今週のお題「雨の日の過ごし方」
最近、ちょっとなんかなあ・・・って思いませんか?
いつも自分なりに一生懸命がんばっているのに、
なんでこうなっちゃうの?
それはきっと、あなたの心が疲れているから・・・
ブックス・カフェやまざきの店主は、心やさしく不思議な存在です。
雨降りの静かなひと時を、ちょっとおしゃれなカフェスペースで
心温まる物語を読んでみませんか?
ぶたぶたシリーズの『ぶたぶたの本屋さん』は、
あなたの心をそっとやさしく癒してくれます。
光文社 書き下ろし
🏡 ブックス・カフェやまざき
本が読めるカフェスペースが人気で、商店街の憩いのスポットとなっている。
ダークブラウンと黒を基調とした渋い店構え。
新刊書店ではなく、店主山崎ぶたぶたがセレクトした書籍を古本も含めて並べている。
山崎ぶたぶた
【外見】桜色をしたバレーボールくらいの大きさで、右耳がそっくり返っている。
黒ビーズの点目と突き出た鼻が愛らしい。
手先の先には、濃いピンク色の布がひずめのように張られている。
【中身】中年の男性・・・つまり、おじさん。
渋くてとてもいい声をしている。
ブックス・カフェやまざきの店主。
毎週水曜日の午後、となりにあるラジオ局のコミュニティFM『FMすずらん』に出演して、おすすめの本を紹介している。
明日が待ち遠しい
須賀美那子は売れない時に書いた「凍りついた夏」という思い入れのある作品が、ブックス・カフェやまざきの押しで売れるようになり重版されると編集者から聞いて、ぶたぶたの本屋さんをたずねて行った。
そこでひょんなことから、店主ぶたぶたが出演しているFMラジオにゲスト出演することになった。
「明日になればなんとかなる」と思えない時はつらい。ぶたぶただって、きっとそうだ・・・と美那子は考える。
ぶたぶたは凍りついた夏を読むと『明日は今日とは違う日なんだから』って吹っ切れるという。
美那子はまたぶたぶたの本屋へ行く日が楽しみになり、「明日が早く来てほしい」と久しぶりに思うようになった。
ブックス・カフェ・・・いいですよねぇ。
本も好きだし、カフェも好きなので、
こ~んないいお店があったら、毎日でも行きたいです。
落ち着いた渋いカフェにセレクトした書籍っていうのもいいですね。
さて、明日が待ち遠しいはブックス・カフェやまざきといい、
コミュニティFMのラジオといい、
そして、ちょっとコアな本と作者出演といい、
舞台設定はいい感じで、すごく楽しく読めました。
ラストのぶたぶたを絡めた明日が待ち遠しいというのは、
確かにそうなんですが、ちょっと安易過ぎるような感じがしました。
でも、その気持ちはすごくよく分かります。
ぬいぐるみの本屋さん
喜市奏美は上京して大学に入ったけれど、なかなか友だちが出来ない。
ぶたぶたが出ているラジオに『田舎から来た女の子』というネームで、メールを出して悩みを相談する。
するとぶたぶたは、『林檎の庭の秘密』という不思議な話を紹介する。
この物語の主人公クレアは、一人で暮らすことが性に合ってて、周囲に馴染めないことを受け入れているんですね。
・・・できる時はできるし、できない時はできない。
だから、そんな無理に友だちを作ることもないと思うんですよね。
ぶたぶたの言葉に気持ちが軽くなった奏実は、林檎の庭の秘密の本を買うためにブックス・カフェやまざきに行く。
ぶたぶたにイベントを勧められて、『吉原御免状』という読書会に出たことがきっかけで、気が合う友達ができることになる。しかも、その人は大学での人気助教授だったというオチが。あ、助教授は女性ですよ。
う~~ん、よく出来たお話です。
こんなに内気な女の子が、「キャー!」という黄色い声のおっかけがたくさんいる助教授が友人で大丈夫かっという心配はさておき、
友だちは無理して作らなくてもいいっていうのは、
同感ですね!
「友だち百人できるかな?」
っていう子供の歌があったと思うんですけど、
あれって、子供にすごいプレッシャーをかけている気がします。
友達が百人も出来る子って、いるんですかね?
いたとしても、すごい薄っぺらい付き合いになってしまうはずです。
無理して友達を作るよりは、いない方がまだいいのでは・・・。
もちろん、友達はいた方がいいですが、
友だち百人は、いりません
それが、この話を読んでの感想ですね。
優しい嘘
江田祥哉の母、早苗はコミュニティFMのラジオでパーソナリティをつとめている。
祥哉は中学から高校にかけてやんちゃで、暴力団関係の友人と絡んでヤバいことをやっていた。
そのため高校卒業後、地方の叔父の知り合いの自動車工場で監視のもと働いていたが、社長の弟(作家)の個展の手伝いで東京へ出て家に立ち寄った。
ところが優等生だった幼なじみの理子が就職でつまずいて、引き篭もっているという。
ただぶたぶたの番組に「りんご」というラジオネームで、メールを送っていた。
祥哉は理子を外に出したいために、「ラジオに出演する作家が急病で倒れておふくろが困っているから、助けてほしい」と嘘をつく。
とても儚く脆い時代の悩みや葛藤をすくいあげて、書いてあります。
今回のラジオでの話題作は、横山秀夫氏の『影踏み』でした。
『真壁』というのが主人公でして、これが双子の兄、修一なんですね。で、彼が呼びかけている『啓二』、これが弟です。
啓二はまだ十代の頃に母に無理心中の道連れにされ、助けに入った父親もなくなっています。その死んだ弟が、修一の頭の中にいて、話しかけてくる・・・
理子はぶたぶたにメールを出して問いかるのだけれど、それは結局、自分に対す問いかけだという、つまり、影踏みと重ね合わせた物語になっているんですね。
死ぬまでいい人
将来小説家になろうと考えていた高取朗は、ぶたぶたを見て空想を広げて異世界の導き手だと思い込んでしまう。そして、ぶたぶたとのちぐはぐな会話を、室屋翼という少女に見られて、「中二病」だと笑われる。
室屋翼はじつはクラスメートで、同じクラスにいる三国にいじめられたため、登校拒否をしていた。
朗は翼に『普通の子』という物語を「ほら、これ貸してあげる」と渡される。
途中まで読んで、雰囲気が不気味でホラーものらしいと朗は思ったが、ぶたぶたはハードボイルドだという。
あのね、この麻友美がまず、そうなの。冷酷な復讐鬼だよ。
じつは三国は小学生の頃、翼が好きだったのに注目されたくて意地悪をしたのだった。
翼はその復讐のために、登校拒否をしていたのだという。
三国が反省して謝ると、「いい人ぶるなら、死ぬまでいい人ぶりなさい!」と翼がいうのだった。
復讐は憎しみの連鎖を生むだけ
と、何かの本に書いてあった。
自分の本にそういうかっこいいこと書ける日は、いつ来るのかなあ。
と。
・・・同感!!
さて、この本の、もう一つの見どころというか、読みどころは、
それぞれの主人公が、ぶたぶたに会う場面です。
その驚き方が、面白いですよ。
今回は、中二病と言われた高取朗とのやりとりが、
爆笑でした!!
ストレスも解消されますので、
雨降りの日に、ぶたぶたのシリーズをお勧めします。
読者の皆さま、こんにちは💛
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