「私は、義務教育における数学の地位を向上させることを要求する。そのため、日本国民全員を、人質にすることにした」
から始まるドクター・ピタゴラスこと高橋源一郎という初老の数学者の犯行声明で始まる連続殺人事件を解決するべく警視庁に設置された特別対策本部に協力者としてやってきた中学2年生の数学天才少女の浜村渚さんが主人公の警察小説です。
主人公の浜村渚さんは大方の予想に反して、
艶のあるショートカットの前髪を自然にわけ、右側のほうにピンク色のヘアピンをつけている。
健康的に浅黒い輪郭はシャープと言うよりは丸く、とろんとした二重まぶたに、不安げに長いまつげ。
・・・という美少女のたまごという外観。
この勝負は、なかなかに面白そうではありませんか。
数学的な内容を除いては・・・なのですが、数学も苦手な人にも面白くわかりやすく解説されています。
なので、数学が苦手なあなたも、数学天才少女の解説で、もしかしたら数学が好きになるかもしれませんよ?
浜村渚の計算ノート 青柳碧人・作/講談社Birth
たとえば、フィボナッチの数列。
前の2つの数字を足した数が、次の数になるっていう数列です。
つまり、はじめは1、2番目も1と決めて、3番目は1+1で2、4番目は2番目の1と3番目の2を足して3、5番目は同じように2と3を足して5……と、そういう数列らしい。
そして、誘拐された教授が犯人のヒントをフィボナッチの数列で残していく・・・というように、常に数学が話の主軸をなしています。
面白く事件を追いながら、数学のさわりを知っていくという面白さもあって、たまにはこういう文系とは対極にあるような話もいいものですね。
中でも印象に残ったのは、「0」という数字でしょうか。
数学喫茶カルダノのマスター及川創一が言った、「ゼロというのは、悪魔の数字だ」という言葉。
そして、数学少女の浜村渚が、「そもそも、4÷0なんて計算は、しちゃだめなんです」と真剣に言った言葉など、実に面白い話でした。
その意味は、やはり本書『浜村渚の計算ノート』を読んで楽しんでください。
他にも、いろんな公式が出てきて、数学の勉強になったとかならなかったとか。
エンタメなので、そこのところはよろしくです。
作者・青柳碧人
1980年千葉県生まれ。早稲田大学クイズ研究会。
2009年本書『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞。シリーズ化。
「ヘンたて」シリーズ(ハヤカワ文庫JA)、「ブタカン」シリーズ(新潮文庫nex)、「西川麻子」シリーズ(文春文庫)など作品多数。
2020年『むかしむかしあるところに、死体がありました。』本屋大賞ノミネート
浜村渚の計算ノート(1) (講談社青い鳥文庫) [ 青柳 碧人 ]
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