あなたは小学校のとき、先生の質問に、
「はいはいっ!」
と勢いよく手をあげていたでしょうか?
それとも、下を向いてうつむいていたでしょうか?
何で今さらとお思いでしょうか?
でも、じつはあなたが相手の話をじっくりとあせらないで聞けない原因の1つが
ここにあると東山氏は いいます。
東山紘久著 創元社
質問には2つの種類があります。
1つは、この近くに郵便局はありますか?」などの誰が質問しても、誰が答えても内容が変わらないものです。
もう1つは、聞かれた本人が考えなければ答えが出ないたぐいの質問です。
「将来どうしようかな」というような、よく考えないと簡単に答えが出せない問題です。しかも、その答えに正解はありません。あるいは、どれも正答となります。
ある旅人がその土地の古老に「つぎの村までどのくらいかかりますか?」
とたずねました。
老人は何も答えず、さっさと行くようにと手で示しました。
「なんて不親切な人だろう」と旅人は歩き出しました。
その歩みを見て老人は、
「その足では、〇〇くらいかかるであろう」
と答えたのです。
この昔話は、他人の質問への答え方の見本を示しています。
相手のことが解らなければ答えられず、自身の勝手な判断で安易に答えてはいけないということを教えてくれています。
(不動産物件も駅から徒歩10分とかってあっても、女性だったらそれに+αですよね。基準は80mで1分と計算されているようです。ちゃんと道なりに測っている良心的な所もあれば、直線距離でっていうところもあるみたいですよ)
答えられない質問に対しても、多くの人はすぐに答えようとします。
質問されたら答えなければならないような心理状態になってしまいます。
それはなぜなんでしょう?
学校で小さいころから質問には答えるように訓練をされてきたからだと、東山氏はいっています。
学校で先生からされた質問の多くは、教科に対するものなので正答があります。
つまり、1つめの質問です。
特に自然科学は、変数を1つにしぼって、因果関係を求める作業です。正答はいつも1つになるように工夫されています。
しかし、人生においては、正答のある質問や疑問などはほとんどないといってもいいでしょう。
現代人はすぐに答えを欲しがります。答えがない場合でも、答えが複数ある場合でも、答えを1つにしぼりたがるのです。
そして、答えがない場合にも、答えざるを得ないようになってしまいます。
不登校の問題も、原因は「いじめか怠けか」というように答えを1つにしぼることを求めます。
しかし、不登校治療の専門家は、原因はいろいろあり、本人の素因、家庭環境、社会環境、それに偶然と、いろいろな要因が重なりあった結果であるといいます。
心の問題は、たとえ原因を1つにしぼってみても意味がありません。ことはそんなに簡単ではないのです。
たとえばいじめが原因だったとしても、いじめは会社でも地域でもあります。
いじめの最大のものは差別問題ですが、これは世界中の課題であり未だに解決されていません。差別問題のむずかしさは、人間の問題だからです。
いじめも不登校も非行も、人間の問題だから難しいのです。
不登校のお子さんと一緒に相談にみえたお母さんが、この子はいつになれば学校へ行けるのですか? と聞いてきました。そこで、
「Aさん、いつになったら学校へ行けるの?」と私。
「わからない」とAさん。
「先生、いつもこうなんです。この子は答えてくれないのです」
「答えてくれましたよ。『わからない』と」と私。
そのときに、お母さんは正解がなんであるかに気づきました。
答えられない質問、正答がいくつもある質問こそ、大切な質問です。
答えられない質問には答えないで、相手の心を聞くことが、聞き上手のコツの1つだということです。
関東や東北に台風が近づいてきていますので、
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