桜さくら堂

いらっしゃいませ! 今日もあなたのために、とっておきのお話をご用意しました。

プレバドランキング 夏の他流試合スペシャル ≪ 2019年8月15日 ≫

今回のプレバドランキングは、天才小中学生 VS 名人・特待生 ということで、どんな子供達が、どんな句を詠むのだろうと、興味津々、ちょっとワクワクしながらの観戦となりました。

審査員は、俳句界の重鎮、夏井先生曰く、雲の上の人ということで、

  俳人 : 宇多喜代子 先生

  俳人 : 高野ムツオ 先生

  俳人 : 井上康明  先生

です。               

尚、これ以降、敬称略といたします。が、子供達にだけなんとなくつけてみようかな。

お題は、

≪ 夏空と電車 ≫ 

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第1試合

立川志らく                   特待生1級

はづき

八月が降りる 江ノ電の 海水浴

(江の島の海水浴の風景をシンプルに詠もうと。八月がどーんと、海水浴場に降りてきた というさまを詠んでみた)

馬場叶羽さん                  中学3年 俳句歴9年

 風鈴は 鳴らぬ 駅長室のドア

(地下鉄の駅長室のドアに風鈴がかかっていて、でも地下鉄なので風は入ってこなくて、「駅長室」という言葉を使うことによって、人がいないさまだったり、駅長さんの人柄であったりを詠めたらいいな、と思ってつくりました)

判定              選抜       プレバド

宇多多喜子            9         10

高野ムツオ           10          9

井上康明            10          9

----------------------------------------

Total              29         28

 

 高野:私は地下鉄だと思わなかった。普通の駅長室でも良いんだと思う。中には誰もい ないけれど、もしかしたら風鈴があって、ひっそりと駅長室を守っているのかなという作者の想像力が風鈴を詠んだというふうに思って……。

井上:地下鉄というのはわからない。駅長室の風鈴が鳴らないっていう夏の暑苦しさ、蒸し暑さ、そういうのがふわっと浮き上がってくる。志らくさんのは、八月は物を食べないし、恋はしない。喩えがやや踏み出し過ぎ……

宇多:私がそこが良かった。手足があるものが降りて来るんじゃ、つまらないですね。 

 夏井: 

俳句というのには、必ず評価の分かれ目というのがある。

八月が降りるという一種の擬人化を、大胆でおもしろいと評価するか、いや、分かんないよというか、 ここが大きな分かれ目の1つ。

こっちの句(風鈴は)は、あんがいこのドア、ここかもしれません。この字面通りに読めば、普通の駅と誰もが思う。「のドア」があって、風鈴が鳴らない。分かるようで分からない。「ドア」にある謎のようなものに、惹かれるか、惹かれないか 

 第2試合

皆藤愛子                      特待生 5級

 夕立の 粒木霊する 高架下 

(急な夕立が降ってきて、どうしよう、早くやまないかなって、高架下で雨宿りをしている時のようすです)

 

野村颯万 君                    小学6年 俳句歴8年

しろはえ

白南風よ レールの下の 砕石へ

(レールを見ていたら、丸い石が無いことに気付いて、調べてみたら「砕石」という名前で、その砕石は電車の下でクッションの役割をしていて、丸い石だとクッションにならないから、いつも見えない所でがんばっている砕石に「白南風」が当たってほしい)              

判定              選抜       プレバド

宇多多喜子           10          9

高野ムツオ           10          9

井上康明             9         10

----------------------------------------

Total              29         28

 

宇多:思いもかけず空高々と吹く大きな風が、レールの下の、しかも小さい石に届く。こういう着想は、おもしろいと思いましたね。

高野:(白南風)よ も効いている。風に対する呼びかけの気持ちが出て、励ましている気持ちも、そこまでしっかり伝わってくるんだと思います。それから、砕石へのへもいいですね。

井上:私は、「よ」と「へ」が、あまり効いていないと思うんですよね。一緒にレールの下の砕石へ行こうみたいな言い方ですよね。

夏井:

「夕立」の評価の分かれ目は、「粒」なんです。粒が見えて音になっていく。そこが良いと評価する人と、「夕立」「高架下」で木霊するわけだから、「粒」はいらないと考える。その2つに分かれる。「よ」「へ」の助詞、積極的に評価するか、そこが気になるというか、ここが分かれ目。

⇒ 夕立の 全てが木霊 高架下

第3試合

千原ジュニア                     特待生 1級

撮り鉄の 汗拭いけり 103系   

(「撮り鉄」といわれる電車マニアの方が、ずっと暑い中、カメラを構えて待っているところに、古い電車が来た)

阿見果凛 さん                    小学4年  俳句歴2年

さみどり

早緑の 電車まっすぐ 夏雲へ   

(早緑の電車がまっすぐ夏雲の方へ向かっているような感じがしたので、電車はいつも同じ線路の上を走っているので、いつかどこかへ飛び出したくならないかなと思って)

判定              選抜       プレバド

宇多多喜子           10          9

高野ムツオ            8         10

井上康明             9         10

----------------------------------------

Total              27         29

 

宇多:レールを絶対に抜け出ることのない電車が、空まで飛ばしたという発想が良いんじゃないですか。

高野:電車まっすぐ この表現は素晴らしいと思います。早緑が、色なのか、実際に緑が満ち溢れているのか、少しわかりにくいところが残念。

井上:撮り鉄の方、現代の風景で、汗を拭ったっていう所ね、ホッとしている時間を描いている所が上手い。で、103系っていうの、私知らなかった。だけど、何となく懐かしい電車のような感じ……(高野:かつての国鉄、山手線。満員電車のイメージから)

夏井:

 

  この句の勝敗の分け目は、103系と具体的に言ったところの良し悪し。103系がすぐ分かる人は「なるほど」と分かるけれど、分からない人にとって、何系の103は分かるけれど、具体的に古い蒸気機関車みたいなのか、通勤電車なのか、知識がない人は具体的過ぎて分からないかも。

 

早緑、あの写真見てるから、早緑の電車っていうのが私たちにはスルッと来る。この表現も、私はいい表現だと思います。確かに高野先生がおっしゃったように、木々の緑をイメージする人がいるかもしれないなという不安は、微量あるなというふうに思います。どちらも、それぞれの魅力と小さなもったいない所があって、どっちの傷がそれぞれ許しやすいか、ものすごく僅差へのジャッジになっていくと予想した。 第4試合

 

千賀健永                       特待生 1級

原爆忌 弾丸列車 光この空

(「原爆忌」は、原子爆弾が投下された慰霊の日なんですけど、「弾丸列車」というのは、新幹線ですね。広島が破壊し尽くされた時から考えた今は、新幹線が走ってきれいになったよ。僕たちはその時代に生きていないけど、「原爆忌」があることで、平和になったと改めて思える句にしようと思って)

 

宇都宮駿介君                     中学3年  俳句歴8年

原爆忌 今日も明日も 通る道
 (いつも歩いている通学路を、今日が「原爆忌」だと知ったら、この道に、もし原爆が落ちていたら、明日は通れない。いつもと違って、大事に通らないといけない)

判定              選抜       プレバド

宇多多喜子           10          9

高野ムツオ            8         10

井上康明            10          9

----------------------------------------

Total              28         28

 

宇多:ひねりのないのが良かった。日常の中にある原爆忌という捉え方が良かった。

高野:作者も(千賀)この良さを知っていないと思うんですけども……。弾丸列車は、かつて夢が叶わなかった列車を思い出しながら、平和になった今、実際に走っている新幹線に乗ってると。そういう、時間がダブルイメージで見えてくるのがとても良い。

弾丸列車……東京~下関、そこから朝鮮半島、中国大陸へ向かう計画だった列車の名前。昭和18年、戦局の悪化により断念。

夏井:

 

  高野先生のお話を聞いて、驚いている。あの写真から、若い2人から出てくることに、とくかく驚いたというのが、最初の驚きです。

 

 日常の普通の光景の中に捉える、こっちの方が、よっぽど落ち着いた捉え方デスクトップよね。

弾丸列車、新幹線って言ったら、終わっちゃいますよ。聞いてて、何でそんなつまんないこと言うんだよって思いながら見てましたけど、弾丸列車に、そういう時代背景があるのを、今知りました。それがあるから、高野先生は10点をつけられた。「原爆忌」の奥行きが深くなる。この空はリズムが悪いと思ったけど、意味が分かったら、あえて言う意味があるんじゃないか、10点の句。 

 

 第5試合

FUJIWARA 藤本敏史                  名人 10段

塩っぱめの 飯頬張る 西日の火室

(「火室」というのは、蒸気機関車のスコップで石炭を入れる場所。石炭を入れる人を「釜炊き」というんですけど、釜炊きの仕事って、体力をめっちゃめちゃ使うんです。夏、汗が滝のように出てきて、大変な仕事なんですって。西日が当たってる休憩時間に、塩分強めのおにぎりを頬張っているという俳句です)

 

水野結雅 君                     小学6年  俳句歴 5年

鈍行は 僕の生き方 かぶと虫

(「鈍行」って、各駅停車で遅くて、僕はいつも遅くて怒られて。その生き方でも、自分は良いと思って。「かぶと虫」は、見た目は恰好良さそうに見えるけど、本当は動くとノロノロしていて、僕の生き方と同じだと思って……)

判定              選抜       プレバド

宇多多喜子           10          9

高野ムツオ            9         10

井上康明            10          9

----------------------------------------

Total              29         28

総合計            142        141

 

宇多:西日の火室、舌を噛みそうなところが。リズムがゴツゴツきてるかな、と思って。

井上:飯頬張るってところがね、言い過ぎ。色んな材料がたくさん入っていて、ちょっと言い過ぎてる。

高野:(塩っぱめの…)作り方、うまくない。下手くそです。下手くそなゴツゴツしたリズムが、この句の内容に良く合ってる。

夏井

:「鈍行」に対して「カタツムリ」だと、絶対アウトだと思うんだけど。かぶと虫ときたかと。力強く遅く美しく、あ~なるほどなと。これ、小学生でやられたら、この子の生き方、この先どんなかぶと虫になるんだろうと、本気で思いました。

評価の分かれ目という話でいうと、まさにこの頬張るというところが、要るのか要らないのか、言い換えた方が良いのか、「塩っぱめの握り飯」で良いんじゃないかという人も出てくるかもしれないですね。頬張るをこのまま納得しているところは、ちょっと緩いかなとは思いました。

 とても良い感性をお持ちの皆さんで、楽しく学ばせていただきました。

夏井先生は、たくさん種をまいて、小さな芽を大事に大事に育てているんですね。すてきなことだと思いました。

美しい富士山グラスです

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世界遺産の富士山が、グラスの底に……美しくて遊び心のある富士山グラスをいただきました。

ガラス職人が、江戸時代からの伝統技法(江戸ガラス)で作られています。これは富士山を彫った金型に、熱したガラスを吹き込んで作るそうです。

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グラスに入れる飲み物の色が、富士山の山肌が同じ色に染まって美しいですよ。飲み物の色によって異なった表情の富士山になるので、色いろ試してみて、四季折々の富士山を飲みながら楽しめます。

猛暑の中でも、雪が積もった富士山に癒されます~~(´ω`*)

メーカー : 田島硝子株式会社

材質   : 無鉛ガラス

サイズ  : 高さ 約 95mm / 口径 約 92mm

東京都指定伝統工芸 「 江戸ガラス 」

2015年 おみやげグランプリ 

    グッズ・ノベルティ部門でグランプリ・観光庁長官賞

※ 類似品がありますので、気をつけましょう。

  桐の箱に入っていますよ。

 

 

 

 

プレバトランキング  ≪ 平成31年8月8日 ≫ 

f:id:sakurado:20190809125610j:plain お題 : お盆のサービスエリア  ≪敬称略≫

1位  丘みどり             才能アリ 72点

    夏の雲 サイドミラーに ひしめきぬ 

丘みどり:

お盆のサービスエリアですごく混んでいる時に、「あ、ちょっと、飲み物でも買いに行こうかな」と、ふと出ようとした時に、サイドミラーに映った雲を見て、「あ、夏だな」と感じる句です。

夏井いつき:

あなたの目に映ったものを、非常に素直に、的確な言葉を選んで表現できている。描写できている。それを褒めないといけないということになります。

「夏の雲」を書いただけで視線はもう見上げてますね。「見上げれば」と書く必要はないですね。そして「に」というのもサイドミラーという小さなものに、焦点をきゅーっと絞っていくようなそういう効果を持っています。

最後「ひしめく」という動詞を選んだ、これが全てです。サイドミラーにから、鏡の中にさらにアップがずーーっと焦点が絞られていくでしょ。そこに、ひしめいている、これだけで夏の雲の勢いもわかりますね。シンプルに作ってるけど、よく作れている、そして作者を見て、あんぐる。よく勉強した、エライ。

2位  和田アキ子             才能アリ 70点

    裏道も 果てなき尾灯 夏の月

和田アキ子:「ちょっと、泣きそう、マジ!?」

高速嫌いなんですよ。いつまでいってもちょろちょろだと大変。裏道回っても、みんな一緒。ブレーキランプ、そうしているうちに夜になって、見上げた。

夏井いつき:考えないといけないポイントは、まさに「も」なんです。特待生になったら、この「も」が大丈夫かどうか? ちゃんとわかるようになる。すばらしいと思いますよ。正解は名人のいう通り「も」は良いんです。裏道もということは、表の大きな道も当然(渋滞)ということを、この人は言いたいわけです。「も」が気になると、特待生以上の人は気づくわけです。助詞「も」はダラダラした文章のような句になりやすい。この「も」を、あまり気にならないようにするという方法もあるんです。

裏道も 尾灯果てな 夏の月  

文脈が下五に流れていくので、「も」の説明くささを、尾灯がずーっと果てなく続いていると、光景がちょっとずつ広がっていく。そうすると、夏の月が赤く熱く尾灯の色のように浮かんでいると、こんな感じになるわけです。作者わかって、もう、ビックリ!( ゚Д゚)!

 

昇格試験  永世名人への道   現在 名人10段  東国原英夫

墓参り 後ろに誰か ゐるやうな

東国原英夫:墓参りに行くと、何か後ろに気配がある。先祖なのか、何なのか……振り返れないな。もし先祖なら帰ってしまいそうな気がする。大切にしながら、墓参りをする。その辺、ゾーッとしている。それを句にしました。

結果  現状維持

夏井いつき:ゾクッとさせて欲しい。

伝えたいことはちゃんと分かります。特に中七から下五にかけての「何かいるんじゃないか」という、この気配、気分ですね。それはもうたくさんの人が共感するんじゃないですか。そうなった時に、リアリティがちょっとだけ足りない。リアリティを足りなくしているのが「ような」。そんな気がするんだけど……そんなような。ここでリアリティが削げてしまう、と。こういう話なんです。

たれかゐる けはひ 墓参のうしろ

「 うしろ」と言われた瞬間に、「えっ?」と思う。ゾゾっとしませんでしたか? うしろと展開するから、小さくゾクゾクっとする。これができれば、一歩前進。

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残暑お見舞い申し上げます~~💦

酷暑の毎日ですので、熱中症などお気をつけください。

 

 

 

 

 

渋野日向子さん、AIG 全英女子オープン優勝 おめでとうございます!!

 

f:id:sakurado:20190806095805j:plain  渋野日向子選手、AIG全英女子オープンゴルフ優勝

        おめでとうございま~~す!!      f:id:sakurado:20190806095336j:plain

 とびっきりの笑顔で、初出場、初優勝なんて、まさに『スマイリング・シンデレラ』という呼び名がぴったりですね! 

最終日に最終組の2打差単独トップでスタートって、夢のような感じでわくわくをしながらも、でも、まてよ、マキロイ(男子マスターズでずうっと首位を守りながら、最終日に大きく崩れた)の事もある、と期待半分、不安半分で応援していました。 3番ホールでダブル・ボギーでは、う~~ん、と不安がよぎりました。

f:id:sakurado:20190806095259j:plain 首位から転落したのですが、それでも、

あれ、もしや……って、12番ホールでワンオンし、あのステキな笑顔を見ていると、なんとなく優勝するかもしれないなっていう気がしてきました。この時、リゼット・サラス選手がー16(12H)、コジンヨン選手がー15(12H)、渋野選手がー14と3位まで落ちていたんですけどね。

勝つ選手は顔を見ればわかるって言ったのは、斎藤一人さんでした。勝つ選手はいい笑顔をしている。反対に負ける選手は、悲しそうな顔をしていると、何かで読んだか聞いたかしたのが、ふっと思い出されたんですね。

あと超トップ争いをしているスポーツ選手は、髪に手をかけすぎるようになると負けるとも言われていますね。

f:id:sakurado:20190806095927j:plain f:id:sakurado:20190806095439j:plain    f:id:sakurado:20190806095945j:plain

それが確信になったのは、あれですね、『タラタラしてんじゃね~~よ』(よっちゃん食品工業)というお菓子を笑顔で食べて、コーチでもある青木翔コーチとふざけている時ですね。ああ、勝つな、って、思いましたよ。16Hだったかな?

なんだかすごく楽しそうにプレイしていて、聞くところによれば、キャディーの

青木翔さんはコーチなんだそうで、自らキャディーをかって出たと解説がありました。

あっ、いいなあ~ って思わず、思いました。私も、人生で困ったことがあった時にアドヴァイスしてくれる人がいたら、どんなにいいだろうって思いました。そうしたら、変な話なんですが、ふっと、ガーディアン・スピリッツがいたなって、一瞬だけ思いました。本当かどうかわからないんですけれど、なぜか私って結構運がいいんですよね。あっ、誰にでも、あなたにも、そういう守護霊みたいなのがいるらしいですよ。たとえば、忘れ物をして乗り遅れた飛行機が墜落したとか。その忘れ物をしたってとこに、守りが入っているらしいんです。

最終ホールで、ー17でホールアウトしていたサラスが、プレーオフのためのパットの練習をしている中で、渋野選手は満面の笑顔で手を振ったり、ファンサービスをしたりしながらプレーしているんですね。(^O^)

そして、ラスト。しっかりと強気でパターを打って、バーディっていう、感動的なパットを決めて優勝です。まるで、ドラマのようです!!

渋野日向子選手「鳥肌が立ちすぎて……。言葉にできない。最後のパットもそこまでは緊張していなかった。強めに打とうと思って、ここで決めるか3パットするかだと思っていた

スコア

66-69-67-68

いいものを見せていただきました。勝因はやっぱり渋野選手の練習と実力とメンタルの強さ、笑顔と、あと今回は何も背負っていなかったから、かな。無欲で平常心でやれたこともあるんじゃないのかな。

今までの他の選手だってすごく強かったけど、2位どまりだったのは、日本とか、すごく重い物を背負ってスィングしていたからじゃないのかなぁ、なんで思ってしまいます~~。

それにしても、これからが楽しみですね~~(*^。^*) 

 

 

 

 

 

 

自動ドリップ・コーヒーメーカー Oceanrich

f:id:sakurado:20190731162914j:plain 1杯からのコンパクトなコーヒーメーカー

 oceanrich は頂いたものなんですが、とても重宝していますのでご紹介をしようかなと思います。シンプルなデザインで、使い方もとても簡単です。

挽いたコーヒー豆を入れて、給湯サーバーにお湯を注ぎ、スイッチをオン! するとサーバーが回転して自動でドリップをしてくれて、2~3分後に美味しいコーヒーが出来上がり、ってわけです。(*^^)v

 今まで色々なコーヒーメーカーを使ってみたけれど、結局は手入れが面倒ってことで、最終的には紙フィルターを使ってハンドドリップをしていました。時間や気持ちに余裕がある時と無い時で、それから色々な条件で、私もテキトーな所があるものですから、同じ豆を使っても出来上がりが上手くいったり、いかなかったり……な感じでした。

 この自動ドリップコーヒーメーカーの oceanrich はいいですよ、どんなに焦っていても、どんなに落ち込んでいても、同じ濃さで同じ味の美味しいコーヒーが出来上がるんですから。上手い人は、ハンドドリップでもそうなんでしょうけど。私はね、気分が味に出るんです。それに、紙フィルターがいらないってとこも楽ちんでいいですね。

(*^_^*) 給湯サーバーがゆっくりと回転しながら、ぽたぽたとお湯を落としてドリップしていく所なんかも、マスターがコーヒーを淹れているみたいで、見ていてとても楽しいです。重さがわずか245gで、世界最小クラスらしいですよ。

How  to  Use

1.コーヒー粉をドリッパーに1杯入れます。

2.本体とドリッパーを回して、ロックして締めます。

3.給湯サーバーを本体にセットします。

4.セットした本体を、コーヒーカップに置きます。

5.スイッチをONにします。

6.お湯を給湯サーバーのMAX位置まで入れます。

7.最後にフタをします。

8.約120秒~180秒後に、おいしいコーヒーが出来上がり。

※ お問合せ先

〒277-0005

千葉県柏市柏6-4-24 柏ビルディング4B

☎     04-7166-5778 (平日 10:00~17:00まで)

Fax     04-7128-6557

Email  support@uniqstyle.co.jp

http://www.uniqstyle.co.jp

 

 

横須賀ドブ板ストリート・ストーリー ⑫

「やめろ」

 ひどい濁声がしたのは、エンディングの少し手前だった。それを無視して、弾き続けた。

「おい、聴こえねえのか?」

「ちょっとあんた達、待ちなさい」

 マリアさんが制止した。それを振り切って、どやどやと複数の足音が近づいてきた。先頭の月面と見まがう顔は、横山だった。鼻のピアスが、ホクロのように見えた。

「静かにしろ」

 横山の真後ろから、やけに冷静でトーンの低い声がひびいた。全ての影が、ピタッと止まった。

「そうですよ、池尻さん。こいつはまるっきりうるさいッスよね。もうこいつには、主なるイエスしかないスよ」

 横山が上目づかいで言った。

「あら、あんたたち、クリスチャンだったの?」

 いつかの謙太郎のセリフを、マリアさんがそっくりくり返した。謙太郎がふき出した。

「あっあ~~、もうダメだ。これでもうあやまったって、ぜってえ許されないぜ。アーメ……」

 そこでぷっつりと、横山の声が途切れた。横山は池尻の強烈なアッパーをくらって、その場に仰向けに倒れた。

「お前だよ、うるさいのは」

 床にのびている横山に向かって、池尻が冷ややかに言った。それから謙太郎には、

「ありがとうございました」

と、深々と頭を下げた。その不可解な行動に謙太郎がとまどっていると、

「杉村さんのことです」

 池尻はまっすぐ謙太郎を見て言った。

「べつに。杉村さんはおまえの彼女ってわけでもないんだろ」

「まあな」

「だったら、礼を言われるスジでもないし」

 周りがざわっとした。

「けど、オレとしては言っておきたかったんだ」

 そのひたむきな目を見て、こいつ、わりといい奴かもしれないと思った。

 しかし、よく見れば、その視線は謙太郎からわずかにズレている。その視線の先をたどっていくと、そこには達良が使っていたドラム・セットがあった。

「広尾達良さんが使っていたドラムだよ」

「ええっ、マジ?」

 常に冷静沈着という池尻が、うわずった声をあげた。

「知ってんの?」

「そりゃあ、ドラマー界のレジェンドですから」

――やっぱりそうだったんだ。ただのオッサンにしか見えなかったけどな。

 池尻はドラムセットをためつすがめつ眺めていたが、いつの間にかちゃっかりとドラムのイスに座っていた。しかも自分のバッグから、マイ・スティックまで取り出してかまえている。

「ありゃりゃ~~」

 まただ。池尻が目を丸くしている。池尻って、こういうキャラだっけ。

「どうしたの?」

「これ、セカンドタムが無いよ」

「ジャズは――」

 謙太郎は指先で、ライドシンバルを軽くつついた。

「これでリズムを刻むんだよ」

「へえ~~」 その直後に、池尻のスティックがしなった。強く正確なリズムが、シンバルで刻まれていった。

――さすがだ。一発で決めやがった。

「いいなあ、これ」 池尻は一目惚れした女子を見つめるような眼差しで、じいっとバス・ドラムの辺りを見て言った。

「お願いだ、北見サマ」

「サマ??」

「オレもメンバーにしてよ」

「はあ⤴」

「池尻さん、何言ってるんですか?」

 謙太郎が言おうとしたセリフを、池尻の取り巻き連中が先に言った。

「パラダイスはどうなっちゃうんですかぁ?」

「解散だ!」

「ええ――っ、そんな」

「池尻さ~~ん、目覚ましてくださいよお」

 パラダイスのメンバーが、口々に言った。

「うるさいぞ、お前ら。とっとと失せろ、さもないと」

 池尻の凄みのある一喝で、パラダイスのメンバーは蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。ウシガエルのような腹を突き出して、床にのびている横山だけを残して。

 池尻はあこがれの眼差しで、

「いいなあ、このドラム~~」

 ドラムをなでながら言った。

「そっちかよ?」

「あれ、オレ、いつ達良さんがいいって言った? いや、いいよ。それは認める。けど、オレだって、いや、オレこそ、次はぜってー、ナンバー1になる。な。ってことで、じゃあ、ヨロシク」

 パシパシとシンバルを叩きながら、池尻が言った。

「待てよ、まだおれ、OKしてないよ」

「あら、いいんじゃないの。男前だし、人気が出るわよ」

 マリアさんが、池尻のルックスだけを見て賛成した。

――やれやれ。

「勝手にしろよ」

 それを聞いて、池尻がにま~~っと笑った。

 謙太郎は再びピアノに向かい、もう一度さっきの曲をくり返した。それに合わせて池尻が勝手にリズムを刻み始めている。

 その時、ビギン&ビギンの扉が開いて、また誰かが入ってきた気配がした。謙太郎はなぜが、心がワクワクと弾むのを感じていた。

                               ―了―

 

※ 作者 YuYu(ゆゆ)談:『横須賀ドブ板・ストリート・ストーリー」お楽しみいただけたでしょうか? 

この話は一旦ここでおしまいとなります。ちなみに作者は、公益社団法人 日本文藝家協会 著作権管理部 に著作権管理委託しております。

  

横須賀ドブ板ストリート・ストーリー ⑪

六 再び、B&Bにて

 みぞれは夜半過ぎに雪へと変わり、朝にはまた冷たい雨になった。謙太郎はその夜に、40度近い熱を出してダウンした。熱はすぐに下がったが、咳が出るようになった。咳はしつこく、日増しに酷くなっていった。

 心配した広尾が会いに来たけれど、寝たふりをして帰ってもらった。今会えば、きっとつまらない事を言ってしまいそうだった。いや、絶対言う。

 広尾は翌日も来た。翌々日もだ。この日は、あっさりとは帰らなかった。夜遅くなっても帰らないで、謙太郎の部屋を黙って見上げていた。謙太郎はベッドから立ち上がって戸口まで行った。ドアに手をかけたところで、思いとどまった。

 翌日になって、ようやく決心してビギン&ビギンへ行ってみた。しかし、すでに広尾はいなかった。

「あれぇ、昨日会ったんじゃなかったの? すごく遅くなっ帰ってきたから、うんと別れを惜しんできたんだろうなって思っちゃったよ」

 いつもの陽気なノリで、修二が言った。二人は真夜中に、軽トラに乗って小樽に向かって旅立ったということだった。あの時、会わなかった事を、謙太郎は激しく後悔した。格好なんかつけるんじゃなかった。みっともなくても、本音を口走ってしまったとしても、会っとけば良かった。

「オタルなんか、すぐそこだよ」

 修二がなぐさめてくれた。修二が言うと、そんな気がしてくる。けれど一人になった時、寂しいという言葉の本当の意味を知った。

 すっかり落ち込んだせいか、病気に抵抗する気力も失ってしまい、風邪はずるずると悪化していった。桃子に促されて病院に行くと、医師に入院するかと聞かれた。断ったら処置室のベッドで点滴を二本も打たれた。ようやく解放されて待合室にもどったら、そこに池尻がいた。

 池尻は待合室のソファに、うつむきかげんに浅く座っていた。謙太郎に気づいたようだったが、何も言って来なかった。池尻でも病院では、礼儀をわきまえているようだった。

 会計の順番を待つ間に、さりげなくようすをうかがっていると、小児科の方から看護師が足早にやってきた。その看護師は、こっちの一般の看護師とちがって、桜色の制服とナース帽をかぶっていた。

 看護師は、杉村さんだった。杉村さんは笑顔で、まっすぐに池尻の所へ行った。二人は親しそうに話をしていたが、声は謙太郎の所まではとどかなかった。まもなく池尻は、謙太郎の前をスルーして、表玄関から出て行った。杉村さんも戻ろうとして、謙太郎に気がついた。

「あら」

「どうも」

 またぺこりと、首の体操をした。

「どうしたの?」

「なんでもない……」

「なんでもないって、ここは病院よ。なんでもないわけないでしょ」

 杉村さんがにらんだ。看護師の杉村さんは、すごく強くて、嘘が通じない気がした。

「肺炎になるとこだったって」

「まあ、だめじゃない!」

 今度は、顔色を変えて怒った。

「もっと、自分を大事にしなくちゃ」

「はい」

 素直に返事をしたら、ほっとした表情になった。

「もともと健康な人って、その大切さがわからないのよね。ゆうちゃんみたいに、必死になって病気と闘ってきたら……」

「ゆうちゃん?」

「池尻結城くんよ、さっきの。北見くんと同じ学校らしいんだけど、知ってる?」

「まあ」

――知ってるもなにも、今、彼のことが最大の悩みになってるんだ、とはさすがに言えず、二人の噂なら知ってると言葉をにごした。

「へえ、どんな?」

「恋人だって」

「コイビト?」

 杉村さんはすっとんきょうな声を上げて、ぷうっとふき出した。

「あたしたち、なんて言ったらいいのかなあ? 家族でも恋人でもないんだけど、でも時どき、それ以上かなあって思うこともあるわ。一緒になって病気と闘う……戦友、そうね、戦友なのよ」

「はあ」

「きっと、ここにいる人にしかわからないわね。小児病棟の子たちって、ちょっと見にはぜんぜん元気そうなのよ。でもね、みんな病魔と戦っているの、命がけの戦い。ゆうちゃんもそうだった。そしてね、勝つためには希望がいるの。それはその子によって色いろだけど、ゆうちゃんの場合は音楽だった。元気になって、演奏をするんだっていう強い想いが、彼を救ったの。ゆうちゃん、すごく頑張ったのよ」

 そう言って、杉村さんはちょっと涙ぐんだ。池尻は退院した今もやってきて、入院している子供達の相手をしたり、演奏をしているのだそうだ。

――横山の話とはだいぶ違うよな。

 あのイグアナ金髪の池尻と、病弱な少年とが、どうしても結びつかなかった。

「じゃあ、お大事にね。ちゃんと寝てないとだめよ」

 杉村さんは看護師の顔になってそう言うと、手をひらひらふって小児科の方へ戻っていった。

 薬が効いたのか咳は二、三日でおさまってずいぶん楽になった。

 外へ出ると、足は自然とビギン&ビギンへと向かった。ドブ板通りから広尾がいた二階の部屋をぼんやりと見ていた。こうしていると、まだあの部屋に広尾がいて、呼べば窓を開けて顔を出してくるような気がした。

「広尾」

 小さく呼んでみた。

 すると、パッと窓が開いた。

「あら、ぼうや」

 顔を出したのは、マリアさんだった。「ちょうど良かったわ、これ」

 そう言ってマリアさんは窓から身を乗り出すと、一枚の紙切れを落とした。紙は『枯葉』のようにはらはらと頼りなげに宙を舞いながら、謙太郎の手元へ落ちてきた。

「それ、竜ちゃんが置いてったみたいよ。――謙へって書いてあるわ」

「えっ」

 それは、『音が灯る街角で』の詩だった。最後の一行まで、すっかり完成されていた。

 胸が高鳴った。

「マリアさん、ちょっとピアノ弾いてもいいですか?」

「いいわよ。修ちゃん、今いないけど、お店の鍵は開いてるから、勝手に中に入って使ってちょうだい」

「ありがとうございます」

 譜面台に広尾の詩を置いて、静かに目を閉じた。するとかすかにベースの音が聴こえてきた。

 音は初めは小さかったがだんだん大きくなり、やがてくっきりとしてきた。聞きなれた広尾の音だ。かつて一緒に作り上げた音が、今も聞こえてくる。うれしかった。その音の一つ一つを確かめるように拾っていった。

 その途中で、バーーンと店のドアが乱暴に開き、ざわざわと複数の人間が入ってくる気配がした。

「なによ、あんたたち、店はまだ……」

 マリアさんの声も混じっている。

「池尻さんを」

 そんな声もする。

――ついに来たか。

 池尻の取り巻き連中の中の誰かが、謙太郎が店に入るのを目撃したのだろう。広尾のことで頭がいっぱいだったから、注意を払うのを怠っていた。謙太郎は唇をかみしめた。

――いいさ。どうせいつかは、ケリをつけなければならない相手なんだ。

 心が定まると、再び音に集中した。謙太郎はそのままピアノを弾き続けていた。