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百貨の魔法 村山早紀著【本屋大賞ノミネート】解説・感想 レビュー

百貨の魔法に出てくる星野百貨店は、

あなたの記憶に残っている、あの日をくっきりと浮かび上がらせて、

楽しかった思い出はより楽しく、

哀しい想い出はそっとやさしく、

この百貨店に住むという不思議な猫が魔法をかけてくれますよ。

あなたも一緒に魔法の百貨店に行ってみませんか?

 

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魔法の百貨店  村山早紀著 【 ポプラ社 】

お題「我が家の本棚」

 

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星野百貨店

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 50年前、戦災孤児だった星野誠一が、戦争で焼野原だった街に希望と癒しの場として建てたのが星野百貨店だった。しかし、今は消費が冷え込んで、百貨店にとっては斜陽の時代となった。

十数年前、経営が傾き東京の大手の百貨店の系列に入り子会社のようになったが、大手の役員からの「改善意見」を旧経営陣は聞き入れなかった。特に従業員への処遇を切り捨てず人減らしもしないので、先行きが無い状態に追い込まれていた。

 

あらすじ 

第1幕 空を泳ぐ鯨

 

星野百貨店のエレベーターは、三方がガラスとアクリル板でできたシースルーのエレベーターで、地下1回~地上8階まで稼働している。

エレベーターガールの松浦いなさは、体育会系でがっしりとした体格をしていて体力には自信があった。それでも体調が悪いと、エレベーターで酔ったようになった。

 

魔法を使う猫がいるというのは百貨店では有名な話で、神出鬼没の金目銀目の魔法の猫を見つけて話を聞いてもらえば、願い事をなんでも1つ叶えてくれるという。それは天井のステンドグラスにいる白い猫で、星野百貨店の守り神だという噂だった。

 

そのステンドグラスは百貨店の創業者で星野グループの会長、星野誠一氏が自らデザインし海外の業者に発注し作ったもので、そこにあしらわれた野の朝顔は、その不屈の生命力がひとびとの悲願とその実現の象徴としてふさわしいからだった。

その星野誠一は齢80を超え、身体を悪くし入院中で、意識不明のままこんこんと眠っていて、百貨店が風前の灯状態なのは知る由もなかった。

 

そこへ救世主としてやってきたのが、華奢ではかなげな芹沢結子といういわくありげな女性だった。結子はコンシェルジュとして働き、かつて星野百貨店で買ったという焼けてボロボロになったテディベアを元のきれいな状態に復活させてお客様に渡すなど目を見張るものがあった。

 

第2幕 シンデレラの階段

 

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咲子の店は、星野百貨店の地下一階にある3坪ほどの小さな靴店で、本店は平和西商店街にある。

咲子の母は百貨店に出店の準備をしているさなかに亡くなり、父親も病気で倒れたため、咲子が店の跡を継ぐことになった。

 

咲子はブルーペガサスという高校生バンドで「シンデレラ・ウイング」という歌でヒットして話題となっていたが、それもしだいに行き詰って解散することになった。咲子はそのラストコンサートに行こうとして行けなかったことを仲間に後ろめたく思い悔やんでいた。

 

百貨店のテナントのソファでうたたねしている時に、咲子は魔法の猫の夢を見た。白い猫の導きによって、咲子は果たせなかったラストコンサートをする白昼夢をみるのだった。

そして、かつての仲間が、今も咲子をなつかしい仲間として思っていてくれることを知るのだった。

 

第3幕 夏の木馬

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6階の別館、時計と宝飾品の売り場で黒いスーツを着て立っているのは、フロアマネージャーは佐藤健吾。健吾はこの風早の街で生まれ小学2年まで住んでいた。

母親が星野百貨店が好きだったのでよく連れてこられたが、貧しかったため「欲しくなったらいけないから」と急ぎ足で通り過ぎ、裕福でない子もわずかなお金で楽しませてくれる屋上へ行き、回転木馬や観覧車に乗せてくれた。

母は美しく着物姿は絵のようだった。しかし、生活能力がなくいつも何事も長続きせずにすぐに飽きて投げ出してしまう性格だった。健吾は星野百貨店の屋上遊園地に置き去りにされ、母とはそれっきりだった。

 

健吾の売り場に、芹沢結子が天文時計の電池を交換にやってきた。「ここに(腕)その時計があると、祖父が一緒にいてくれるような気がするんです」という。

祖父は少年のように目を輝かせながら「すごいねえ、この中に宇宙があるんだ。手首にこの時計があれば、太陽や星が見えない時も、自分の行く道を見失わないでいられるような気がするよ」と言ったと話す。

 

かつて健吾が置き去りにされた屋上のベンチは健吾にとって特別で、今でもあのベンチで母を待っているのだった。そのベンチが取り壊されるという。

いたたまれずに向かった屋上で、健吾は魔法の猫のみちびきで母親が迎えに来た夢を見るのだった。健吾はなぜか少年にもどっていて、母親もあの時のままの美しい着物姿で泣いているのだった。

 

その数日後、知らない町の病院から健吾のもとに連絡がきた。老女が健吾の名前を書いた紙を持っていたという。母親が倒れて病院に運ばれたのは、ちょうど健吾が屋上で夢を見たときだった。

世間的にはダメな母親だったけれど、健吾は母を引き取ることにする。百貨店もあきらめないで、健吾なりにがんばろうと決意する。

 

第4幕 精霊の鏡

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別館2階の資料室に勤めている早乙女一花は、華やかできれいな1階のコスメとファッションのフロアに憧れていた。そこには善い精霊がいると思っている。

コスメにいるのは絵にかいたような美人で、地元のタウン誌や地方紙、テレビでも有名な凄腕の美容部員の豊見城みほだった。

それに比べて一花は長すぎる首と顔、落ちくぼんだ目とその下のくま。そして、こけた頬。日に焼けず青白い肌、高すぎる背丈。暗がりで鏡やガラスに映る自分の姿を見ると、一花は自分でもぎょっとするくらいだった。

 

星野百貨店では、資料のカード作りをしている。もともと絵を描くのが好きなので、余白に簡単なイラストを添えたりしていた。

イラストレーターを夢見て、高校生のときに絵本雑誌のコンクールに応募したことがあったが、大賞は取れなかった。大賞に選ばれたのは、同じ高校生のひとつ年下の男子が描いた外国の街と空を描いた絵だった。一花の絵は佳作だった。

 

それきり絵はあきらめたが、今は大好きな百貨店で働けて幸せだと思っている。その資料室へTorinekoという画家が訪れた。その人は雑誌コンクールで優勝した人だった。

受賞をきっかけにプロのイラストレーターになり、絵の仕事をするようになっていた。Torinekoはあたたかい絵を描いた一花に会いたかったのだという。

 

一花は花火の夜に浴衣を着ていくために、みほに化粧をしてもらうとあまりの変化に「これは自分じゃない」という。

「鏡を見なければ、ひとは自分と向かい合えません。見たくないからと真実から目をそらせば、その中にある美しさを見つけることができないんです」と、みほがいう。

 

終幕 百貨の魔法

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芹沢結子はもとバレリーナだった。

今はコンシェルジュのデスクで「ここがわたしの場所。ここがわたしの舞台。わたしはもう二度と、舞台から降りることはない」とつぶやく。

 

老いたドアマンの西原保は、高校卒業後若い頃から40年同じ場所に立ち続けている。ドアマンの制服は金色がかったカーキ色の長いコートで、肩や帽子に金モールがついている。さらに長めの癖のある髪や堂々とした風貌からライオンに見えた。

 

ドアマンで立つようになってからは、自分があたかも門番のような神聖な気持ちになった。そして、コンシェルジュの芹沢結子を戦友のように思っていた。

その芹沢結子は、今まで会ったことはないはずなのに、昔から知っているように思えた。定年退職した鷹城氏の新築の家の物を揃えるために、結子は午後つきそって百貨店をめぐっている。

 

結子は海外で重い病でバレエで舞台に立てなくなったのだ。同時に祖父が倒れ店が危ないことを知り、日本にもどって店を継ぐことにしたのだった。最初は星野結子ではなく、芹沢結子という偽名で店に立つことにしたのだった。

 

結子が子供の頃、泣いていると金目銀目の子猫がやって来た。

結子は「みんなを笑顔に出来る人になりたいの」と願った。そして、結子は自分でその願いを叶えるためにバレエをやって舞台に立った。しかし、その夢は病気によってついえた。

 

12月24日、入院中の祖父の具合が良くなかった。祖父にはまだ結子が店を継ぐことを聞いてもらっていなかった。眠ったままの耳に語りかけたけれど、聞こえているとは思えなかった。

デスクでうつむいていると「泣かなくたっていいんだよ」と声が聞こえたような気がして顔をあげると、笑顔の少年が立っていた。

少年は「あれをさっきから見ていたの」と野の朝顔にイニシャルのHがあしらわれたロゴがあった。

「真心でお客様と相対し、明日への希望とささやかな癒しの時間を家庭のように提供する店であろうとする象徴だった。少年は「元気でね。きみを信じてる」と言い、さあっと風のように去っていった。

 

いなさはエレベーターに男の子が一人、横にいて、いなさを見上げていた。「もう閉店ですよ」というと、少年は「ぼくはたぶん、今から帰るんだ。屋上、八階をお願いします」という。

八階のドアが開くと金目銀目の子猫が扉の前に前足をそろえて座っていた。子猫に気をとられて、ふと気がつくと少年の姿がどこにもなかった。見上げると、幻のように空をかけていく小さな少年が楽し気にスキップするように空の高みへと舞い上がっていった。

 

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 作者について 

 

村山早紀氏は、「ちいさいえりちゃん」で毎日童話新人賞最優秀賞、椋鳩十児童文学賞を受賞してデビューしました。

もともとは児童文学者で、「シェーラひめのぼうけんシリーズ」童心社などの人気シリーズがあります。

「コンビニたそがれ堂シリーズ」偕成社、「カフェかもめ亭」ポプラ社、「桜風堂ものがたり」など、どれも児童文学者特有の向日性がありハートフルな物語です。

 

 感想・レビュー

星野百貨店は地方の老舗の傾きかけた百貨店です。この百貨店は情に厚く夢や理念をしっかりと堅持して描かれていて、都心にある百貨店とは一線を画しています。

焼野原の街に戦災孤児から星野百貨店を創業したの星野誠一とその一族、そして、元バレリーナにして今は百貨店のコンシェルジュを勤めている芹沢結子こと星野結子。

これが縦線です。

 

そこで(星野百貨店)で働いている誠実で健気なテナントの話を、それぞれ一話ずつ主人公を変えながら語っています。

どの話の主人公も、あなたやあなたの身のまわりにいそうな人たちばかりです。

しかも、エレベーターガールのいなさにしても、時計と宝飾店の健吾にしても、資料室の一花にしても、親身になって同情や関心を持てるような人物ばかりです。よほどしっかりとそれぞれのディテールを作り上げておかないとこうはいきません。

これらが横線で、この星野百貨店の話が織りなされています。

 

そして、これに魔法をかけているのが、天井のステンドグラスに住んでいるという魔法の白い猫です。これが幻想的な役割をして、ふつうの百貨店が、百貨の魔法に生まれ変わっているのです。

 

村山早紀氏の物語には、よく猫の話が出てきます。

それはいつも人間に寄り添って、人間のために何かをもたらしてくれるという、王子様のような役割を果たしています。

そして、どこか哀しく儚げです。

猫であって、でも、現実の生きた猫のようなリアリティがありません。

あくまでも幻想的な魔法の猫の役割です。

 

こんな猫がいるわけがない、と思いながらも、つい期待してしまう。

良し悪しはともかく、金目銀目の白い魔法の猫の出現で、読んでいる人の心が癒されるのは確かなのです。

「あ~~、良かった」と。

だから、心に癒えることのないような深い痛手を負ったあなたのような人には、きっととてもやさしい癒しの本になるでしょう。

そして、ちょっと疲れたなという人にも、温かなひと時を与えてくれるでしょう。

 

 


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  今日は、一粒万倍日で吉日です。

なので、宝くじを買うのにいい日ですよ。

私はこれから、サマー・ジャンボを買おうかな!(^^)!

って思っています。


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