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雨ふる本屋 日向理恵子〖ファンタジー・児童文学〗感想・レビュー

フルホン氏は言いました。

 「必要なのは、人間ひとりぶんの〈夢の力〉なのだよ」

 

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雨ふる本屋 日向理恵子作 /童心社

お題「我が家の本棚」

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おつかいの帰り道、ルウ子は雨宿りした市立図書館でカタツムリを追いかけているうちに、雨ふる本屋という不思議な古本屋に迷い込んでしまいます。

そこは部屋の中だというのに、雨が降っています。やわらかな床には草が生えています。

そして、店主がめがねをかけたフルホン氏というドードー鳥なのです。助手のかわいい舞々子さんは半妖精なのです。

ところで、

ドードー鳥ってご存知ですか?

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↑↑↑ こ~んな感じの鳥で、絶滅危惧種になっているそうです。

・・・ということは、空想の鳥ではないということですね。

それなら、いつかワタクシもこの目で、見てみたいものです。TVでもいいです。この際、贅沢はいえません。

 

さて、この古本屋は、そんなわけですから、本棚の形もおかしいのです。

棚や机には、水中花のはちや、月の模型や、ガラスの汽車や、虹色の液体が入ったビンや、ゼンマイじかけの竜や人形が、ごちゃごちゃと置かれています。

 

そして、ドードー鳥のフルホン氏がいうことには、

「最近、〈読みあさりブンブン〉が少なくなってしまった。なぜなら、面白い本が少なくなったからだ」

とか。

読みあさりブンブンというのは、本の虫のことを言います。

 

ここにある本は、みんな

人間にわすれられた物語と、それから雨でできている。

と、舞々子さん

 

その、迷子の物語――”物語の種がだよ!近ごろじゃ、仕入れても仕入れても、うまく本に育たんものばかりなのだ!

フルホン氏は、両の翼で頭をかかえました。

 

「なにが、原因なんですか? どうやったら、その、ちゃんとした種ができるんですか?」

たずねると、フルホン氏と舞々子さん、それにふたりの妖精が、いっせいにルウ子を見つめました。

 

フルホン氏は雨ふる本屋の製本室を案内してくれます。

ここへ流れてくる物語の種は、ほっぽり森から来るのですが・・・

 

「その、ほっぽり森で、なにかが起こっているのだ。

物語をカスカスにし、狂わせてしまうなにかが・・・・それがなんなのか、わしにも、舞々子くんにもわからん。

その森へ行くには、人間ひとりぶんの〈夢の力〉が必要なのだ」

 

とゆうわけで、ルウ子は、説得されて、ほっぽり森へ行くことになります。

でも、1人で行くのではなく、ホシ丸くんという男の子といっしょに行くのです。

ホシ丸くんの正体は、人間ではなく、ひたいに白い星のマークがあるルリ色の小鳥でした。

とても不思議な鳥です。どうやら、人間のとても強い願いによって生まれたらしいのです。

ホシ丸くんは、こう言っています。

 

「ぼく、あっちこっちへ行って、さがしてるんだよ」

「なにを?」

いぶかるようにまゆをまげるルウ子とは反対に、はにかむような笑みが、ホシ丸くんの顔に浮かびました。

「ぼくのこと、夢見た人をさ。

・・・人間の友だちがほしくて、幸福の青い鳥がほしくて、希望のいちばん星がほしかった人」

 

それにしても、こも物語の描く情景は、なんて透明で美しいのでしょうか。

フルホン氏の製本室もしかり、ほっぽり森はこんなふうに描かれています。

 

木々はどれも、巨人のように太く、高くそびえています。

その幹はガラスのように、真珠色に透きとおっていて、うちがわから、透明な明かりをはなっているのです。

それが何本も、何本も、巨大で静かなランプとなって、闇をやわらげていました。

 

ここでは雨は降っていません。ところが、くねる根っこのからみあう地面は、いちめん、水におおわれていました。

まるで、森ぜんたいが、巨大な水たまりです。

水は、あるところでは青くきらめき、またあるところではぶどう色の闇をたたえ、べつなところでは、なんの色もまざらずに、澄みきっていました。

 

ここではルウ子は、ホシ丸くんと一緒に、物語あらしと戦うことになります。

その正体は、意外な・・・・。

 

f:id:sakurado:20211130114824p:plain  雨ふる本屋にフルホン氏に舞々子さん、そして、ほっぽり森・・うーん、ネーミングがダジャレですか。。。というのはさておき、

 

本好きなあなたなら間違いなく、ついルウ子といっしょに、小さな冒険の旅に出かけてしまうことでしょう。

人間がわすれてしまった物語を、こんなふうに雨で花咲かせて本にするとは、なんてステキではありませんか。

それがどこにでもある、いつも行く図書館がファンタジーの入り口になっているところが、いいですね。

ルウ子たちは、ほっぽり森で美しい音色に引き寄せられて行ってみると、そこにあったのは、わすれられた物語の種だったのです。

ここの描写が、この本の中では、最も美しく丁寧に描かれています。

ここは実際に本を読んでみることをおすすめします。

作者がどれだけ物語を、大切に愛おしく思っているかが、よく分かる場面でもありますね。

それはきっと、作家だけじゃなくて、誰の心にもある大切な物語なのだろうと思うのです。

本当は、それを自分で大切に育んでいかなくてはならないのだというのが、物語を読んでいくと、だんだんとわかってきます。

そう、ルウ子にも、ルウ子だけの物語があったのでした。

 

たぶん、私には私だけの、

そして、あなたにはあなただけの物語があるのですね、きっと。

雨降りの日には、なんだか、いつもとは違う、ちょっとステキなことが起こるかもしれない・・・

と思わせる、雨ふる本屋でした。

 

作者について: 日向 理恵子

1984年兵庫県に生まれる。兵庫県在住。

幼少の頃から、おとぎ話を書き始める。

主な作品に、『魔法の庭へ』(童心社)「すすめ―図書くらぶ」(岩崎書店)シリー

ズ。

 


雨ふる本屋 [ 日向理恵子 ]

 

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みなさん、こんにちは💛

いつもご訪問をありがとうございます。

 

昨日は、雨ではなく、雪でした。


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