桜さくら堂

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2024年5月23日 プレバト俳句〖お題・新茶〗

 2024年5月23日/新茶  敬称略〕

俳人 夏井いつき選

MC 浜田雅也/アシスタント 清水麻椰(MBSアナウンサー)

 

第1位 丘みどり 70点

青天の富士鼻唄は茶摘唄

 

第2位 初登場 坂東彌十郎 45点

次郎長も観し富士の山新茶の香

添削:次郎長も愛でし富士山新茶の香

 

第3位 豊ノ島 30点

夏場所へ新茶薫富士を背に

添削:初場所へ高ぶる心富士堂々

 

第4位 初挑戦 コウメ大夫 25点

立春来る緑鮮やか富士山も

添削:立春を眠る茶畑富士白し

 

第5位 初登場 蝶花楼桃花 20点

高座より富士より高い新茶かな

添削:高座より富士より高値なる新茶

 

特待生昇格試験

 

アインシュタイン河井ゆずる 特待生5級

ツアー初日の楽屋あいさつ新茶の香

ポイント: ツアー・楽屋・新茶 情報を畳み掛けた効果の是非

結果: 1ランク昇格!

一言: 丁寧なバランス!

 

 

梅沢富美男 特別永世名人の締めの一句

 

新茶汲む所作ぎごちなき左利き

結果:ガッカリ・・・

一言:意図が書けてないと信じたい!

添削:新茶汲む急須生憎左利き

 

 


夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業 [ 夏井 いつき ]

 

 


夏井いつきの365日季語手帖 2023年版/夏井いつき【1000円以上送料無料】

 

 

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摘まれても焦がれのびゆく新茶の芽〖季語・新茶〗

子どもの頃、ご近所に「お茶やさん」という家がありました。

お茶やさんといってもお店ではなくて、お茶畑と煎茶の製造工場があって、今頃の時期になると私たちご近所にもわけてくれました。もちろん代金を払って買うのですが、ずいぶん安くしてもらっていたように思います。お茶の産地ではなかったんですが、なぜか一軒だけそうでした。

煎茶の工場には子供は入れてもらえないんですが、工場の周辺はとても広かったので子供の遊び場の一つで、よくかくれんぼやかけっこをしました。遊び場を提供してくれていたのは、今から思えばお茶やさんにも子供がいたせいでしょう。

 

茶畑というのは、人間からすれば「お茶を栽培している木」なわけですが、木からすれば立派なお茶になろうなんて思っているわけでなくて、まわりの雑木林の木や草と同じで、寒い冬から春、初夏へと、暖かな太陽の日差しがうれしくてすくすくと育っているんだろうなと思います。

だけどお茶の木なわけですから、新芽が出たところを摘み取られてしまうわけです。

それでもやっぱり、また伸びてゆきます。

こう毎年毎年、新芽が出ては摘み取られを繰り返していると、人間だったら、どうせ摘み取られちゃうんだから、もう芽をだすのはやめよう、ってなるわけですが、お茶の木は摘み取られても、摘み取られても、どんどん出てくるわけです。

こういうのを見ていると、まるで自由を求める民衆のようにも見えてきてしまいます。弾圧を受けたりしながらも諦めないような、あるいは失敗しても失敗しても実験を繰り返す科学者のような。

お茶の木ってなんて素直でいじらしいんでしょうか。

 

 

摘まれても焦がれのびゆく新茶の芽

つまれてもこがれのびゆくしんちゃのめ

 

新茶〖夏の季語・生活〗走り茶・古茶・新茶買う・新着くむ

その年の新芽で製した茶。走り茶ともいい、最も早い芽で作ったものを一番茶と呼びます。香気と味のよさで珍重されます。

新茶が出回ると、前年の茶は古茶となります。

 

句の「焦がれ」っていうのは、もちろん太陽とか夢とかへの恋焦がれるようなパッション(大谷翔平選手がいうところの)なんですが、摘み取ったお茶の新芽から煎茶になる工程も、ちょっと焦がれに近いような気がします。

「のびゆく」は、成長する「伸びる」という意味と、生き延びるの「延びる」という意味のどちらも含んでいます。

 

「植物のいいところはね、光にむかってのびていくところよ」

「光?」

「そう、太陽の光。先生の部屋にある木はね、みんな太陽の光がさしてくる方向にむかって、葉っぱをひろげているの」

「ふうん……」

「科学的に考えれば、あたりまえのことなんでしょうけど、先生は感動しちゃう。

だってずうっと雨の降っている梅雨のときなんか、太陽の光よりも部屋の蛍光灯のほうがずっと明るいはずなのに、植物たちはごまかされないんだもの」

― 略 ー

「じゃあきっと植物はみんな、太陽のことが好きなのよ。考えなくても、自分の好きなもののことぐらいわかるじゃない」

本気でそう思ったわけじゃないけど、口にだしていうと、そのとおりのような気がした。

 植物は太陽が大好きで、その大好きな太陽にむかってスクスクのびていく。

「そうだといいな……」ぼそっとつぶやくと、

「そうだといいわね」

   ー リズム / 森絵都 / 講談社より ー

 

これは森絵都さんが第31回講談社児童文学新人賞を受賞した「リズム」という本に書いてあった言葉です。リズムからは逸れていますが、この部分も素敵だなと思い心に残ったのでした。

 

 

 

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僕は上手にしゃべれない/児童文学/感想・レビュー・あらすじなど

 たとえば『おはよう』が、僕は言えない。

朝、目が覚めて、部屋から出てキッチンにいるお母さんの後ろ姿を見たとき、言うべき朝の挨拶が頭に浮かぶけれど、僕はそれを言えない。

最初の『お』の音が出てこないんだ。無理に言えば「お、お、お、おはよう』という格好悪い、つっかえた言葉になる。

 

柏崎悠太は吃音があります。そのため色々なことをあきらめ逃げてきたのでした。

中学入学の初日、自己紹介で恥をかきたくなかった悠太は、仮病をつかってその場から逃げたのでした。

その日の帰りに、放送部の勧誘のチラシを受け取った悠太は、強く心を動かされました。そのチラシには、こう書いてあったのです。

 

『練習すれば、上手にはっきりと声を出せるようになります』

 

僕は上手にしゃべれない/椎野直弥 作/ポプラ社

 

「ぼ、ぼぼ、僕のか、か、か、抱えているものはき、ききき、きき、吃音というそうです。いいいが、医学的には発達障害のひひひ、ひとつとしてにん、認定されますがに、にににに、日本ではほほほほ、ほとんど障害とみと、みみみみと、認められません。だから、ぼぼ、僕は障害者ではありません。でも、け、けけけ、健常者でもありません。ふ、普通じゃないのにふふふ、ふふふ、普通にあ、ああ扱われるというすごくあ、あああああ曖昧なところに僕はいます。……」

 

これは本の中で、悠太が語った言葉です。

確かにもっと大変な障害を持ってご苦労をされている人がたくさんいらっしゃいます。

でも、吃音もなかなか大変だろうなと思います。著者の椎野直哉さんはいいます。

『やはり一番思い悩んだのは子供の頃でした。』

心が壊れやすいガラスの時代は、吹き出物とか、髪型とか、持ち物などのほんのささいなことでも傷つきやすいのですから、吃音というのは大変大きな悩みであったことでしょう。

 

ただこの物語の少年悠太は、愛情深い両親と姉という恵まれた環境のなかにいました。

中学になってからは、クラスメートで同じ放送部に入部した美少女の古部さんが親身になってくれます。放送部の部長の立花先輩や顧問の先生も、悠太の吃音に理解を示してくれます。

 

「このへんで自分で自分の世界をせばめるのはやめにしたほうがいいんじゃないかな?」

これは立花先輩が、悠太にいった言葉です。

悠太は小学校の六年間、悠太はあらゆることを吃音だから仕方がないと諦めて、我慢して、他人をうらやんで過ごしてきたのでした。

 

中学は離れたところへ入ったので、小学時代の知った人もほとんどいなかったので、しばらくは吃音であることを隠していました。でも、国語の時間に『走れメロス』の朗読をあてられたため、吃音がみんなにバレてしまいます。

ほとんどのクラスメイトに好奇の目で見られ、笑われた悠太でしたが、ただ1人、古部さんだけが何故か悠太の見方になってくれるのでした。

放送部で悠太の発声練習をさせようとする古部さんでしたが、「逃げちゃダメ」という古部さんにも心を閉ざしてしまいます。

 

「……き、ききき、君はな、ななな、なにもわかってない。ぼぼ、ぼぼぼ、僕のことなんて、ぼぼぼ僕のくっ、くく、くくく苦しみなんてなにもわか、わわ、わ、わかってない」

「もう、君としゃべりたくない」

 

また、心配していつも見守ってくれている姉にも、「うるさいんだよ!」という言葉を投げつけてしまいます。

 

ところがその後、何の悩みもなくふつうに学校生活を送っていると思っていた古部さんや姉でしたが、実は2人とも、悠太よりももっと深い悩みや苦しみを乗り越えてきたのでした。

また姉の悠太を思う深い愛情に気づき、悠太は自分の苦しみだけに拘っていた過ちに気づきます。そうして、一歩ずつ前へ歩いていこうとするのでした。

 

それが上の青い文字で書いた部分で、これは悠太が自らすすんで市内弁論大会に出たときの内容の冒頭部分です。そして、こうもいっています。

 

「だ、だだ、だけどぼ、ぼぼ、僕はそれをのり、乗りこえたいと思っています。お、思いハンデだけど、それを背負いながらでもたた、た、た、戦おうと思っています。な、なぜなら、僕にはみ、味方になってくれる人たちがいるからです・・・」

 

実際、姉の覚悟には驚きました。と同時に、こんなに愛の深い人間になりたいものだと、本を読みながら思ったものでした。

 

現在、吃音は自己流の訓練で治る類のものではないというのが世界的通念だそうです。

また治療法も確立されていませんが、ごくまれになにかのきっかけで症状が軽減したり、治る人もいるそうです。なかなか難しい症状のようですね。

本は吃音という苦しみを背負った少年の心情を、リアリティを持って細かいところまでとても良く書いてあるので、もしかしたら当事者の方が書いていらっしゃるのかと思って読み進めていきましたが、あとがきにそのように書いてありました。

やはり事実が持つ重みというものがありますね。勉強にもなりました。ありがとうございました。

 

 


僕は上手にしゃべれない (teens’ best selections 43) [ 椎野 直弥 ]

 

作者・椎野直弥さん

1984年(昭和59年)北海道北見市生まれ。北見市在住。

札幌市の大学卒業後、仕事のかたわら小説の執筆を続け、第四回ポプラ社小説新人賞に応募。最終選考に選ばれた応募作「僕は不通にしゃべれない」を改題した本作でデビュー。興味があるのは、出会った人がどんな本が好きなのかを知ること。

 

 

 

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パスポート申請窓口で、懐かしい昔の写真が大きくなって出てきました。

今週のお題「懐かしいもの」

パスポートを申請に行きました。

「前のパスポートは?」

「あっ、紛失しました」

何しろ取得したのはずうっと昔で、とっくに有効期限も切れています。

「じゃあ、戸籍謄本が必要です」

「えっ、そうなんですか💦」

「あ、でも、今年の3月から、ここでもとれることになりました」

――それ、先に言ってってよ~~(心の声です)

 

10分後。「あ、これがそうですね」

と言って出してきた、過去のパスポートのコピーを私の目の前に、ずらずら~~と並べました。A4サイスになっています。

受付の人は、過去の私の写真と今の写真と、私の顔を見て、何かいいたそうな顔をしましたが、それを飲み込んで、

「じゃあ、このパスポート番号を、ここに書いてください」とペンを差し出しました。

_🖊 書き書き……しながら、

ふと見れば、目の前にはA4に拡大された過去の自分のパスポート写真があって、じいっとこちらを見ています。

ああ、そういえばこんな写真だったな・・・と見つめれば、見つめ返してくる大きくなった懐かしい自分の写真。

「あれから、どうだったのよ、人生」

って、過去の自分に問われているような感じがしてきました。

 

「あれから、いろいろ大変だったのよ。海外なんて、とてもじゃないけど行けるような状況じゃなかったわ」

と、冷たく過去の私に言い放つ今の私でした。

それにしても、あの受付の人。

いったい、何をいいたかったのでしょう。飲み込んだ言葉は、きっとあんまりいい言葉ではないような気がします。(笑)

 

 

 

 

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育ってきたベゴニアさんを植え替えました。

昨年、こぼれた種から芽を出したベゴニアさんが、

 

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冬を越して、

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春になり、初夏になってだんだん大きく育ってきました。

 

鉢にぎゅうぎゅう詰めになってきましたので、半分だけプランターに植え替えをしました。

 

広くなって、ベゴニアさんも手足をのばして、のびのびしているような感じがしますね。

 

全部植え替えようかとも思ったのですが、

今年の夏も猛暑が厳しいようなので、念のため、家の中に退避できるように鉢にも残しておくことにしました。

ベゴニアさんは冬にも夏にも強い植物で、外にも日よけをしようと思っていますが、最近の猛暑は想定外ですからね。

どうなるでしょうか(;^_^A

 

 

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2024年5月16日 プレバト俳句〖お題・雨降りのシーン〗

2024年5月16日/雨降りのシーン敬称略〕

俳人 夏井いつき選

MC 浜田雅也/アシスタント 清水麻椰(MBSアナウンサー)

 

第1位 津田寛治 72点

雨の森独り空蝉見る少女

 

第2位 結城モエ 70点

春雨や祖父の先ゆくかえる寺 

 

第3位 高島礼子 37点

おもい足夕立晴に笑顔かな

添削:重い足おもい心へ夕立晴

 

第4位 トレンディエンジェル 斉藤司 20点

夏雨のシーンふと子らの着替え手が伸びる

添削:夏雨のシーン子役の着替え手に

 

第5位 初挑戦 笠松将 10点

靡けずも龍成る日を見る鯉のぼれ

添削:龍と成る日もあり雨の鯉幟

 

句集出版のための一句

永世名人 Kis-My-Ft2 横尾渉 あと27句!

断崖は驟雨三分ノーカット

結果: 掲載決定!

一言: 撮影の緊張感が伝わる

 

梅沢富美男 特別永世名人の締めの一句

 

本水の髪ざんばらに夏芝居

結果:ガッカリ・・・

一言:1音を粗末にしている

添削:本水の髪ざんばらや夏芝居

 

 


夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業 [ 夏井 いつき ]

 

 


夏井いつきの365日季語手帖 2023年版/夏井いつき【1000円以上送料無料】

 

 

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「ワイパー」と云われ気づいた虎が雨〖季語・虎が雨〗雨降りのシーン〈映画・西の魔女が死んだ〉より

撮影での「雨降りのシーン」というのが、今回のプレバトのお題ですね。

「西の魔女が死んだ」にも、秀逸な雨のシーンがあったことを思い出したので、書いてみたいと思います。

 

特にいいのが、冒頭の雨が降り始めるシーンなんですね。

「魔女が――倒れた。もうだめみたい」

そう言って母親がまいを学校に車で迎えに来て、そのまま祖母がいるところへ向かうシーンです。

高速まで1時間、高速を四時間、降りて一時間ですから、結構遠いところです。

そのうちに雨が降ってきます。

まずはその雨のシーンを描写した文章と、それから、一句です。

 

 

 まいは腕をずらして、車のフロントガラスを見つめた。

雨がポツポツとそこに水滴を付け始めた。ママはまだワイパーを動かさない。昨日、テレビが梅雨入りを宣言をしていた。いや、テレビではなく、気象庁が。

 雨はだんだん強くなり、窓越しの景色が見えにくくなった。ママはまだワイパーを動かさない。

 まいはちらりとママの顔を盗み見た。ママは泣いていた。声も立てずに、ただ涙だけが勝手に流れ落ちているのだというように。これはママの泣き方だ。ずっと以前にも見たことがある。

「ワイパー」まいは小さく言った。

 ママは一瞬混乱したようだった。自分の涙にまず気づき、それから外の世界に気づいたのだろう。少し間を置き、

「ああ、雨が降っているのね」と言いつつ、ワイパーを動かした。

水滴が拭われて、街路樹のプラタナスの若葉が次々に現れては去りした。

 プラタナスの芽吹きって、何か「勃発」って感じがする。まいは、ぼんやりそう思いながら、ポケットからハンカチを取り出しママに渡した。

「ありがとう」

 ママは反射的に応えると、片手でハンドルを握ったままハンカチで涙を拭いた。

                   ―西の魔女が死んだ・梨木果歩作・新潮社よりー

 

 

「ワイパー」と云われ気づいた虎が雨

「わいぱー」といわれきづいたとらがあめ

 

虎が雨〖夏の季語・天文〗虎が涙・虎が涙雨・曽我の雨

旧暦5月28日の雨。親の敵討ちを果たしたのちに討たれた鎌倉時代の武士・曾我十郎裕成の愛人であった大磯の遊女虎御前が、十郎の死を悼んで涙の雨を降らせたという。

 

上手いですねぇ。

悲嘆、ショック、焦り、願い、混乱・・などの様々想いが渦巻いているであろう「ママ」のことを、そういう安易な言葉で言うのではなく、自分が涙を流していることも、雨が降っていることも気づかずに運転しているってことを描写することで語っています。

 

まいは雨が降り始めたようすとか、プラタナスがどうのこうの、母親がワイパーを動かさないなど、わりとよく観察していて、そのようすを淡々と語っているんですね。

一方、母親のほうは、雨が降ってきたのも、自分が涙を流しているのも気づかないで運転しているわけです。この対比が、祖母に対する距離感がこういう温度差になっていて、二人の登場人物のことが手に取るようにわかりますね。

たとえば、母親は声も立てずに泣いている、前もそうだったとまいはいいます。気丈な女性だとわかります。その気が強い女性が、雨が降っているのがわからないんです。これは相当ショックなことだと思いますね。

そうやって母親を観察しているんですが、黙ってそっと母親にハンカチを差し出します。そういうまいだって、実はショックを受けているんです。だけど、こういうやさしい心遣いができるんです。いい子ですね。上手いなあって思います。

 

ここは映画の冒頭で、すごく短いシーンです。

うっかりすると見逃してしまいそうですが、それをカットしないで、ちゃんとシーンとしてあるのがうれしかったです。

短すぎて心理描写も映画ではないので、やや伝わりづらいこのシーンかもしれませんね。映画では表現しきれない気持ちの細やかなところは、本が補っています。ここは是非、本も読んでほしいところです。ここに書いていますけれどね(笑)

 

 

句は、上五中七のすべての思いを、『虎が雨』という季語に託しました。

心から大切な人を失ったときに流す涙で、虎が雨というのは、こういう雨ではないでしょうか。これは、

季語の力を信じて、全力で『虎が雨』に乗っかった句です

 

 

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再びの、『西の魔女が死んだ』です。

今回はどちらかというと、映画の感想になります。

 

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