかでは、それは、白くにじむ明かりのように見えたけど、ほんまは、大きな白い花やった。

 

f:id:sakurado:20211210101346p:plainそれは山百合の花でした。

おじいちゃんと二人で、大事に植えて育てているのです。

 

また来るかと尋ねられて、

また来ると言ったら、その子はまた雑木林に入っていって・・・

 

その子はぜいぜい息をきらしてもどってきた。

「うち、走ったらあかんねん」

 そういいながら、うしろにかくした手をうちに差し出した。

「あげる」

 折りとられた山百合が一輪、目の前でふわりとゆれた。

 

 小夜子はその山百合を学校へ持っていきますが、また松浦くんと藤井くんが、わざと小夜子にぶつかるように松浦くんを押したせいで、転んで花が首からポキンと折れてしまいました。

小夜子が悲しんで泣いていると、おとなしい三河さんが工作のりを溶く深皿に水を入れて浮かべてくれます。

山百合の花は、二週間ほどで枯れて死んでしまいました。

その死んだ山百合を、小夜子は紙につつんで運動場のすみっこに穴を掘ってうめるのです。

そうして、山百合をこんなにしてしまったことが申し訳なくて、もうあの子にあわす顔がないと思うのでした。

 

運動場からもどると、小夜子の机の中にビニールに入ったぬれた土があったのです。

また松浦くんと藤井くんがやったんだろうと思った小夜子は、放課後に泥をそのままにして学校から帰ってしまいます。

 

そうしたら、帰り道のとちゅう、日下部くんが追いかけてきて・・・・

 

 日下部くんはおこったような顔で、手に持ってたなにかを、うちの手にぎゅっと押しつけて、そのまま、なんにもいわんと行ってしもうた。

 

「日下部くーん、これ、なに?」

 うちは走っていく日下部くんにたずねた。

「あ、それ・・・うちの庭のリコリス。百合に似た花が咲くんや。

ほんものの百合やなくて、ごめんな」

 日下部くんはふりむき、それだけいうと、学校の角をまがっていった。

 

 土も球根もほんのり温かくて、きっと日下部くんがぎゅっとにぎって持ってきたからかもしれないと小夜子は思い、このリコリスをあの子といっしょに植えようと思いつくのでした。

 そうしたら小夜子の心も晴れて、雲一つない青い空が見えるようになったのです。

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匂うように美しく大きな山百合の花が見えてくるようなお話ですね。

 

小夜子がもらった山百合の花を学校に持っていこうと思ったのは、いつもお金持ちの子や庭にいっぱい花を咲かせている家の子が学校に花を持ってきていたから、それがうらやましかったことと、先生にゴマすりをしたかったから、と書いてあります。

それで、花が折れてしまった時に、家に置いておけばこんなことにならなかったとものすごく後悔するんです。

 

その山百合の花が枯れたときにも、小夜子は「死んだ」って言っています。

まるでペットの動物が死んだように、その死んだ百合の花を運動場のすみに穴を掘ってうめるんですね。

小夜子にとってどれだけ大事な花だったかが、この行動からわかります。

また小夜子がとても感受性の豊かな少女だということも。

 

そして、百合の花が折れた時に、小夜子に手をさしのべてくれたのが、いつもはいるかいないかわからないようなおとなしい三河さんです。

「これに浮かべたら、折れててもきれいやし」と、なぐさめてくれたり、

泣いててちゃんと説明できない小夜子にかわって、なぜ深皿に百合の花が浮かんでいるのかを先生に言ってくれます。

また、熱が出て学校を休んだ小夜子にかわって、毎日深皿の水を取り替えてくれていました。

 

 それに対して、先生は・・・きれいやなとも何とも言わずに、じゃまものみたいに、百合のお皿を押しのけて、自分が持ってきた教材を置くのです。

そういうところから、この先生がどういう人間なのかが垣間見えてきますね。

 

 人間にとって、何が大切なのかがわかるようなとてもいいお話です。

そして、読みおわると、あなたは、青空の国の住人になっているかもしれません。

きっとそこには、きれいな花が咲いていることでしょう。

 

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 


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みなさん、こんにちは💛

いつもご訪問をありがとうございます。

 

お掃除をするときは・・・

神社の巫女さんやお寺の小僧さんになったつもりで、

自宅は神社・仏閣だと思って、

世の中の片すみをはき清めるという気持ちになってやると、

なんだか心の中までスッキリとします。

うつうつとした時に、お掃除は効きますよ。

さて、今日もお掃除をしよう。。。

 

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シクラメンが、今年はさらにいっぱい花をつけました(*^_^*)

このシクラメンは外で栽培するシクラメンです。

園芸が苦手なのですが、なぜかシクラメンとは相性がいいらしくて、

こんなにいっぱい花を咲かせてくれました。

 

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今週のお題「最近あったちょっといいこと」

 

この花を買ったのは、ちょうど1年前くらいでした。

この半分くらいの花を冬の間じゅうつけていましたが、春になっても咲いていたので、そのままにしていました。

 

そのあと、植えかえようと思いつつも、なんだかんだと忙しくて放置してしまい・・・

f:id:sakurado:20211209103805p:plain ごめんなさい💦

 

すると逞しく夏を乗り越えて、

ふと気づくと、たくさん葉を増やしていき、

秋になったら花をつけはじめ、

今はこのようにたくさんの花をつけるようになりました。

美しいから、玄関先に置いてみました。

 

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ありがとう、シクラメンさん!

 

いつもいつも玄関先で、

「いってらっしゃい」

「おかえりなさい」

と、にこやかに笑顔を向けてくれて。

 

そうして、道行く人には、

「こんにちは」

訪問客には、

「いらっしゃい」

「ようこそ、元気?」

と、私にかわって挨拶をしてくれて。

 

小さな幸せは、いつも訪れているんですね。

そして、それが、

ほんとうはとても大切で、

すご~く大きなことなんだって思います。

 

今日も、あなたが幸せでありますように❣

 

 

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みなさん、こんにちは💛

いつもご訪問をありがとうございます。

 

私、最近、整形と皮膚科を受診してきました。

右肩が夜になると痛むのと、手の湿疹が悪化したからです。

ほんとうは今年の2月頃からだったんですが、

新型コロナが心配で、

急いで病院にいくほどでもないと控えておりました。

コロナが落ち着いてきたのでそろそろ行こうかと思っていたら、

またオミクロン株が流行りそうな雲行きになったので、

まだ水際で止まっているうちにと思って、

大急ぎで行ってきました。

やれやれです~~。

 

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