何気ない日常が、見慣れた世界が、キラキラし始める。
そんな俳句のある生活をご一緒に楽しみましょう。
・・・と著者の夏井いつきさんが本書で語っています。
夏井いつきの「今日から一句」/夏井いつき/第三文明社
夏井いつき先生が俳句の基本の基を、俳句初心者のために、本書の編集者やライターさんを相手に、ざっくばらんに語っています。
ちなみに2人とも俳句の超初心者ですが、編集者さんは「くじら」、ライターさんは「水流(つる)」という俳号を持っています。
本書のもとになっているのは、教育雑誌『灯台』での「今日から一句」で、読者の投句を取り上げながら俳句のイロハを学んでいくという連載だそうです。
普段は見過ごしていた何気ないことー通勤通学路の脇に咲いていた草花や、電車の窓から見える何気ない風景や、目の前でイビキをかいているおじさんーも、「俳句のタネ」になります。
・・・と、いつものプレバトでの怖~いエンマ顔とはうらはらのエビス顔をでおっしゃっています。
なので畏れることなく、気楽に本を読んでいけば、俳句のはも知らない人でも、読みおわる頃にはあなたも俳句が一句詠めるようになっているという階段を上るのが嫌いでいつもエレベーターに乗ってしまう人向けの超らくちんな本です。
構成は・・・
ステップ1 俳句の基本の“基” 兼題 秋の雨
ステップ2 「オリジナリティ」と「リアリティ」
兼題 母/孫/月/紫陽花/蜻蛉/コスモス
ステップ3 「取り合わせ」と「一物仕立て」
兼題 麗か/水温む/青蛙/滝/しゃぼん玉
ステップ4 季語を信じる 兼題 鰯雲/夏休/蜻蛉②/囀
ステップ5 映像を切り取る
兼題 虫/大根/雷/赤い羽根/木の芽/霜
ステップ6 まだまだ続く俳句修行 兼題 水鳥/囀②/暑し
兼題の読者投句をもとに、それぞれのテーマに沿って俳句作りを、どこをどのように直したら良くなるかを、丁寧に分かりやすく解説してあります。
掲載されている俳句も、初心者のシンプルな作品が多いですが、それぞれに素直で光るものがどこかにある作品ばかりです。
テーマの間には、初心者のくじらさんと水流さんとの対話を挟みながら、楽しく学んでいくことができるように工夫がされています。
私自身、「もう立ち上がれない」と思うような苦しい出来事に直面するたびに、俳句によって救われてきました。
起こったことは仕方がありません。泣いても喚いても事実と状況は変わりません。
俳句にすることで自分を俯瞰して、一歩前に踏み出すきっかけとなります。
著者の夏井いつきさんは、本書でこのように述べています。
「一寸涙をこぼす。この涙を十七字にする。するやうれしくなる。涙を十七字に纏めた時には、苦しみの涙は自分から遊離して、おれは泣く事の出来る男だと云う嬉しさだけの自分になる」
・・・とは、夏目漱石の『草枕』引用文。
思い返せば、私が最も辛い出来事に遭遇したとき、それから、2番目、3番目に辛い出来事に出会ったときに、私は俳句を知らなかったのでした。
あの頃は、ただ冷たい運命の海に溺れてあてもなく漂流しているだけでした。
今は未熟なれど、俳句という掴めそうなものが浮き輪の如くあるような気がします。
それが少しでも助けとなるのか、それとも藁の如きものなのかは、つぎの出来事を待たなければなりませんが、できればそういう辛い出来事が起こることなくして、
「はて俳句と言うものは実際のところ、どうなんでしょうねぇ」
・・・と呑気に言っているままでいたいものです。
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