桜さくら堂

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34丁目の奇跡 ヴァレンタイン・/感想・レビュー

ここ五十年ほど、クリスマスのことでは頭を痛めてきたんですよ。

人間は、人を出し抜くことばかり考えている。

もっと早く、もっとかっこよく、もっと楽に。そういうことで頭がいっぱいだ。

おかげで、クリスマスもわたしも、どんどん影が薄くなり・・・

 

クリスマスはカレンダーの日付とは別のものです。

クリスマスは〈心〉ですよ。

 

と彼、この物語の主人公のクリス・クリングルが言います。

クリス・クリングルという老人は、白いひげに赤い頬、立派な胴まわり、と外見がサンタクロースにそっくりな上に、このクリス・クリングルという名前はサンタクロースの別名なのです。

今はメイプルウッド老人ホームで暮らしているのですが、その正体を知る者は誰もいません。

そこで、そのために彼は、老人ホームを追われることになってしまいます。

 

つまり精神異常者としてです。

 

f:id:sakurado:20211126111608j:plain あすなろ書房

34丁目の奇跡 ヴァレンタイン・ディヴィス 訳/片岡しのぶ 

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このお話の原作Miracle on 34th Streetは、1947年のアメリカで『34丁目の奇跡』という映画がもとになっています。

第2次世界大戦が終わって、日本の子供たちが「チョコレートちょうだい」と言っていた時代でしょうか。

その頃すでにこの映画の脚本原案者のヴァレンタイン・ディヴィス氏は、アメリカのクリスマス商戦に幻滅して、もしもサンタクロースが実在したらこのありさまにがっかりするだろうと思ったといいます。

 

クリスの目はきらきらと子供のように輝いて、底ぬけの温かい笑顔の持ち主です。

そして、

 

「わたしはサンタクロースです」といつも言っていた。

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そのため、頭がおかしい老人として評議会で問題になって、老人ホームを出ていくことになります。

 

ところがひょんなことから、メイシ―百貨店主催の感謝祭パレードの花形のサンタクロースとして雇われることになります。

雇ったのは、バツ1で6歳のスーザンという女の子を1人で育てているドリス・ウォーカーというキャリア・ウーマン。

ドリスは離婚の痛手から仕事と子供にしか興味がなく、娘のスーザンにも、

 

「あの子に神話や伝説を吹きこむつもりはないの。たとえば、サンタクロースはいるとかね」

「どうして? べつに害はないと思うけど?」

「あるわよ。人生はおとぎ話だなんて、思いこませたくないの。そう思いこんで年頃になったら、無意識に魅力的な王子様を待つようになるでしょう。で、いざ出会ってみたら―」

 

そのためドリスは、彼女に想いを寄せる若手弁護士のフレッドにも心を閉ざしている・・・。

しかし、クリスと接していくうちに、ドリスもスーザンも変わっていく。やがてフレッドとの間が親密に・・・。

この34丁目の奇跡は、子供向けのサンタクロースの話の裏側に、ラブロマンスもひっそりと描かれています。

 

何もかも上手くいきそうになったのですが、サンタクロースを信じないソーヤー氏に騙されて、クリスは精神病院に送られてしまいます。

それを救おうとフレッドが奔走しますが、結局、大法廷で審議されることになります。

 

マーラー検事が質問を続けた。

「あなたは、自分がサンタクロースであると信じていますか?」

「もちろん!」

廷内が水を打ったように静かになった。

今度はハーバー検事が眉を寄せ、質問したマーラー検事でさえ、この返事には度肝を抜かれた。

正気でないのを、自分から認めるとは!

 

これはヤバいです。

このままいけば、クリスは精神病院送りになってしまいます。

ところが、ここで奇跡が起こります。

それが34丁目の奇跡で、この奇跡にはドリスの娘であるスーザンが心を込めて書いた一通の手紙が大きく関係しています。

 

クリングルさん

 

クリングルさんがいないとさびしいです

はやくあいたいです

ばんじうまくいくとおもいます

くりんぐるさんはサンタクロースよ

あんまりかなしがらないでね

 

スーザン・ウォーカーより

 

ニューヨーク市のニューヨーク郡裁判所内のクリス・クリングル宛に、スーザンがこんな手紙を書いてポストに投函しました。

なんでもないささやかな手紙が奇跡を起こすなんて、やっぱり願いが神様に届いたとしか思えませんね。

 

この映画はアカデミー賞を三部門―助演男優賞〈クリス・クリングルを演じたエドマンド・グウェン〉、脚本賞〈脚色・ジョージ・シートン〉、脚本賞〈原案・ヴァレンタイン・ディヴィス〉で受賞しました。

映画版は、1944年にリメイク版が作られています。

f:id:sakurado:20211126113415p:plainクリスが、

サンタクロースは〈心〉ですよ。

 

と語っているように、人が持っている相手を思いやる温かい〈心〉、

サンタクロースを待ち望んでいる子供の気持ちをおもう親の〈心〉、

誰かを愛する〈心〉、

そういう誰もが持っている大事ななにかを、

そっと包んでリボンをかけて、

サンタクロースが届けているのかもしれませんね。

 

この映画は、もしかしたら多くの人がすでに観ているかもしれません。

私もこれから観たいなあと思っています。

これから寒くなるこの時期に、

あなたもこんな心温まるサンタクロースのお話はいかがでしょうか?

 

著者:ヴァレンタイン・ディヴィス

ミシガン大学卒業後、イェール大学大学院で演劇を学ぶ。

小説に本書の他、「春の珍事」、映画脚本に「34丁目の奇跡」「グレン・ミラー物語」などがある。

 

 


34丁目の奇跡 [ ヴァレンタイン・デイヴィス ]


34丁目の奇跡 [ リチャード・アッテンボロー ]

 

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