運動でも勉強でもぼくよりダメだと思っていた親友の光平が、
ある日を境にして、急に変わってしまった。
水泳ではカナヅチだったのに、50メートルも泳げるようになって、
読書感想文も終わらせていた。しかも、県のコンクールで賞までもらったりして。
どうやら日記を書くようになってから、光平が変わったみたいだった。
魔法の日記は亡くなったおばあちゃんからもらったのだという。
その日記の秘密を探り出そうとしたら、
「竜也にはわからないよ」と言われてしまいます。
望みがかなう魔法の日記/本田有明 著/PHP研究所
光平が風邪で休んだ時にプリントを届けたりして、ぼく(竜也)はついに魔法の日記を見せてもらえることになったのですが、それは・・・
あさがおの写真が表紙の真ん中にあって、その下に「えにっき」とひらがなで書いてある。小学一年生が夏休みの宿題で使うようなノートじゃないか。
ー 略 ―
最初のページを開いた。
「もう一度おばあちゃんに会いたい」
絵は描いていなくて、その一行だけ。
他のページを開いても、同じように色々な願い事が書いてあるだけだった。
ところが6ページ目で、
「ぼくは泳げるようになった‼」と急に調子が変わり、九ページ目で「ぼくは『星の王子さま』を八月二十ニ日に読み終えた。そして次の日に読書感想文を書いた」と、少し長めの文章になっていた。
に変わっていた。このことについて光平は、
「なにかをしたから、『した』って書いたんじゃないよ。する前にそう書いて、それが実現するように励ましたんだ」
というのでした。
つまり自分との約束だというのです。
今一つ、よくわからないままに、ぼくは光平がやったことを、そっくりそのままマネをしてみることにしたのです。
同じような絵日記を買ってきて、魔法っぽい羽ペンまでそろえて、叶ってほしいことを書きました。まず最初は、叶いそうな願いごとから、
「ぼくは1月1日から3日の間にお年玉を二万円ゲットした」
「ぼくは宿題の書初めで『一念発起』と書いて提出した」
・・・・
「ぼくは4月1日におじいちゃんと遊園地に行った」
などです。
これはラッキーが重なって、まあまあの結果になります。
そこで願いも次第にグレードアックしていくことに・・・。
そんなぼくの願いごとを叶えるために、さまざまな人とのつながりで運が動き出していきます。
その中には、今までのぼくだったら決して話すらしないような運動能力バツグンの大島さんや頭の良さが小学生離れしている田中さん、それにおじいちゃんも加わったりたりしてきます。
おじちゃんは若い頃に夢を諦めてしまったといいますが、孫が奮闘努力しているのを目の当たりにして、70歳からの再チャレンジをすることに。
本の中では、ぼくが田中さんに、
「ちょっと変な質問だけど、魔法って、あると思う?」
と問いかけるところがあります。これに田中さんは、
「あるとも言えるし、ないとも言える。魔法をどう定義するかによるから」
と答えます。
魔法や運の正体とは、いったい何なのでしょうか。
作者は、登場人物に共感するところがあった人は、ぜひ自分で新しいアイデアの日記に挑戦してみてください。とあとがきに書いています。
小学5年生のぼくだけでなく、70歳のおじいちゃんも再チャレンジするのですから、もうどんな年齢のどんな立場の人でも挑戦してOKな気がします。
また、おじいちゃんは、ぼくが「光平の日記をパクった」と言ったのを、
「パクった? それはおかしな日本語だな。お手本にしたと言えばいい。よいことはなんでも学ばせてもらうことだ」と教えたりします。
お手本というのは、爽やかでいい言葉ですね。
新しい言葉もいいですが、古くても良い日本語は大切に残していきたいものです。
著者 本田有明さん
作家・エッセイスト。著書に『願いがかなうふしぎな日記』『「水辺の楽校」の所くん』『ぼくたちのサマー』『卒業の歌』『じっちゃん先生とふたつの花』(以上、PHP研究所)『メロンに付いていた手紙』『歌え 多摩川高校合唱部』『ファイト!木津西高校生徒会』(以上、河出書房出版社)『宮澤賢治のことば』(サンマーク出版)など。
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