予選会のお題 / 冷蔵庫
≪ 敬称略 ≫
MC 浜田雅功
アシスタント 玉巻映美
夏井いつき 選
【 1位 】 松岡充 特待生2級 決勝進出
駆け抜けた 残暑の泡の ハイボール
夏を通して映画の撮影をずっとしてたんですよ、炎天下の夏、ずっと。
それの打ち上げで、初秋に、みんなで打ち上げしている時に、乾杯してるハイボールの泡が、「あっ、終わってしまう夏、駆け抜けた夏やな……」という感じでしたね。
いや~~、1位ですか!
【 2位 】 千原ジュニア 特待生1級 決勝進出
長き夜の ジャーの隣に 立つ杓文字
家で奥さんも子供も寝て、1人でちょっと夜中に小腹が空すいたな……みたいな時にパッとジャーを見ると、最近の杓文字は自立するじゃないですか。
いけよ、いけよ って言うてる感じみたいなのを詠んだつもりなんですけど
【 3位 】 NONSTYLE石田 特待生1級 決勝進出
明日もまた生きる チルド室に葡萄
子供の頃、ぼく貧しかったんで、葡萄とかっ貰い物でしか食べられなかったんですけど、1日で食べきるのがもったいなくて、残すんですよ。
リアルにいくと、野菜室に入れた方がいいんですけど、なんていうかお宝感があって、チルド室に入れたくなってしまう。
これ、葡萄があるから、明日もなんかちょっと生きれるみたいな、子供ってちょっと大げさじゃないですか。前向きな句を詠んでみた。
【 4位 】 皆藤愛子 特待生5級
別れ蚊を 払う一人の 台所
台所で弱弱しい秋の蚊がよってきて、
それを払ったら、余計寂しさが増したという句です。
【 5位 】 鈴木光 特待生3級
本を閉じ 秋の灯しづか 製氷温
秋の夜は長いので、よく読書とかするんですけど、
本を読み終えて読書灯の下で余韻に浸かっていると、音が静かで
その時に冷蔵庫の氷を作る音がして、
ふと我に戻される……そういう句です。
夏井いつき : 秋灯に 本閉づ 製氷温かすか
【 6位 】 Kis-My-Ft2 北山宏光 特待生5級
秋の夜や 母の怒号と ピアスホール
冷蔵庫見た時に、いろいろ食材がある中で、すごいこう家庭かんを感じたんですね。
最初、写真を見た時に、あ、自分の家族どうだったかなと思ったのが、
やっぱ、こう反抗期のことを思ったんですね。
ピアス開けて、お母ちゃんに怒られたな……っていうところの発想を
【 7位 】 三遊亭円楽 特待生1級
秋天に 産廃の冷蔵庫 口を開け
あの冷蔵庫の行く末を考えてね、
産業廃棄物になって、白物が山になっているところでもって、
かっと口を開けて、秋の空を飲み込もうとしているのか、
「口を開け」っていうのは、喋りはじめる
「今までさんざん便利だって言ってたのに……これかい」
みたいな、ちょっと寂しさを呼んでみた。
夏井いつき: 秋天に 口開け 産廃冷蔵庫
【 8位 】 立川志らく 特待生1級
鶴瓶落とし 喋るな黙れ 冷蔵庫
ショックで言葉が出てこない。
冷蔵庫を開けると、近頃光のセンサーでいろいろ喋ったりするじゃないですか。
それが鶴瓶落とし。
秋で急に日が暮れて、イライラしたり落ち込んでいる時に
しゃべるとうるさいなと。
喋んないでくれ、黙ってくれと。
鶴瓶落としっていうのは、妖怪でもあるんで、
その妖怪と喋る冷蔵庫とかけて
わたしとしてはいけると思った。
夏井いつき: 真夜中の 喋るな黙れ 冷蔵庫
【 9位 】 Kis-My-Ft2 千賀健永 特待生1級
野菜室 百リットルの 香立ち秋
秋になると、秋の野菜室が……たくさんあるじゃないですか。
100リットルっていうのは、野菜室が100リットル入るので、
100リットルと入れたんです。
ばっと開けると、秋の香りが流れ込んでくるよっていう句だ。
夏井いつき: 秋の香立つ 百リットルの 野菜室
※ YUYU の気ままな感想コーナー
明日もまた生きる チルド室に葡萄
なんかこう、しみじみとして庶民的な感じが、
すごくいい句だな~~って、YUYUは思いました。
〇〇があるから、辛い明日もまた生きられるっていう人って、
すごくたくさんいるんじゃないのかな。
〇〇でのり切ったとか、
〇〇でしのいだとか、
子供じゃなくても、誰でもあるんじゃないのかなぁ。
〇〇は、他人からみれば、
たいがいささやかな物だったりします。
みなさんはどうでしょう?
家族が作ってくれたお弁当だったり、
好きな音楽だったり、
本だったり、
ゲームをするとか、
ゴルフ、お酒、
子供の寝顔、
〇〇ちゃんの笑顔とか……。
私はかつて、つらい日々を、
お弁当で、がんばれた時期がありました……。
YUYUは、今回は、
NONSTYLE石田さんの句に、
1票!
で~~す (*^^*)