風がどうと吹いて、ぶなの葉がチラチラ光るときなどは、虔十はもう、うれしくてうれしくて、ひとりでに笑えてしかたがないのを、むりやり大きく口をあき、はあはあ息だけついてごまかしながら、いつまでもいつまでも、そのぶなの木を見あげて立っているので…
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