最近、ツイてないことばかり。
岡田修一は、転職した先の営業では大きな解約があって給料が激減するし、失業なんてこともあり得るのですが、それを妻には言い出せません。
高校生の娘は登校拒否をしているし、独り暮らしをしている田舎の母親からも相談事があるという・・・。
修一は四面楚歌で、まさに追い詰められた状況です。
そこへやってきた開運タクシーの運転者は、きっぱりとこう言います。
運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。
あなたにも。
運転者 喜多川泰/㈱ディスカヴァー・トゥエンティワン
「……なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだよ」
思わず修一が独り言をいったとき、一台のタクシーが修一の目の前に止まります。タクシーの運転手は、何故か修一のことを何もかも良く知っていて、人生の転機になる場所へ連れていってくれるのです。
ところが修一はどこへ連れていかれても、いつもチャンスを逃してしまいます。
するとタクシーの運転手は、こんなことを言います。
運が劇的に変わる時、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。
それを捕まえられるアンテナがすべての人にあると思ってください。
そのアンテナの感度は、上機嫌のときに最大になるんです。
逆に、機嫌が悪いと、アンテナは働かない。
だから、最高の運気がやってきているのに、すべての運が逃げていっちゃうんです。
運は〈いい〉か〈悪い〉で表現するものじゃないんですよ。
〈使う〉〈貯める〉で表現するものなんです。
先に〈貯める〉があって、ある程度貯まったら〈使う〉ができる。
運は後払いです。
何もしてないのにいいことが起こったりしないんです。
周囲から〈運がいい〉と思われている人は、貯まったから使っただけです。
修一はただ契約を取ろうとして笑顔を作っているだけで、本当の上機嫌じゃないと運転手に指摘されるのでした。
修一にしてみれば、これまで40年以上も自分の思い通りにいかない人生を送ってきたのだから、今さらプラス思考で上機嫌にしろと言われたって出来ないし、心の底からそういうふうには考えられないとグチります。
それに、そもそも開運のタクシーが、なぜ自分なんかの所にやってきたのかと不審がります。
自分の人生にとって何がプラスで何がマイナスかなんて、それが起こっているときには誰にもわかりませんよ。
どんなことが起こっても、起こったことを自分の人生において必要な経験に変えていくというのが〈生きる〉ってことです。
だから、どんな出来事だってプラスにできますし、逆にどんな出来事もマイナスに変えてしまうことだってできる。
本当のプラス思考というのは、自分の人生でどんなことが起こっても、それが自分の人生においてどうしても必要だから起こった大切な経験だと思えるってことでしょう。
さまざまな場所に連れて行かれて、新しい経験を積むうちに、修一は運について少しずつ理解するようになっていきます。
ついにはタクシーが自分の所にやってきた衝撃の理由がわかり、修一の人生に大ミラクルが起こるのでした。
そこにあなたが生まれ、ほんの百年ばかり生きて死んでいく、
そのときです。
あなたがその物語に登場したときよりも、
少しでも多くの恩恵を残してこの物語を去る。
つまり、あなたが生きたことで、少しプラスになる。
それこそが真のプラス思考じゃないかと思うんです。
この考え方は、現代の多くの日本人が忘れかけている他者への愛が語られています。
自分が過去や未来の中の多くの日本人の一人、人類の一人として生きていくという考え方です。
自己犠牲という言葉は今は流行りませんが、自分だけ良ければいいというものも空しいものです。
また、努力が報われれば良いのですが、報われなくても、それは今、運を貯めているのだと考えれば、人を妬むことも羨むこともないのです。
報われない努力なんてない!
著者の喜多川泰氏が語るこの言葉は、努力したにもかかわらず結果が出ない人にとって励みになる以上のものがあります。
タクシーの運転手は単なるドライバーという意味ではなくて、
運を転ずる者で『運転者』ということで、
特に、運について知りたい人、開運したい人、人生が上手くいかないと思っている人、努力が無駄になったと思っている人などに、是非読んで欲しい本です。
著者・喜多川泰氏
1970年生まれ。愛媛県出身。2005年『賢者の書』(ディスカヴァー)にてデビュー。
『君と会えたから…』『手紙屋』『上京物語』『株式会社タイムカプセル社』(以上すべてディスカヴァー)。
2013年『「また必ず会おう」と誰もが言った。』(サンマーク出版)が映画化。など多数。
運転者 未来を変える過去からの使者 (喜多川 泰シリーズ) [ 喜多川 泰 ]
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