児童文学・YA・絵本
パフィン島があるイギリス南東部の沖合は航海の難所です。 嵐の夜、パフィン島沖でペリカン号が遭難しました。 このとき、灯台守に助けられた人の中に5歳の少年がいました。 いつか島にもどりたい・・・ ずうっと少年は願いつつ、長い歳月が流れていきまし…
不思議な駄菓子屋の『銭天堂』には、魅惑的なお菓子が所狭しと並べられています。 必ず訪れた・・・というよりも辿り着けた人にはふしぎなお菓子があって、 「お客さまのおのぞみにぴったりの、いいお菓子がござんすからねぇ」 と、駄菓子屋のおかみの紅子さ…
あずかりやさんは、ただもう、あずかってと言われたものをあずかり、それがどんなものだろうと、一日百円。奇妙な商売ですね。 最初に期限を決めて前払いしてもらい、期限を過ぎても取りに来なかったら、あずかりものはいただきます。 そして売れるものは売…
ロード・ゴートという黒猫が、第2次大戦下のイギリスの町を、飼い主のジェフリーを追って長い長い旅をつづけていきます。 「戦争という暗いトンネル」の中で、何もかもが変わってしまったけれど、 最後にただ1つ変わらなかったものは・・・? イギリスの戦…
やや大きめの絵本のような美しい季語辞典です。 思わず手に取ってページを開くと、これまたハッとするように美しい冬の雪山の写真がありました。そこには・・・ 山眠るまばゆき鳥を放ちては 山田みづえ という句があります。 その隣には、これもまさに降るよ…
俳句は、文学として世界でいちばんみじかい詩です。 しかも日本じゅうの人びとにしたしまれている詩のかたちをもっています。 風景やものやことによせて、感動したこころをあらわします。 海外でもHAIKUとして知られています。 ・・・これは巻頭にある言葉で…
月曜夜九時からのラジオ放送〈レディオワン〉に、こんなお便りが届きました。 「DJジョンさんは、どうしてそんなに、いぬの気もちが、わかるのですか」 はっはっは。 それはかんたん。ぼくがいぬだからです。 レディオワン/斉藤倫 作/飛ぶ教室の本 光村図…
ふらいぱんじいさんは まっくろな おなべの じいさんでした。 たまごを やくのが だいすきで、いつも こどもたちの ために たまごを やいてやりました。 ところが あるひ、おくさんが あたらしい めだまやきなべを かってきました。 かわいそうに ふらいぱん…
「……昔、まだ店もなく、まねき猫さんたちもいなかったころは、あたくしがお菓子をつくり、それを売り歩いていたんでござんすよ」 今回のお話は戦国時代までさかのぼって、 紅子さんが『銭天堂』のお店をかまえるまでのお話になっています。 まっ黒い猫の墨丸…
トムは誰かに飼ってもらいたいと思っていました。 そこで「ぼくはきっと役に立ちますよ」とアピールして、 飼ってくれる人をさがしましたが、なかなか見つかりませんでした。 がっかりしたトムをみて、タクシーの運転手をしているランスさんという人が、 飼…
スウェーデンの、小さい、小さい町の町はずれに、草ぼうぼうの古い庭がありました。 その庭には、一けんの古い家があって、この家に、ピッピ・ナガクツシタという女の子がすんでいました。 この子は年は九つで、たったひとりでくらしていました。 だけど、心…
夜が終わって、朝になる前の一瞬、自然の沈黙がおとずれる……という《あおいじかん》を見るために、カイトとみくが夜明け前の小さな冒険旅行に出かけてゆく。 あおいじかん/長崎夏海・作/小峰書店 カイトの父親は、フィリピンに単身赴任している。 夕ご飯を…
金のりすは ぼくだけの 友だちなんだ。 だれにも 見せることはできない。 なかよしの まきちゃんにだって。 金のりす/江崎雪子・作/永田治子・絵/ポプラ社 太陽の光が ぜんぶ金になって、こがね山のてっぺんに つもっていくみたいだね。 学校帰りにりょう…
そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。 そして星がいっぱいです。けれども東の空はもう優しい桔梗の花びらのようにあやしい底光りをはじめました。 宮澤賢治童話大全/講談社/Super文庫 これは「いちょうの実」の冒頭…
それは、こげ茶色のどっしりとしたつくえでした。 まんなかにひとつ、左右に四つずつ引き出しがついていて、すこしはなれたところから見ると、どこかの国のりっぱな門のようにも見えました。 これはおじいちゃんの机です。 賢明なあなたのお察しの通り、この…
ひろゆき(西村博之)さんは、 「本当の本当に大事な文章だけを太字にしている」そうで、 とても親切な本です。 だけど、私が一番印象に残ったのは太字でもなかったし、 さして重要でもないように本の最後のほうにおまけみたいに書いてあった 短いセンテンス…
ペニーさんは老人ですが、毎日、町の工場へ働きにいっていました。 おおぜいの家族がいて養わなければならなかったからです。 リンピーという年とった馬とムール―という牝牛、それからメスの山羊のスプロップ、豚のパグワップ。そして、子羊のミムキン、メン…
この本に出会ったのは、書店ではなく、ましてや図書館でもない。 出先のコンビニでした。 コンビニ・・・❕ まさしく、魔導書らしい出会いでした。 そして、もはやそのコンビニに今後の人生で行くこともないであろう、まさに一期一会のようにして、この本がワ…
真夏に真冬のお話なんてどうかなぁ・・・ とも思ったのですが、いいお話だし、 心の「かき氷」のような効果があって、涼しくなるかもしれませんよ。 涼しいというよりも、涼やか・・・でしょうか。 急行「北極号」・・・降りしきる雪のなかの蒸気機関車です…
山のふもとで布団屋さんをしている一人暮らしのおじいさんの所へ、男の子がふとんを買いにきました。 おじいさんが小さな白ばらのもようのふとんを背負って、男の子の後をついて奥深い山の中へ届けに行くと、子供は急にいなくなって・・・ 安房直子 作・田中…
主人公の松原ツトムは日本に住んでいるふつうの小学5年生。 電車友だちのゴウとは、ゴウが遅刻して琵琶湖一周の電車に乗り遅れたため、春にけんかをしたままの気まずい関係。 夏休み、氷河の調査をするという父親に連れられて行ったネパールは、何もかもが…
子供の頃、まんがの本の片隅にこんなことが書いてありました。 だれも通らない所に砂で階段を作っておくと、小人が歩くので砂に小さな足あとがつくでしょう・・・ ワタクシは母の実家のいなかへ行ったとき、裏庭の隅に小さな砂の階段を作ったのでした。 この…
あなたは子供のころ、駄菓子屋さんへ行ったことはありますか? 駄菓子屋さんって、なんだか魅力がありますよね。 ふしぎ駄菓子屋『銭天童』へは、誰もが来られるわけではありません。 幸運を求める幸運な人だけだと、おかみの紅子さんが言います。 お店に並…
あなたは、いらないものを持っていませんか? 捨てたいけど捨てられないもの、 使わないけど捨てるにはもったいないと思うもの、 そんなものがあったなら、作り直しの魔法で素敵なものに変えてみませんか? 作り直し屋・十年屋と魔法街の住人たち/廣嶋玲子 …
松井五郎さんが運転する空いろのタクシーには、 ときどき、ちょっと変わったお客さんが乗ってきます。 ちょっと不思議なお客さんといったほうがいいでしょうか。 そんなときでも松井さんは、快くタクシーを走らせていきます。 するとタクシーは、ときどき不…
きつねの こが まるきばしの たもとで、 きいろい ばけつを みつけました。 「だれのだろう。」 きつねの こは、 ばけつを まうえから みおろしました。 なかに、ほんの すこし みずが はいっていました。 きいろいばけつ/森山 京・作 土田 義晴・絵/あか…
春の夜、家のそばの公園に大きな桜の木が満開に咲いていました。 しかも、すべり台がある砂場の中に、根をはって立っているのです。 不審に思って、「市役所に連絡する」とつぶやくと、 翌日には、ぶらんこの横に立っているのでした。 黄色いポストの郵便配…
あなたの好きな色はどんな色? あなたにどうしても欲しい色があったら、いろどり屋への道が開かれます。 それは色とりどりの足跡となって、あなたを不思議な魔法の黄昏商店街へと導いてくれます。 さて、あなたに必要な色って、どんな色でしょう? いろどり…
さむいさむい二月のことです。 まっ白い森のなかで、まっ白いうさぎが通りかかりました。 うさぎはつるりとすべって、雪をかぶった白い小さな家にぶつかったのです。 うさぎが家にあった銀色の鈴のひもを引っぱってみると・・・ ちりちりちり・・・ まるで、…
あなたはイジメられたことがありますか? それとも、イジメたことがありますか? そのどちらでもなかったですか? この本〖もうすぐ飛べる!〗は、 小学校で実際にあったことを元にして書かれています。 越水利江子著/新日本図書 お題「我が家の本棚」 あら…