桜さくら堂

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あの道の萩を頼りに散歩せり〖季語・萩〗

関東はまだまだ暑い毎日ですが、それでも朝晩には、ほんの少しだけ涼しく感じられる日もあります。猛暑の間には避けていた散歩を、そろそろ再開しようかなと思いつつ・・・。

 

散歩では道々に咲く可憐な花々が、足取りを楽しませてくれます。

この道を行けば芙蓉が、あっちの道には碧い朝顔が・・・(まだ咲いているかしら?)

そういえばあの道には、そろそろ萩の花が枝もたわわに花をつけるはず・・・。(でも、まだちょっと早いかしら?)

そんなふうに懐かしい友に逢うように花々を頼みにすれば、散歩に行くのもちょっとした行楽のようですね。

 

 

あの道の萩を頼りに散歩せり

あのみちのはぎをたよりにさんぽせり

 

萩〖秋の季語・植物〗山萩・鹿鳴草・玉見草・萩散る・こぼれ萩

 

もともとは山野に生ずる落葉低木、マメ科ハギ属の総称です。

北アメリカ、東アジアを中心に分布しますが、日本はそのなかでも最も種類も、花の美しいものも多いのです。山萩、宮城野萩、錦萩はその代表です。

 

可憐な房状の花が枝ごとしなやかに揺れるさまや、散りこぼれるさまは、日本人の情念「もののあわれ」につながるものとして、詩人たちに愛されてきました。

「万葉集」で歌われた花のなかで、萩の歌はもっとも多く、栽培も万葉時代にはすでに行われていました。萩は秋の代表的な景物だと考えられ、そのため山上憶良は、「秋の七草」のトップに挙げたのでしょう。

 

秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花

 

萩の花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花

 

◇ 俳句歳時記 石寒太編 ナツメ社より ◇

 

萩にはまだちょっぴり早いようですが、萩の花を楽しみに散歩に行く気持ちを詠んでみました。

 

 

 いつもありがとうございます。

 

 

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