学生時代の夏休に、銀座のラーメン店でアルバイトをしました。
お客の注文をとって調理場に伝え、出来たら運んで提供するという仕事です。
お昼になるとあっという間に満席になり、すごく忙しくなります。
初日か2日目かのまだ慣れない頃、テーブル席に4人がどっと座ってそれぞれ2品くらいずつ、みんな違うものを注文してきました。一度に覚えきれずにあたふたしていたら、その中の1人が、どうやら私を気づかって、
「おい、みんな同じものにしよう」といってまとめてくれました。
お客さんなのに、ただのアルバイトに親切にしてくれたあの人たちは、後でお店の人が「資〇堂」の人だと教えてくれました。当時19歳くらいだった私は、
” ああいう大人になりたいものだ ” と思ったものです。
今でも時どき、自分はああいう大人になっているだろうか と自問することがあります。
夏休賄いメシは天津麺
なつやすみまかないめしはてんしんめん
夏休〖夏の季語・生活〗暑中休暇・夏期休暇
学校では7月0日前後から八月中を夏休みとする所が多い。期間は地域によって異なります。
句は「夏休」で学生、「賄いメシ」で、料理店でのアルバイトを連想していただければと思います。
お昼になると、「何食べる?」って料理長が聞いてくれて、お店に出すのと同じものをタダで作ってくれました。毎日、色いろなものを作ってくれて、時にはお店のメニューにないものも作ってくれました。
そこで私は初めて、「天津飯」というのを食べたのですが、玉子がふわっとしてトロッとしたタレが絶妙で、天津飯っていうのはこんなに美味しいものだったんだと思って、それからよく天津飯を賄いメシで作ってもらいました。
アルバイトが終わってからも天津飯をほかの色いろなお店で注文したのですが、どうもイマイチでした。
あの頃はどこでも食べられる味なんだろうと思っていたのですが、今思えばどれも特別美味だったのかもしれません。なにしろ銀座にお店を構えているんですからねぇ・・・
お題が「ラーメン」なので、天津飯を天津麺にしてみました。まあ、乗っかってるのは同じようなものですからね。
いつもありがとうございます。