東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館へ、
『みんなのレオ・レオーニ展』
を観に行ってきました。
レオ・レオーニっていう作家の名前は、皆さん、知らなくても、きっと、
スイミーっていう絵本は知っているんじゃないのかなって思いますが、
どうでしょうか?
小さな魚は1匹でいると、弱くて、大きな魚に食べられてしまいそうになるけど、みんな集まって、もっと大きな魚のようになって、大きな魚を撃退するみたいなお話でしたよね?
今回、幻の原画といわれている
絵本スイミーの原画 が展示されていました。
スイミーは、スタンピング(型押し)による転写という技法で、表現したい形に彫ったゴム、野菜の断片、切り抜いた布などに、絵の具やインクをつけて押し付ける描き方です。
スイミーはもう1つ、モノタイプという絵の具を塗った板などに、紙を押し当てて写し取る技法え使っていて、はがしたときに、思いがけない模様が現れるのだそうですよ。
『フレデリック』の貼り絵も、かわいくて良かったな!
上の画像にある、ラブリーなねずみ🐀です。
冬に向かって、仲間のねずみはせっせと食べ物を集めて働いています。フレデリックは、何もしないでぼんやりとしています。仲間のねずみがたずねると、「冬にそなえて、光を集めてるんだ」って言うんですね。冬になりました。
集めた食料品を食べつくすと、仲間のねずみはフレデリックに、「きみが集めた光をみせてくれ」っていうのです。するとフレデリックは……。
絵本フレデリックは、コラージュ(貼り絵)という、紙などをのりで貼りつける技法なんですが、原画は作者の息づかいや手の動きが伝わってくるようでした。
他にも、マーブリング(墨流し)といって、水にインクや油絵具をたらして、水面にできた複雑な模様を、紙にのせて写し取る技法や、
フロッタージュ(こすり絵)という、木の葉や木目などの、でこぼこのある物の上に紙を置いて、鉛筆などでこすって形や模様を浮き立たせる技法など、
レオ・レオーニは、本当に色々な画材や技法を使って、とても楽しい絵本を作っていますね。
きっとね、レオ・レオーニは、自分も楽しんで絵を描いたり、お話を作ったりしていたんだと思いますよ、
原画を観て、そんなふうに感じました。
色いろな絵本がたくさん置いてあって、自由に手に取って読めるようになっていました。
行って良かったなあ、って、つくづく思いました。
じつはね、それ以外にも目的があったんです。
損保ジャパン東郷青児記念美術館は、今はまだ、新宿駅西口から徒歩5分くらいの所にある損保ジャパン日本興亜本社ビルの42階にあります。
42階からの眺めは、こーんな感じになります。ここからの景色を眺めたかったんですね。
右手奥の緑が豊かに茂っている辺りが、皇居でしょうか。
この美術館は、安田火災(現・損保ジャパン)が、社会公共のために広く一般に芸術鑑賞の場を提供し文化向上に貢献したいという思いに、東郷青児氏が共鳴して、作品を約200点寄贈して、1970年に設立したそうですよ。
レオ・レオーニの作品の他に所蔵品コーナーがあって、
ポール・セザンヌ 『りんごとナプキン』
フィンセント・ファン・ゴッホ 『ひまわり』
ポール・ゴーギャン 『アリスカンの並木道、アルル』
が展示されていました。
ゴッホのひまわりは、思ってたよりも大きくて、すごい迫力で圧倒されましたね。
じつは
損保ジャパン東郷青児記念美術館は、
9月30日(月) ~ 2020年2月14日(金)
まで、美術館移転準備のため、休館になるんです。
新しい美術館は、敷地内に新設される地上6階建ての「新美術館」に移転されるとのことです。
ということは、つまり上の画像のような42階からの景色は見納めになるのかなと思ったわけです。
でも、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館でいただいたパンフによれば、もう1回だけ、
FACE展2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展
2020年2月15日(土) ~ 3月15日(日)月曜定休
が、42階で開催する最後の展覧会になるそうです。
★ アクセス
所在地 : 160-8338
東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜ビル42階
開館時間: 午前10時~午後6時(最終入館は閉館30分前まで)
休館日 : 月曜日(休日の場合は開館)、年末年始、展示替えの期間
☎ : 03-5777-8600