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よくわかる「写真俳句」上達のポイント/感想・レビュー・要約/森村誠一・著

わずか十七文字で、作者が生きている世界、作品宇宙を切り取り、凝縮するだけに、俳句の奥行きは深い。

数千枚を擁する大長編を十七文字に凝縮できる芸は、俳句だけである。

 

このように語る著者は、逆にわずかな核から雲のように作品世界を膨らます小説家の森村誠一氏です。

森村誠一氏はもともとは歌人か詩人になりたいと願っていたというから、これも意外でした。

森村氏は写真俳句の第一人者で、本書はその指南書です。

まあ、How to~本ですね。

 

美しい写真と森村氏の句、そして文章も上手いので(小説家だけに)、面白いほどすらすら~っと内容が理解出来ます。

写真も添えて、SNSなどで発信したい人には、ぜひ一読をおススメしたい本です。

 

よくわかる「写真俳句」上達のポイント/森村誠一 著/メイツ出版

 

第1章 写真俳句の魅力

 

この章では森村氏の写真と句が右ページに、その解説と心情が左ページに書いてあるので興味深く勉強にもなります。

写真俳句の場合、”俳写”一体となって想像するので、句材としての写真には芸術性はいらないとのことです。

凡句や凡写がいい伴侶を得て、一種の化学変化を起こして全く別の生命を吹き込まれることがあります。

その比重は、基本的には俳写同格ですが、そのときの状況によって、俳句に重点が置かれる場合と、写真に傾斜している作品に分かれるそうです。

 

第2章 写真俳句のつくり方

 

ここでは写真俳句と俳句との違いの解説になります。

俳句は主に「五」語「七」語「五」語の三つの要素でつくられています。

それに「写真」という四つ目の要素が加わったのが「写真俳句」です。

あですから俳句は写真を説明するものではないのです。そして、さらに森村氏は、

「季語は写真に任せてもいい」とまで言っています。

これはすごいことを言っていますね。

 

ふと思ったのですが、無季の句は私などには勇気が無くて詠むことができません。

せいぜい川柳と思われるのがオチです。

そこで森村氏が言うように、写真に季語を任せて発句を数多くすれば、その中にはもしかしたら無季の句として成立するものも出てこないかしらん・・・

なんて都合がいいことを考えてしまいました。

 

第3章 写真俳句の作句

 

松尾芭蕉、正岡子規、小林一茶、与謝蕪村などの名句から、作句のテクニックやコツなどを解説しています。

大人ならではの知識を使って視野を広く持って句を詠んでみてはどうかと提案されています。

 

第4章 写真俳句の撮り方

 

素材選びと写真の撮り方の説明です。

デジカメでもスマホでも、自分が使い慣れた機材でどんどん写真を撮ることをススメています。

どんな日常の風景も切り取り方によって、生まれ変わります。

旅に出なくても、同じ通学路、とおり道であっても季節や時間帯によって空や影、草木など違った表情を見せてきれ余すしm。

どれが写真俳句につながるかわかりません。

つまらないと思った風景が、俳句を入れることによって煌めきを放ったりします。

 

第5章 写真俳句のたのしみ方

 

作品のさまざまな発表の方法やコンテストへの応募、作品を形に残していくなど、さまざまな写真俳句の楽しみ方を教えてくれています。

 

その他、この本の中で印象に残ったのは、下記の句についてでした。

 

炎天下驢馬ゆっくりと地雷原

 

この句は下五によって、のどかな光景が衝撃などんでん返しを打たれる。

下五次第によって、その俳句の運命が変わる好例である。

 

このようにご自身の句を引き合いに出されて、下五の重要性について語られています。

これはとても勉強になりました。

 

空蟬のくりぬかれたる夢の型

 

これも森村氏の写真俳句ですが、ここではご自身の夢について語られています。                                                                                                                                             

 

私にとって最も美しい夢の型は詠み人知らず(作者不詳)の作品である。

芸術作品はおおむね作者の表現欲の成果である。

だが、詠み人知らずは作者名よりも作品を重視している。

作者は名前を残さず、作品を残そうとした。これこそ創作者たる者の理想的な姿勢である。

 

芭蕉やベートーヴェンやミケランジェロやゴッホなどの作品が作者不明であったなら、作品はどのように評価されたであろうか。

それでもなおかつビッグネームの作者名を圧倒する価値を保ちつづけることこそ、私の夢の型である。

 

確かに。。。。彼は、真の芸術家なんだなと理解しました。

まだ凡人の夢の途中の私には、遥かに遠い心境のようですが・・・・

しかし、この本『よくわかる「写真俳句」」では、私のような凡人にも分かるように懇切丁寧に語られています。

 

私の場合、まず俳句があって、それに合うような写真を後から合わせていましたが、写真も意識するようになりました。

最初に写真があって、それを見ながら句を作るというのも面白いものだと思いました。

私の前回の句、

 

旅立ちにみんなと食べた蕗の薹

 

これはまずこの写真があって、

写真を見ながら発句したものなので、私の初めての写真俳句になるかもしれません。

これからも時どき、写真俳句を詠んでみたくなりました。

 

 

著者・森村誠一氏

1993年埼玉県生まれ。青山学院大学卒業。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。

1969年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、1972年『腐食の構造』で日本推理作家協会賞を受賞するなど社会派ミステリーの第1人者として活躍する。

2004年日本ミステリー文学大賞、2011年『悪道』で吉川英治文学賞を受賞。推理小説、時代小説、ノンフィクションまで幅広く執筆するなど著作数は400作を超える。

2005年に出版した「写真俳句のすすめ」で写真俳句の提唱者として広く認知される。

写真俳句連絡協議会の名誉顧問を務め、写真俳句の普及と後進の育成に取り組んでいる。

 

 

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