そのご利用者さまはとても品の良いおばあさんで、いつも「ありがとう」と言ってくれました。
この方は足腰がすっかり弱くなってしまい、ベッドからの起き上がりやトイレまでの歩行が難しくなっていました。
トイレはベッドのある8畳ほどの部屋を出て、廊下を5メートルくらい歩いたところにあります。ベッド脇にはポータブルトイレも置いてあります。
ご家族は2階に住んでいますが、ふだんは1階でおひとりでヘルパーさんの助けをかりて生活をしていました。なんとなく、ご家族との関係があまり良くないのではないかと感じていました。
ある日、このご利用者さまのお宅を訪問すると、なぜかこの日は居室に美しい着物がかけてありました。
やがてひと通りの用事がすんでおいとましようとすると、
「この着物を着せてもらえませんか?」
と言うのです。
それは着物の知識のない私が見ても、品の良い上等な着物のようでした。
着せてといっても、私は着付けのたしなみなんてないのです。なにしろ自分では、浴衣を着るくらいしかできません。
しかも、この方は立っているのがやっとで、うっかりすると転んでしまう恐れもありました。
「着付けはやったことがないので・・・」と手をパタパタふりました。
ところが、その時ばかりはあきらめずに、
「ちょっと羽織るだけでいいから」と、これまためずらしく粘るのです。
それじゃあ・・・
と、着物に袖を通してもらい軽く前を合わせると、今度は
「その帯をしめて」といいます。
見ればこの帯もキラキラとして、なんだかステキに豪華な帯でした。
言われた通りに帯をしめて、できる範囲で結びました。
それから姿見を持ってきて映して差し上げました。
その方はしみじみと鏡をながめて、それから、
「ありがとう」と言いました。
ふっと、なんだか、いつもと違うありがとうのような気がしたのです。
そして、彼女とはこれが最後になってしまいました。
その後まもなくこの方は入院をしてしまい、ご利用もなくなってしまいました。
今思うと、あの時、もうご自宅にはもどれないかもしれないと覚悟をしていたのでしょうか・・・・。
着物を出してもらい、待っていたのでしょうか。
今となっては、わかりません・・・。
モニタリングとは?
ケアプランがきちんと機能しているか、月1回以上、ご自宅に訪問して検証します。
ご家族やボランティアも含めて、現在利用しているサービスがきちんと機能しているかどうかを、本人やご家族様、事業者などから聞き取りをしたり、本人の状態を見て確認をします。
もし、合わなくなった支援内容は変更したり、中止をしたりします。
新たに困ったことが起こって、支援内容に不足が生じたら追加をします。
最近はこういうサプリメントもあるんですね。
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