桜さくら堂

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ケアマネージャーの事例検討会【家族からの虐待が疑われるケース】

どんなベテランのケアマネージャーでも、この方にはいったいどんな支援が出来るのだろうか・・・と悩むことがありますよね。

 

そんな時には、ヘルパーさんをはじめとして、医師看護師理学療法士とか、お役所の人の意見、それから民生委員ボランティアも含めた、社会資源のありとあらゆる人の意見や考えを参考にしながら、本人とご家族にとってベストなプランになるよう心がけています。

 

解りやすくいうならば、人の頭を借りるということです。

ケアマネージャーの事例検討会は、多くのケアマネージャーの頭を使って、支援が困難な方にどんな支援策があるのかを話し合います。

すると1人1人では思いつかないような名案が出て、とても参考になります。

7つの習慣のシナジー効果かもしれませんね。

 

今回は、≪家族からの虐待が疑われるケース≫です。

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事例の特徴

 半年前から担当になりました。87歳。男性。要支援2。

日常生活自立度A2。認知症自立度2A。H23ストーマ増設。

腰痛あり、自室で寝たきりの生活。掃除、洗濯、調理は同居の長男の嫁が行う。元気な時に嫁いびりをしていたので嫁とは仲が悪い。

ストーマ交換と健康管理のために週1回訪問看護を利用。服薬なし。経済余裕なし。

 

本人・家族の意向

 本人:早く死にたい。それ以外なし。

家族(息子):ストーマ交換が大変なので訪問看護を週1回利用している。

他のサービスを使う余裕は無いと長男からの強い拒否がある。

 

 介護者・家族の状況

妻は他界。長男(60代)夫婦と同居。嫁はパートに行っている。

次男は 他市在住で、年1回くらいの訪問のみ。

以前同居していたお孫さんは、月に数回訪問がある。

 

既往症・病歴

 S状結腸癌、高血圧症、脳梗塞、腰椎圧迫骨折

 

 生活歴

 6人兄弟の4番目。20歳で結婚し2人の子供をもうけた。

農作業やアルバイトで生活。60歳の時、高血圧による脳梗塞を患う。

定期健診でS状結腸癌がみつかりOPEしたが、手術ミスで腸に穴があきストーマを増設した。自己管理はできるがトイレを汚すこともあり、長男が訪問看護を依頼して週1回ストーマの交換援助をしてもらっている。

窓がなく冷暖房が無い部屋で1日じゅう過ごしている。朝、昼食はパン食。 

 

 本人の状況

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室内移動は両膝に手をのせたり、壁や家具につかまって移動している。

腰部90度に前屈歩行で不安定なため、5メートルほどしか歩けない。

家事はすべて同居の長男の嫁が行っている。食事は自力で食べている。

外出することもなく、自室にこもってテレビを観たり起きたりの生活。

友人もみんな他界してしまい、訪問する人は皆無。

f:id:sakurado:20200623110458p:plain ケアプラン作成上の課題 

 包括職員の急な退職により引き継いだため、前担当者との直接の引継ぎが出来なかった。そのため包括が入ったきっかけは不明で、家族によれば前のケアマネはお茶を飲みにきただけだと言っている。

本人と直接話すことができず、面談時はいつも長男が同席して、質問などに対して本人ではなく長男が代弁してしまうため、本人の本音がなかなかつかめていない。

以前、長男が席を外した時に、「早く死にたい」と漏らした。

広い意味での虐待が潜んでいるのではないかと心配している。

包括からの助言はなく、逆に相談されてしまった。

 

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こういう悩みや問題を、集まってみんなで話し合います。

その時に、 「ブレインストーミングの4原則」

      ①批判禁止

      ②自由奔放

      ③質より量

      ④便乗発展

ということを心がけています。

それによって、多くの意見や思いが出て、そこからひょんなこと

思いもかけなかった支援策が出てきたりするからです。

あと、それぞれのケアマネが、

「そういえば、こんなことがあった」とか、

「こうしたら上手くいったことがある」など、

体験を話すことで、

それを他のケアマネが追体験することができるからです。

それを自分のケアプランに応用することで、

より良いプランになったり、

独りよがりの支援策にならないようにすることができます。

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意見まとめ    

 このケースもそうですが、虐待ではないかと疑われるケースが時どきあります。

食事をちゃんと食べさせてもらえていない、排泄の世話をされずに汚れたまま放置されている、大声での暴言や暴力など・・・

 

直接かかわりがあった事例では、

◆夫が大型犬を家の中で飼っていて妻(本人)がいつも怯えていたケース。

実際1度腕を噛まれて、病院で治療を受けたこともあります。そのため2階から降りてこられなくなっていました。それでもトイレや食卓やお風呂は1階なので、いつも怯えて生活をしていました。

◆ゴミ屋敷の中で息子さんが母親(本人)を大声で叱責をくり返していたケース。

高齢の母親が家事をしていたのですが、洗濯物の干し方が悪いとか、息子さんがすごい大声で切れたように怒鳴っていました。母親はすくんでしまって動けない状態です。何をするにも息子さんの顔色をうかがっていました。

 

前者は妻が若年性認知症だったこともあり、虐待ということで急遽特別養護老人ホームに入居されることになりました。

後者は息子さんが精神疾患で病院に措置入院され、その間に母親には地域包括や福祉が入りました。どうやら警察の方でもマークしていた家族のようでした。

 

 一般の人もそうですが、特にケアマネージャーは虐待に気づきやすい立場にいます。

虐待の場合、ケアマネージャーには通報の義務が生じます。

 

このケースは、はっきりと虐待とはわかりませんので難しいケースです。

  • 訪問看護でのストーマ交換をやめて、デイサービスでの看護師の対応にしてみる。本人が週1回でも外出することで、家族から自由になって本音が聞ける。
  • 虐待の場合もふまえて、現在の状況を市役所に伝えておく。
  • 地域包括支援センターの人と一緒に訪問する。ケアマネ1人ではなく2人で行くことによって、長男と本人と別々に話を聞くチャンスをつくる。
  • 訪問看護が入るタイミングで訪問して、本人の気持ちや訪問看護師からの意見や病状などを伺うことができる。
  • お孫さんと話をしてみる。

 

などでした。

 どうでしょうか? 

 

 

 

 

 

 

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