ジョン・レノンが訪れた東銀座のカフェ ≪ 樹の花 ≫ は、右側の階段を登った2階にあります。ドアを開けると、昭和のノスタルジックな雰囲気が漂うステキな喫茶店がそこにありました。
ジョン・レノンがそうであったように、私がこの喫茶店を見つけたのも偶然でした。
樹の花には、≪ 1979年 夏 ≫ とありました。
『 ジョンとヨーコは、この小さな階段を昇って
樹の花の扉を開いた。
二人は築地の映画館までハイヤーで来ると
子どもたちだけを降ろして「スーパーマン」の終わる時間まで
どこかゆっくり過ごせる場所を探して
銀座四丁目の方へ歩き始めた。
歌舞伎座の手前を右に折れ、少し歩いた所で
偶然、樹の花という看板を見つけた。
まだオープンして四日目の店内は少し緊張した空気と、
それを柔らかく包み込むような音楽が低く流れていた。
二人は入り口に近い窓側のテーブルに
向かい合って座った。
コロンビアコーヒーとダージリンティーを注文すると
互いの目を見つめながら静かに語り合う
ジョンとヨーコ…… 』
今は、落ち着いた店内に流れている曲は、ビートルズ・ナンバーです。
このボックス席が、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが座った席です。今も変わらずに
時だけが過ぎて行ったようにそこにありました。
この席には先客があり、他のボックス席も満席で、私が案内されたのはカウンター席でした。カウンターに椅子は5つで、両サイドはうまっていて、私が座ったのは真ん中でした。たくさんの色々な種類のコーヒー・カップが、ずらっと並んでいます。
ボックス席が満席といっても、昭和の雰囲気がただよう小さな喫茶店です。こんな喫茶店が残っているのがうれしいです。
カウンター席から(*^-^*)
マスターは、棚からカップを一つ取ると、目の前で他のお客さんが注文したコーヒーを入れ始めました。
私がオーダーしたのは、コロンビアコーヒー&アーモンドクッキーの
≪ レノン・セット ≫ です。
ジョンが飲んだコーヒーとお持ち帰りになったクッキーの思い出の組み合わせです。
薄焼きのクッキーは、カリッとした感じに焼けていて、アーモンドの香ばしく甘い味がしました。このクッキーは、280円でお持ち帰りができるようです。コーヒーも美味しかったです。コーヒーについては、エントランス横に、こう書かれています。
『 樹の花の
丁寧に焙煎した豆を、
一杯ずつ挽き、いれる樹の花の珈琲。
旨さは飲む者の
心もようも抽出する。
深い甘みに
心ほころぶ日もあれば、
心地よい苦みへすがる時もある。
ほのかな酸味で
心の険をおさめもした。
あまりに魅力的なコクに、
朝から何だ、と口に出た一杯もある。
樹の花の珈琲は一杯の書物。
日々、その味わいあらた。 』
今日は、とても豊かな気分になれました。こういう隠れ家的な喫茶店を、銀座で見つけられて良かったです。今度は本でも持ってきて、樹の花で読もうかなと思います。もちろん帰りには、ジョン・レノンのようにアーモンドクッキーをお持ち帰りにしようかな。
※ アクセス
日比谷線:東銀座駅出口3より、徒歩1分
JR線 :有楽町駅から松屋方面へ、昭和通りを過ぎた先右側
● 営業時間
月~水 10:30~20:00 (月曜祝は18:00閉店)
木~金 10:30~23:00
土・祝日 12:00~23:00
休日 日曜日
〒104-0061
東京都中央区銀座4丁目13-1-2F
℡ 03-3543-5280