以前、グループホームをご利用されていた方に、
「回転寿司に行きたい。連れて行ってほしい」
と懇願されたことがありました。その方の担当だったんですが、訪問する度に、言うんですね。
その方は身寄りがなくて、精神の病があって、透析をされていて、足も悪いんですね。ほとんど歩けません。あと生活保護を受給されていました。
それでまあ、色いろあったんですが、グループホームで行きたい人を集めて、回転寿司に行きました。
そうしたら、その方が、何度もなんども頭を下げて、
「夢が叶った」
っていうんですよね。
回転寿司に行くのが、夢だったって……。
今どうしているかなあ?……なあんて、回転寿司に行くと思い出すことがあります。
まあ、そんな一句ですね。
誰かが誰かの手を引いて、回転寿司へ連れて行って、今年の初物の秋刀魚を食べさすっていうか、一緒に食べるっていう句ですね。これが庶民的な回転寿司なんですね、ささやかな心づくしっていうか、そんな感じです。
誰かっていうのは、子供が年老いた親をっていう場合もあるし、デイサービスの職員とか、あるいは大人になった教え子がかつての先生をとか、障害をお持ちの方だったり、色んなケースがあると思うので、人それぞれに想像していただいていいのかなと思います。
一般的に、回転寿司っていうと、ちょっとそこまでって感じで食べに行ってるような感じだと思うんですが、今の日本でも、ファミレスとか回転寿司とか、そういう所さえも行けない人って、じつはいっぱいいるみたいなんですよね。
独り暮らしのご老人とか、病気だったり、障害があったり、お金がなかったり、引きこもりだったり、すごい交通が不便なところだったり、皆さん、さまざまな理由で行きたくても行けない人がたくさんいます。ただ表面に見えてこないだけで。
そして、初物っていうのも、そういう人達ってお好きなんです。特にお年寄りの方とか、季節の出始めの物って大好きですよね。初物のさんまの向こう側に、笑顔が見えてくるような気がしませんか?
デイサービスとか、施設とか、そういう所では、月に1回くらい外出したり、外食したりのイベントがあって、楽しんでいただいているようですね。外食もそうですが、外出が1人では出来ない人って、本当にたくさんいらっしゃいますね。
これからの季節ですと、秋桜、草紅葉、紅葉狩りでしょうか? でも、遠くへは行けませんから、近場で紅葉を楽しいでいただける所を探すんですね。これも、ささやかな『お・も・て・な・し』ですね。
ささやかと言えば、『俳句ノート』というものを落札しました~~(´ω`*)
ヤフーオークションで。
中はこんな感じで、参考になる季節ごとの行事や生活等などのお手本の句と、俳句ミニ知識、気になる言葉や取材ノートのコーナーがあって、自分で作った句を2句書けます。
このノートが全部埋まった頃には、と想像して、ちょっと楽しみになりました。さっそく、この回転寿司の句を書き込もうと思います (^O^)