人里離れた山道に、ぽつんぽつんと人家があったりすると、
「こんな山の奥で住んでいる人もいるのか」と感慨深く眺めていたものでした。
それが最近になって、よくよく見てみると、どうやら今はもう住んでいないようです。
少し寂しく感じたりもしたのですが、それは遠い旅先でのことでした。
昨年、日帰りで行けるような秩父路へ紅葉狩に行った帰り道で、同じように空家になった家を見かけました。今までずっと人が住んでいると思っていたので、それが身近に感じてさらに寂しくなりました。
秩父路のいつから空家秋の暮
ちちぶじのいつからあきやあきのくれ
秋の暮〖秋の季語・時候〗秋の夕
秋の夕べ、夕暮れ時。
清少納言の「枕草子」には、「秋は夕暮。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝床へと行くとて、三つ四つ二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず」とあります。
秋の夕暮れはあはれの極みを感じさせるものとして、古来多くの詩歌に親しまれてきました。
秋季の終わりは、「暮の秋」といって区別します。
いつもありがとうございます。