巻頭で著者の山本甲士さん曰く、
全くの素人が小説を書こうと思い立ち、プロデビューを果たすまでの物語
とあります。有り難いことに、要約を作者自らがされていましので、ワタクシ手抜きができました。( ´∀` )(笑)
そうだ小説を書こう/山本甲士 作/小学館文庫
「はじめに」には、
「一人の平凡な男が右往左往した末に曲がりなりにも思いを遂げた物語として読んでいただければいいわけだが、小説を書く技術についてもふんだんに盛り込んだつもりなので、プロ作家を目指す人にとっては一種の指南書になるのではとの企みもある」
と自ら書いてくれています。誠に有り難いことです。
世の中には「小説読本」「小説作法」「文章の書き方」等が、掃いて捨てるほどあります。どうやら作家として名を成すと、誰もが文章の指南書なるものを書きたくなるもののようです。
また偉い作家さんの指南書を読めば、なんとなく書けそうな気分になってしまう人も多いのではと推察します。ワタクシもその一人ですが。(笑)
さて、そんな中でこれは一味違っていて、気楽に読める小説になっています。
主人公の山本宏司は平凡なサラリーマンなのですが、ちょっとしたことで上司の不評をかってしまい、左遷されてしまいます。また仕事人間で家庭を顧みないこともあって、離婚になり息子にも対話を拒絶される始末です。
そんな中で、息子が物語を読むということを元妻から聞いて、児童小説を書くことで名誉挽回をしようとがんばり、最終的には新人賞を受賞してプロデビューをするという話になっています。
その過程で身につけた文章技術を、各章に分けて物語形式で解説しています。
それぞれの章は、つぎのとおりです。
第1章 物語に目覚める
第2章 文章技術を学ぶ
第3章 掌編小説を書き始める
第4章 うぬぼれと挫折
第5章 本当の小説技術を知る
第6章 再挑戦
第7章 君だけの物語を書こう
第8章 書き続けるためのモチベーション
そもそも山本甲士さんの作品を読んでみると、ほとんどの作品が職業は多少違えどもサラリーマンが会社を左遷、またはクビ、あるいは倒産になって、新しい世界に挑戦して成功するという内容になっています。
物語自体はフィクションですが、作中に登場する小川未明文学賞優秀賞『君だけの物語』、ジュニア冒険小説大賞佳作『勇気のカード』、チュンソフト小説大賞金賞『心理捜査』などは、作者の山本甲士さんが実際に応募して受賞したものに基づいているとのことです。
仕事で鬱うつとしている人は、スカッとストレス発散になりますし、文学賞を狙っている人には、1つか2つ技術を身につけられるかもしれません。
何よりワタクシのような(笑)エスカレーターでラクチンに登りたい人には、おススメの1冊になっています。
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こんな日にはホット珈琲でも飲みながら、好きな小説を読むのが至福のひと時ですね。
本とはかくも素敵なものだとしみじみと思う雨の日です。
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