発句にコツなんかあるんだろうか?
と疑問に思いつつ、この本を読んでいるのは、
載っていた俳句と写真に惹かれたからでした・・・
感じたままを表現できるじょうずな俳句の作り方50のポイント/かしまゆう/メイツ出版
最近、人の句を読むのが楽しくなりました。
小粋な句に感心したり、
じみじみと身につまされて感動したり、
たった17文字の中にぎゅっと凝縮された世界を、現実から離れて垣間見ることができるのです。
俳句の本は、気に入った句が1句でもあれば、読んでみたくなります。
この本では、
尾鰭まだ足にもどらぬ昼寝覚
句・・・田中あき子とあります。
面白い句ですね。解説では、
「夢の中では人魚になって海に遊んでいたのでしょう。人魚そのものもおとぎ話で海に住むもので、実際にいるわけではありませんが、夏らしさが感じられます。
人魚の尾ひれは絵本の中の世界のように色あざやかなものがイメージされ、とても楽しい一句になりました」
とあります。
色彩を取り入れて
色をありのまま表すのではなく、色をイメージさせる「もの」を詠みましょう。
・・・というアドバイスもあります。
ここでは暑中見舞いに添える句について解説しています。
最近は暑中見舞いを出す人も少なくなってきていますが、だからこそもらった人は嬉しいし、それに俳句があったらステキですよね。
ページの右にあるフラミンゴの句が、作者の句ですね。
写真もあって、句の解説と発句のヒントがとても丁寧に書いてありますので、とても参考になります。
花の赤、海の青、雲の白など、色によってイメージがより鮮明になります。
濃い色は暑さや華やぎを、淡い色は涼しさや柔らかさを感じさせてくれます。
こういう作者が苦労して身につけたヒントを、本は簡単に教えてくれるのでとてもお得ですよね。
この本にはコツが50書いてあります。1つのコツに例句が3つですから、全部で俳句が150句も載っています。また、それぞれにイメージの助けになるような美しい写真と発句のヒントもあります。
🌟50のコツは下記の内容です。
第1章 自然と俳句を楽しむ【海、山、青空、夜空、花、雨】
第2章 おうちを俳句と楽しむ【ドレッサーで、キッチンで、掃除をしながら、洗濯をしながら、縫物/編物をしながら、バスルームで、おやすみ前に】
第3章 ちょっとそこまでを俳句と楽しむ【お散歩をしながら、カフェで、雑貨屋さんで、公園で、通勤/通学時間に、学校で、オフィスで】
第4章 よそいきを俳句と楽しむ【待ち合わせで、ウィンドウショッピングで、遊園地で、水族館/動物園で、劇場で、レストランで、スィーツのお店で、ドライブで】
第5章 アフター5を俳句と楽しむ【映画館で、美術館/博物館で、ライブハウスで、スポーツ観戦で、バーで、お稽古で】
第6章 旅を俳句と楽しむ【旅立ち、乗り物で、お花見で、温泉で、お祭りで、古都で、外国で】
第7章 俳句ですてきなあいさつを【はじめまして、おめでとう、元気を出して、さようなら、ありがとう、記念日に贈る、暑中見舞いに添える、年賀状に添える、ラブレターに添える、ちいさな子へ】
ここで特筆すべきことは、どのシーンも『俳句と楽しむ』とあることです。
日常の何でもないようなことでも、俳句にしてみると、時間に流されて消えてしまうような出来事や思いが、そこにキラキラと輝きを放ちながらとどまってくれます。
さらに言葉を色いろ入れかえてみて、推敲してみて、少しでも今の自分が表現したいものに近づけていく作業は、とても楽しいものです。
またいい句に出会うのは、どこか人とのめぐり逢いにも似ていて、心ときめくものがありますね。特に名もない人が詠んだいい句に出会ったりすると、ちょっと嬉しくなってしまいます。
句との出会いも、自分の鑑賞眼が深くなればなるほど、さらにすばらしい俳句にも出会えるような気がします。
あるいはかつて何とも思わなかった句が、後になってそのすばらしさに感動するかもしれません。
著者:かしまゆうさん
1976年東京都生まれ。成城大学文芸学部国文学科卒。
1996年、大学在学中に『月刊ヘップバーン』に入会、作句を始める。
2004年、句集『Tシャツ』を上梓。2005年『Tシャツ』で第二回文學の森俳句大賞佳作入賞。現在、俳句座☆シーズンズ所属。読売文化センター講師。
俳句の楽しさ、ことばの美しさを伝える活動を続けている。
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