両親が仕事の関係で1年間ドバイに転勤になったため、ペイジ・ハートはその間イギリスの寄宿学校に入ることになりました。
ペイジは学期の途中で入って友達ができるかという不安と、もとは貴族の邸宅をそのまま学校にしたという由緒あるお屋敷での生活にもわくわくしていました。
「わあ、すてきなお部屋!」ペイジは思わず大きな声をあげました。
部屋は風とおしがよく、日あたりもよく、てんじょうはななめになっていて、ひさしの下につくりつけの戸だながならび、三角屋根のついた出窓がふたつありました。
ペイジの旅行かばんは、もう運びこまれていて、窓ぎわの、パッチワークのキルトかかかったベッドの足もとにおかれています。ベッドの横には机といすがありました。
評論社
魔法ねこベルベットⅠ学校へようこそ!/タビサ・ブラック 作・武富博子 訳
不安な気持ちで新しい寄宿学校へ行ったペイジでしたが、すぐに愉快で明るいシャリーと静かでやさしいサマーという友達ができました。どちらもルームメイトです。
どこからかペイジの部屋にやってきた黒い子猫は、学校の創立者の肖像画に描かれているねこにそっくりです。ベルベットと名付けて先生にないしょで部屋で飼い始めたのですが、ベルベットは不思議なねこで魔法が使えるようなのです。
クラスメイトのアビゲイルにいじわるをされたり、学校が閉校になる危機が訪れたりしますが、ペイジとシャリーとサマーと魔法ねこのベルベットでがんばります。
黒ねこのベルベットは、どんな魔法を使うのでしょうか。
作者のタビサ・ブラックさんはイギリスの作家です。小さい頃から猫が大好きで、寄宿学校にあこがれていたそうです。その2つが結びついて、このお話ができたと語っています。
そのせいかお話の舞台も貴族の古い屋敷の学校で、曲がりくねった階段や重厚な造りで、壁には石でできたガーゴイルがいたりします。黒猫はかわいい子猫で人懐っこく、ちょっとした不思議な魔法も使えてと、とっても魅力的ですてきな話になっています。
もちろん主人公のペイジもその友達も、好きになれるような人柄だし、日本とはまた違った面白そうな学校行事があります。
寄宿生活の経験のない日本の子供たちも、きっとわくわくとした気持ちで読んでいけるでしょう。それはきっと作者のタビサ・ブラックさんが、そんなわくわくとした気持ちでお話を書いているからなのでしょう。
ちなみに日本では6~7歳で小学校に入学しますが、イギリスでは1歳早く義務教育が始まります。
ペイジは同級生が9~10歳なので、イギリスでは5年生です。寄宿学校の多くは10代ですが、今は寄宿生の約1/3は海外からの留学生だそうです。
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