桜さくら堂

みなさま、こんにちは!🌸児童文学を中心にして、絵本やYA、一般の書籍の感想や解説を書いています。時々はおいしい珈琲店や日々のつれづれも……(⋈◍>◡<◍)。✧♡あわただしい日々の中で、桜さくら堂にちょっと寄り道して、ひと休みしてみませんか?💛

おかあさん、げんきですか。/後藤竜二・作/感想・レビュー

「おかあさんに、感謝の手紙を書きましょう」

って先生にいわれて、げんきは手紙を書きはじめます。

だけど、ユースケや他のみんなのように、

「いつもごはんをつくってくれてありがとう」

なんて、ありきたりの言葉ではありません。

げんきが書いたのは・・・

 

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後藤竜二 作/武田美穂 絵  ポプラ社

お題「我が家の本棚」

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おかあさん、ぼくはもうあかちゃんではありません。

小学4年生です。

「わかった?」といわれなくても、わかっています。

しんぱいしないでください。

 

げんきはおかあさんに、ほんとうにいいたかったこと

を、書くのです。

 

「ごみばこみたい!」とかいって、

ぼくがたいせつにしていたものを、ぜんぶすてちゃったじけんです。

ぼくはショックで、1週間くらい、口もききませんでした。

おかあさんはもうわすれたかもしれないけど、

ぼくはまだうらんでいます。

 

ぐちゃぐちゃの落書きのような絵も、青い小石も、

おんぼろな穴あきスニーカーも、それから、

汚れたぬいぐるみのキリンさんも、みんな思い出がつまったものだったのでした。

 

スニーカーは、初めてユースケに勝ったときに履いていたものでした。

ぬいぐるみのキリンさんは、おとうさんがいたころ、サンタさんにもらったものでした。

虫食いだらけのドングリは、

2年生のとき、学校でたたされるのがいやで、学校の裏山にかくれていたら、

おかあさんが会社をさぼってぼくをみつけてくれたのでした。

そのときに、二人で拾ったドングリでした。

 

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もう、みんな、なくなっちゃった。

もう、しょうがないけどね。

またいろいろたまってきたから、さみしくはありません。

しんぱいしないでください。

ぼくのへやのことは、ぼくにまかせてください。

 

そして、カッカッカッとハイヒールで歩くお母さんに、

 

「カッコいい!」って、カオルちゃんはおかあさんにあこがれてるけど、

あんまりがんばらないでください。

ハイヒールでコケたりしないでください。

 

と、つづくのです。

小学4年生の男の子の、おかあさんを思うほんとうの気持ちが、この短い絵本のなかに、ぎゅうっと凝縮されて詰まっているように思いました。

最初は文句をいっぱい並べ立てているのです。

でも、それって、本当にそう思っているのです。

おかあさんって、ウザいって、(私は男の子ではありませんが)

後藤竜二さんが少年だったころに、そう思っていたのかもしれません。

どの言葉にも、ウソはないようです。

そうして、それよりも、もっともっと、おかあさんのことを大事に思っているというのが、ドングリの辺りからだんだんとわかってきます。

 

そして、捨てちゃったものはしかたがないと、おかあさんのことをゆるして、

そこから一歩、前へと歩き出していこうとしています。

本当におかあさんが大好きなんだなあ・・・と、ラストでわかるのです。

 

おかあさんのほうも、学校からいなくなったげんきを心配して、会社をほったらかして、探しにきたのです。

そこで、ああ無事で良かったっていうのが、いっしょにドングリを拾って帰ったというところにちゃんと書いてあります。

怒ってばかりいて、げんきの大事なものをぽいぽい捨ててしまうおかあさんだけど、おかあさんだって、げんきが何よりも大事なんだってことがわかります。

 

武田美穂さんの絵もいいですね。

げんきが描いたこわいおかあさんの絵がずうっとあって、ラストのページにちょこっとだけおかあさんの本当の姿が描いてあって、その違いに、あなたはきっとがく然とすることでしょう。

 

いまは断捨離というのが流行っていますが、それはそうなのです。でも、

 

ぐちゃぐちゃにして、なつかしいものたちにかこまれていると、やさしいきもちになれるのです。

 

これもそうなのです。

だから、この本は今でもずっと手元にあるのです。

 

「信じられる言葉を書いていきたい」

 

と、

後藤竜二さんはいつもそうおっしゃっていました。

 

作家 後藤竜二(ごとうりゅうじ)

 

1943年、北海道に生まれる。早稲田大学卒業。

『天使で大地はいっぱいだ』が講談社児童文学新人賞佳作を獲得しデビュー。

主な作品に『白赤だすき小〇の旗風』『少年たち』(いずれも日本児童文学者協会賞)

『故郷』(旺文社文学賞)『野心あらためず』(野間児童文芸賞)

「12歳たちの伝説」シリーズ、「1ねん1くみ1ばん」シリーズ、

『紅玉』など多数。

日本児童文学者協会会員。「季節風」同人。

 

■画家 武田美穂(たけだみほ)

 

1959年、東京都に生まれる。日本大学芸術学部中退。

自作の絵本に『となりのせきのますだくん』(講談社出版文化賞・絵本賞/絵本にっぽん賞等受賞)にはじまる「ますだくん」シリーズ。

『ふしぎのおうちはドキドキなのだ』(絵本にっぽん賞)

『すみっこのおばけ』(日本絵本賞読者賞/けんぶち絵本の里大賞)

『ありんこぐんだんわはははははは』など多数。

 

 

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感想(12件)

 

 

f:id:sakurado:20210326161259p:plain みなさん、こんにちは。いつもご訪問をありがとうございます!!

どの本もこの本も、読み返してみれば新しい発見があります。

後藤さんの本もいただいた時にちゃんと読んだつもりだったのに、

ちゃんと読んでいなかったことに気づかされます。

それより、私が未熟すぎたのだ。。。。

f:id:sakurado:20211015094833j:plain また、あとで読もう。何度もなんども読もう・・・。

 

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