あなたはプロのカウンセラーに相談をしたことがありますか?
わたしは1度だけあります。
すごく悩んでいたので、藁をもつかむような気持でした。
プロのカウンセラーなら、きっとよく話を聞いてくれるだろう。そうして、ちょっとだけでも肩の荷をおろしたい・・・ところが途中から、変なことになりました。
差し出された名刺には、産業カウンセラーとありました。
聞くところによると、本業は会社員とか。
そうなんです、いつの間にかカウンセラーさんの方がたくさん私的なことを気持ちよくしゃべっていて、私の方が聞き役になっていました。
たぶん、ケアマネージャーの仕事がら、聞く技術を学んでいたせいかもしれません。
そして、とても役立ったのが、この本『プロカウンセラーの聞く技術』です。
東山紘久著 創元社
ほとんどの人は、聞くよりも話す方が好きだと東山氏は言います。
話すのが苦手だという人でも、リラックスして話ができる聞き上手の人にめぐり合えたり、場を設定すると、とどまることを知らないほど話をされるの だそうです。カウンセラーでの40年間で、話すよりも聞く方がすきだという人はいなかったというのですから、そうなのでしょう。
ケアマネージャーをしていると、普通にキャッチボールをするように対話ができる高齢者はまれで、とどまることなく話されるか、寡黙かのどちらかになることが多いようです。
良く話される方は、同じことをくり返しくり返し話すことがよくあります。そして、話さない人は、何かを問いかけてもひと言ぽそっと言うだけです。何もない時もあります。
これをなんとか改善をしたいと、いろいろ工夫してみましたが、なかなかうまくいきません。そこでプロカウンセラーの聞く技術を学んでみました。
聞き上手になるということは、相手の気持ちを負担に感じず、こちらから話したくならないような訓練が必要なのです。
これはつまり、聞き上手になるためにはこちらからは話さないようにするということです。これは訓練がいるのだそうです。
あなたが聞き上手になりたかったら、あなたの方から話さないことです。
ゆったりと構えていること。
すると、不思議なことに必ずといっていいほど、相手の方から話し出します。
あなたは「素直に」それを聞いていればいいだけです。
とにかく、「相づち」以外はしゃべらないことです。
意見を聞かれたときは、自分の意見を手短に、文章にすれば1行以内で答えます。
答えがすぐに見つからないときは、「そうですね」といって、考えていればいいだけです。
なるほど、と思いますが、これは実際にやってみるとなかなか難しいです。
相手がすぐに話し出してくれればいいんですが、沈黙の時間が10分くらいになると、気まずくなってあれこれ話してしまいがちです。私もそうでした。
「今日はいいお天気ですね」から始まって、「そのお洋服お似合いですね」なんてゴキゲンをとってみたりして。
プロは話し相手に「自分は長い時間沈黙していた」と、感じさせないような待ち方をするのだそうです。
なかなか難しそうですが、本書の最終課題ができるころには、あなたも一流の聞き手になっておられる・・・と。
人の話を集中して聞くと、ずいぶん疲れます。
プロのカウンセラーでも、相手の話を真剣に聞けるのは、せいぜい1時間だそうです。
話す方も上手く聞いてくれると、1時間あればほとんど話は尽きるのだと言います。
友だち同士での話は楽しいもので。これは話し手と聞き手が同じ立場で、立場を交換しているからです。聞き手になったときの疲れは、話し手になったときに解消されるからです。話し手の方は癒されるのですが、聞き手は疲れるのです。
「3時間も話を聞いてきた」というケアマネージャーが時どきいますが、私はモニタリングで話を聞くのは長くて約1時間までにしています。それ以外の事務作業などで、長引くことはありますが。
それ以上長引かせても新しいことは聞けないし、ただ疲れるだけだからです。
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