東京では靖国神社の桜が5つ花開いたら、気象庁が桜の開花宣言がなされます。
今年の桜は東京が1番乗りと予想されながら、その後の寒の戻りがってどんどん遅れていきましたが、昨日の3月28日は比較的暖かいので、ついに開花宣言がなされるかと誰もが思っていましたが、咲いたのは4つでした。
しかも、もう1つは半分までつぼみが開いた状態でしたが、開花宣言はされませんでした。あとちょっと、なのに……
夢を抱えて上京して夢を叶えた人よりも、もうあとちょっとで帰郷する人の方がずっとずっと多いような気がします。
あるいは桜が開くまでに、帰らなければならない人もいます。それは故郷の場合もあるし、魂のふるさとへ戻るということもあるかもしれませんね。
また桜といえば武将が似合いますが、この人ほど桜が似合う人もいないのではないでしょうか。
信長よ標本木は花四つ
のぶながよひょうほんぼくははなよっつ
花〖春の季語・植物〗花盛り・花明り・花影・花時・花過ぎ・花朧・花の雨・花の山・花の昼・花の雲・花便り・花の宿・花月夜・花盗人
「花」といえば平安時代以降、桜の花をさすのが一般的です。
『古今和歌集』の「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」の花は桜で、その他花を冠して桜に通わせた言葉は多い。
句は、初めは「帰郷せり」と上五に置いて、
帰郷せり標本木は花四つ
夢破れ故郷へ戻る人の惜別の思いを詠んでみました。
しかし、花が四つまで咲いたのです。そして、もう1つ、五つ目の花はもう半分開きかけているのです。
それでも、諦めざるをえなかった人の代表として、信長にしました。その無念さに自身の運命を重ね合わせるのに、これほどインパクトのある人はいないように思いました。
そして、四つの四が持つイメージも。
いつもご訪問をありがとうございます。
「桜」で詠んでみました。
「信長」は角川春樹氏が、「信長の首」という句集を出しているので、私も一度「信長」で詠んでみたかったのでした。