桜さくら堂

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メリー・クリスマス🎄

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°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

あなたのもとに、たくさんの幸せが訪れますように💛

 

数年前から、わが家では・・・というよりも私がですが、

ささやかなイルミネーションを灯しています。

 

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星の形のとスノーマンです。

スノーマンは今年からですが・・・

 

かつて仕事帰りに、疲れて・・・暗い道をトボトボと歩いていたとき、

ふとなんとなく、いつもと違う道を歩いていたら、

とある家の庭先にキラキラとイルミネーションが灯っていました。

 

街で見かけるような派手なものではありません。

ささやかだけれど、どこか温かい感じのイルミネーション。

その灯を見たとき、心がぱあっと晴れて、

1日の疲れが癒されたのでした。

その日から、クリスマスの時期になると、

いつもあの道を歩いて帰るようになりました。

 

そんなことがあって、私もいつか、道行く見知らぬ誰かのために、

イルミネーションを灯してみたいとずうっと思っていました。

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あの家と同じように、ささやかで、温かい・・・

そんなイルミネーションを。

そして誰かが、ほんのひととき、ほっこりとしてくれれば・・・

 

 

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みなさん、こんにちは💛

いつもご訪問をありがとうございます。

 

今日はがんばって、1日に2回、記事をあげてみました。

もしかして、初めてかも?

あなたへのささやかなクリスマス・プレゼントです。

 

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風のラヴソング[金の鈴]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

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越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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金の鈴

 

1階のベランダから、もくもくと黒いけむりが上がっていた。

 

このお話の語り手は、太気といって、小夜子と太陽の長男になります。上の子が結子といい、この娘がダイヤモンド・ダストのお祭りの時の子ですね。

二人は結婚して、今は五階建ての団地の2階に住んでいます。

 

黒いけむりは、おれの家の階下の三宅さんというおばあちゃんが、ベランダで魚を焼くけむりやった。

f:id:sakurado:20211223141752p:plainこのおばあちゃんは、”しちりん”というキャンプ用のコンロみたいなやつに炭を入れて、秋刀魚とかイワシとかをベランダで焼くのです。すると、干してある洗濯物や布団が魚臭くなってしまうので、ご近所では大騒ぎになります。

他にも、団地の前の芝生を刈らせないので、野原みたいになってしまい、団地のみんなからは、虫が飛んでくると苦情を言われたりしています。

でも、この草原にはいろいろな花が咲きます。

 

春一番は、青い小さな星が落ちてきたように野原一面に咲くおおいぬのふぐり。

そのころからたんぽぽも咲きはじめて、それから、すみれやひめおどりこ草、はこべの白い花も咲く。

 

そのあと、母子草、しろつめ草にきゅうり草、にわざきしょう、からすのえんどう、ねじ花、へびいちごなど数えきれないほど咲くのでした。

そして、おばあちゃんは、この野原からつんできた草で、たんぽぽの根っこのきんぴらや、よもぎのお団子をつくって、小夜子の家に持ってきてくれるのです。

 

こんなふうに小夜子の家族は、おばあさんと仲良く暮らしています。とくに上の娘の結子は、おばあちゃんによくなついていて、いつも一緒になにかやっているようでした。

ところが、ある日、おばあさんがボヤを起こしてしまいます。

すると今まで我慢していた団地の人が、いろいろ文句を言いはじめたのです。

おばあちゃんの方も、独りで暮らすことに自信がなくなってしまい、東京に住んでいる息子と暮らすということになりました。

 

引越しの前日に、おばあちゃんは小夜子の家に、蚊帳を置いていきます。

また結子とおばあちゃんが、外の芝生でしゃがんで何かをしていました。何をしていたのかは太気にはわかりませんでしたが、味付けのりのガラスのびんがいくつも転がっていたのでした。

夏の終わりに、お父さん(太陽)が、蚊帳を寝る部屋の天井から吊り下げました。すると、開け放した窓から気持ちのいい夜風が吹いてきます。

太気が蚊帳の中に寝てみると・・・

 

なんだか、深い深い海の底で、ゆれる波を見上げているような気がした。

そして、

風といっしょに、リリリ・・・リリリ・・・と、きれいな、鈴をふるような音がきこえてきた。

「あ、おばあちゃんの鈴虫!」

お姉ちゃんが小さな声でいった。

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あけななした窓からきこえる鈴をふるような音は、すこしずつ増えて、なんだか、寝ているおれたちが、鈴虫の鳴き声のなかに沈んでいくような気がした。

それは、夜つゆでしめった風にのって、遠く近く、重なりあい、ひびきあって、天井から降ってくるようにもきこえた。

「あれは、鈴は鈴でも、金の鈴や。小さな鈴が、百も千も、海の上をころがっているようや」

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そんな声を夢うつつで聞きながら、太気が深い眠りにあ沈んでいくのでした。

 

 

f:id:sakurado:20211130114824p:plainなんて豊かな眠りなんでしょうか・・・。

おばあちゃんと結子は、引っ越しの前日に、それまで飼っていた鈴虫の幼虫を野原にはなしたのでした。鈴虫は東京のマンションでは飼えないからでした。

除夜の鐘さえもがうるさいと苦情がくるという昨今です。

 

みんなそれぞれに、事情を抱えているのでしょう。それはわかりますが、

やはり自分とは違う生活習慣の他者を受け入れるキャパが、どんどん狭くなってきていることに寂しさを感じるのは、私だけでしょうか・・・・。

 

現代の日本には、縦には古い世代と新しい世代との違いが、横には世界各地の人たちとの違いがあって、そこに溝のようなものができているようですね。

 

この物語には、ちょっとひと昔、ふた昔前の生活習慣のまま生きているおばあちゃんと、それを取り巻く現代の合理的な人間関係と、おばあちゃんを温かく包み込むように受け入れて見守っている心やさしい家族のことが、美しい情景とともに描かれています。

そして、ほんとうの心の豊かさとは、ほんとうの幸せとはどういうものなのか、いろいろと考えさせられます。

ただ読んでいると、なぜか心がほっこりとして、豊かになったような気持になってきます。小夜子の家庭の温かさからくるものでしょうか・・・。

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 

 


風のラヴソング(完全版)【電子書籍】[ 越水利江子 ]

 

 【中古】風のラヴソング完全版 /講談社/越水利江子(新書) 

 

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風のラヴソング[ダイヤモンド・ダスト]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

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越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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ダイヤモンド・ダスト

 

 ぼくの名前は、元気。いま、小学四年生。

 高校三年の兄貴が、太陽。それから、十三歳の姉さんが、遊子。

 

あの元気いっぱいの太陽の弟が、元気という名前で、その元気の視点からこの話はつづられています。

当時小学五年生だった太陽は、もう高校三年生なのです。

元気のお姉さん、つまり太陽の妹の遊子は・・・

 

遊子は、遊ぶ子という名前やのに、一度も、外で遊んだことがない。遊子は、生まれつき、耳がきこえない。

「目は見えてるようやけど、どのくらい見えてるのか・・・」と、お医者さんは自信なさそうにいった。

重い脳性マヒという病気で、しゃべれんし、うごくこともできない。いつも、寝かされたままのかっこうで、じっとしている。

 

ぼくの家は、白姫神社という縁結びの神様をまつっている。

 

これは一般の家庭でそういう神様を神棚にまつっているのではなく、どうやら、神主さんらしいのです。

そして、白姫神社のお祭りの時には、いつも遊子を2階にあげるかどうかで、家族内でもめるのだというのです。

 おばあちゃんは、お祭りにきてくれた人に気持ち良く帰ってもらうことが大切だといい、母さんは、

「それなら、遊子を見たら、気持ち悪いとでもいうんですか!」って怒るのです。しかも、

来月につくし学園に入ることになっているので、もう、このお祭りは見せてやれないかもしれないのです。

元気はどっちの言い分も、分かる気がしています。

 

そんな中、太陽がちょっと行ってくるって出かけていきます。元気は、兄が一人で夜店に行くんじゃないかと思って、後を追いかけていきます。

行った先は宇治川の土手で、彼女に呼び出されて、どうやらこっちももめているようなのです。

そして、その彼女というのが、小夜子なのです。

 

太陽の声に上を見上げると、空が見えた。

「バイオレットグレー・・・」

カノジョも、空を見てつぶやいた。川ぞいの空は、いつもの、あざやかな夕焼けの色はなくて、うすむらさきの雲のだんだらもようが、どこまでもひろがっていた。

 

描写がいいので、つい書いてしまいましたが、こんな情景の中で、小夜子が語ったのは衝撃的な言葉でした。

 

「うち、ないの・・・・」

 カノジョがいった。

 

ヤバい成り行きになってしまい、元気は出るに出られず、あわてて太陽よりも早く走って神社に帰ったのでした。

そこへ小夜子を連れて、太陽が帰ってきます。

太陽と小夜子は、2階の窓から出て大屋根にのぼっていきますが、元気には来るなというので仕方なく、2階の遊子寝かされている部屋にふらって入るのでした。

そこはふしぎな部屋で、四方が全部壁で、天井近くに高窓がひとつあるだけなのです。

 

「遊ちゃん・・・」

ぼくは声をかけてみた。

遊子は、高窓のあるほうを足にして、じっと寝ていた。声をかけても、目はあいているのに、表情はうごかさない。

そして、お母さんの唯一の願いは、

「遊ちゃん、一回でいいから、笑って・・・お母さんに、笑ってみせて・・・」

というものでした。

それで一度、笑わそうと思ってくすぐったら、

「遊子は心臓も悪いから、びっくりして止まったらどうすんの」

って、お母さんにすごく怒られたのでした。

 

やがて外で、パーン、パーンと、花火を打ち上げる音が聞こえてきます。

すると、遊子の瞳に、なにかが、チカッと光るのに気づくのでした。

 

「アアッ

花火やった。

小さな高窓のなかに、赤い光が、菊の形にパアッとひろがって、まわりの壁にのみこまれた。

すわったり立ったりしていては見えないのに、寝ころがって見上げると、ちょうど小窓のなかに花火があらわれる。それは、切り絵みたいに、くっきりとあざやかな赤色や青色やった。

 

元気は遊子の心臓のことも忘れて、遊子の肩をゆすったのです。

 

空一面に、紫陽花が、ねじ花が、ダイヤモンド・ダストが咲き乱れた。それが、光のしずくになって、消えるよりも早く、つぎつぎと新しい花火が打ち上げられる。

オレンジ色のUFOも、青い土星も、2つも3つもいっぺんに光った。

そのとき、やっと、太陽を呼びにきたことを思い出した。

 

「遊ちゃんが笑てるんや。花火の終わらんうちに、早よ、下りてきて!」

 

「ほんと、この子、笑ってるみたい・・・」

お母さんの声がした。

「ん、そうやな、笑てる・・・たしかに、笑てるな・・・よっぽど、うれしかったんやろか・・・?」

お父さんがいっている。

 

そうして、家族みんなで、小夜子も加わって、遊子のまわりに手をつないで寝転がって、花火を観るのでした。そして、

 

カノジョは太陽の目を見た。太陽はカノジョから目をそらさなかった。

 

のでした。

ラストの文章も、いいので、書いておきます。

 

あけはなした出窓の外で、どどーんと、最後の花火を打ち上げる音がした。

ぼくの目のまえに、金の光が、しずかにひかるのが見えた。

きらきらと、砂金をまいたようなダイヤモンド・ダストが、またたきながら、ぼくたちに降りそそぐのを、ぼくは、はっきり見たような気がした。

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f:id:sakurado:20211203070647p:plain小林正観さんが、

「ぼくの価値観が変わったのは、知恵おくれの娘が生まれてからです」

というようなことを、色いろな講演のDVDでおっしゃっていました。

 

半年位は、悲しくて仕方がなかったのだそうです。

けれど、この子が生まれたことによって、今までの他人と競ったり押しのけたりする生き方ではなく、他人を思いやる愛のある生き方が正しいのだと観念ではなく思うようになったと語っていました。

 

この子は明るさの塊で、すばらしい天使のような存在だとも。

もし、神様が現れて、薬を飲めばこの子を正常にすることができますと言われても、この子にはこのままでいて欲しいと。

奥様も、もし3人目の子供を宿して、それが障がいがある子供だと言われても、ためらいなく産むとおっしゃっています。

とても考えさせられる言葉でした。

 

私もひと時、知的障碍者のみなさんとのかかわり合いがありましたが、確かにそれは頷けるものがあります。

このお話に出てくる家族も、愛のあるすばらしい家族なのだというのがよくわかります。

太陽があのように自由奔放でありながら、愛のある大きな人間だというのも、この家族あってのものなのかと納得しました。

小夜子はとても良い恋人を選ばれたのだと思いました。

 

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 


風のラヴソング(完全版)【電子書籍】[ 越水利江子 ]

 

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魔除け・厄除けの植物【柊・ヒイラギ】さんを買ってまいりました(*^^)v

(*^^)v 玄関に置く柊(ヒイラギ)さんを、ずう~~~っと前から欲しいな

と思って、いつもの散歩コースの園芸店やお花屋さんを見てまわったり、

声もかけているんですが、なかなか出会えませんでした。

 

先日、皮膚科を再受診した帰りに、ちょっと遠回りして、ホームセンターに寄ってみたら、やっと柊さんに出会えました。

いくつかの種類があった中で、この小さな柊さんが気に入ったので連れて帰ることにしました。

わかりやすくいうと、398円で、買ってまいりました!!

 

それが、これです⤵

 

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ギザギザのある葉っぱが、ツヤツヤ、ピンピンとして、すごくいい感じです。

柊さんは、鬼が嫌うとされていて、魔除け・厄除けに、玄関に置いたり、北東に植えるといいとされていますから、これでもう、大安心ですね。

 

クリスマス前なので、ちょっとキラキラもつけてみました。

ずうっと前に、花屋さんに飾ってあった柊に、ラメがついていて奇麗だったのを思い出して、ちょっとマネしてみました。

こんな感じになりました~~(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 

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なんか、いい感じ~~💛(自画自賛です)

これに赤いリボンをつけると、🎄クリスマス・バージョンになりますね!

 

キリスト教でも、キリストが人間の罪を背負ったのを忘れないように、クリスマスにヒイラギ(セイヨウヒイラギ)を飾る風習ができたのだとか・・・。

 

f:id:sakurado:20211212061529p:plain ふふっ。

 

でも、よ~~く調べてみたら、

クリスマスのヒイラギと、節分のヒイラギは違うのだとか・・・。

 

クリスマスのヒイラギは、モチノキのセイヨウヒイラギで、春に白い花を咲かせて、初冬に赤い果実を実らせ、

節分のヒイラギは、初冬に白い花を咲かせて、初夏に黒紫色の果実を実らせるのだとか。

 

あれ? この柊はどっちなんだろう?

まだ苗なので・・・それに、説明書もどこかへいってしまいました。

とゆうことで、

この柊さんの、ルーツが疑われます・・・

 

でも、ま、いっか。

 

そのうちわかるでしょう・・・それまでは、共用ってことで。

 

柊の花言葉 

1:用心深さ・保護

2:剛直

3:先見の明

 

お題「これ買いました」

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風のラヴソング[あの日のラヴソング]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

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越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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あの日のラヴソング

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「おい、こいつ、ドロボーやねんぞ。三年のとき、金柑盗りよってん」

 藤井くんが、細長いあごをつきだしていうた。

 

 小夜子は、安田さんが金柑の枝を持ってきて、先生の机の上に飾ったのを見ていて、お父ちゃんが食べさしてくれた金柑を思い出して、つい、1つ、2つちぎっていたのでした。

そのことを藤井くんと松浦くんが、五年生になってもドロボーといっていじめるです。

小夜子はそれも嫌でしたが、「キンカンドロボー」って言われたとき、日下部くんがどう思うかが気になるのでした。

西田先生のクラスでは、テストの成績で席順を決めていました。ついに小夜子が日下部くんの隣の席になったとき、日下部くんが、

きらっと笑って、「やったね!」と言われてから、小夜子は日下部くんが好きになったのでした。

 

 その日下部くんの隣の席に、太陽がいました。

太陽はクラスで一番の不良で、テストをいつも白紙で出す太陽の席は、ずっと前の席のはずなのに、自分の席に座らずに「きょうは、ここに決めた!」とだれかの席を取るのです。

 

小夜子と日下部くんとは仲良くなりましたが、みんなに2人はスケベーな関係やと言われたり、キンカンドロボーのうわさが広まって、気が弱い日下部くんは、小夜子と目が合うと、そっぽを向くようになります。

それで小夜子は、休み時間をうさぎ小屋で過ごすようになりました。

そこへ、太陽がやってきて声をかけるのです。

 

「おまえ、キンカンドロボーしたって、ほんまか?」

 太陽がいうた。

 うちは。だまってた。

 

 太陽は、アア、と、のびをして立ちあがった。

「さあ、ひまやから、教室でも、ひやかしてこおか・・・」

 そういうて行きかけて、また、ふりかえった。

「おまえ、キンカンなんか盗って、どうすんね? あんなもん、ドロボーのうちにはいらへんぞ。あほか」

 

 やがて日下部くんが、北海道の釧路へ引っ越していきました。

それをからかった女の子とケンカになってしまい、竹尾さんが小夜子の頭をたたき、小夜子がたたきかえすと、竹尾さんが泣いてしまいました。

 先生に「どっちが先に手を出したんや?」と聞かれたとき、小夜子は本当のことを言いましたが、西田先生は、

「うそつきは、ドロボーのはじまりや。なんで、ほんまのこといわへんのや!」

と、一方的に決めつけて小夜子を怒り、小夜子の母親にも、

「わがままで、自分が悪くても、人を悪くいう。協調性に欠ける」

と言うのでした。

小夜子は、その時の母親の顔がいつまでも忘れられませんでした。

それからは自分を曲げて、西田先生に気に入られるようにおとなしく、しおらしくするようにしたのです。

そして、ついに西田先生は、小夜子を呼び捨てではなく、篠原さんとやさしく呼ぶようになりますが・・・

 

(とうとう、やった・・・)

 そやのに、心臓だけがみょうに苦しくて、顔が熱うて、なんや、はずかしいのやった。

「篠原さん」いうて呼ばれたのは、うちやない、知らんだれかのような気がして、なんや、せつないのやった。なんや、腹がたつのやった。

(大キライや!)

 うちは、西田先生のかくばった背中にのっているいかずち頭をにらんだ。

 

 太陽は、じろりとうちの顔を見てから、フンと、そっぽをむいた。

「センセイ! トイレに行ってマイリマス!」

 大きな音をたてて、太陽が立ちあがった。西田先生はむっとして、太陽を見た。

「行くんやったら、静かに行け!」

 先生がいうのを、最後まできかずに、太陽は、おもいっきり大きい音をたてて出ていった。

 ろうかで、大声で歌うのがきこえた。

 

キンキンキラキラ ゆうひがしずむゥ

キンキンキラキラ ひがしずむゥ

 

まっかっかっかっ そらのくもォ

キンスケのおかおも まっかっかァ

 

 西田先生が、戸をあけてどなった。

「静かに行かんかっ!」

 ほんのしばらくシンとしたあと、遠くから、もっと大きな声がきこえてきた。

 

まっかっかっかっ そらのくもォ

にしだのおかおも まっかっかァ

 

 みんなはクスクス笑って、下を向いた。

こわい顔をしているのは、西田先生と、うちだけやった。

 

がなりながら遠くなってゆく太陽の声に、うちはなんでか、ついていきたかった。

 

 このお話は、最初からずうーと日下部くんのことが書いてあるんですね。

日下部くんが頭がいいとか、やさしいとか、それから運動場で走り幅飛びのとき日下部くんがこうだったとか、理科室で2人きりでの掃除の時なんかは、

うちの胸はもっとどきどきして、心臓の音が、自分の頭のてっぺんまでドンドン響いた

って書いてあります。

あと小夜子が原因で、日下部くんが藤井くんになぐられたことや、別れのシーンなんかもあって、ちょっと切なくなったりして・・・

それで、これはちょっと見には、日下部くんとのラヴロマンスのように見えるんです。

 

でも本当は、ラストのところで、太陽の方だったんだというのがわかってきます。

太陽は脇役のように描かれていて、じつは、なかなかに魅力的なキャラなんですね。

西田先生が、成績で席順を決めることや、えこひいきするところとか、

太陽は先生にすごーく、反抗していて・・・・そして、小夜子の気持ちも、よく分かっているんです。

それから、いじめっこの松浦くんにも、なにかやったらしいのです。

ちなみに太陽が歌ったキンスケっていうのは、小夜子のことです。

 

太陽という少年はいろいろ問題は抱えているようですが、すごく大きくて温かい少年なんですね。

 

f:id:sakurado:20211203070647p:plainあなたは、どう思いますか?

 

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 


風のラヴソング(完全版)【電子書籍】[ 越水利江子 ]

 

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東山魁夷記念館〈市川市〉へ行ってきました(*^_^*)

ワタクシ、日本画家では、東山魁夷画伯の絵画が一番好きなんですね。

 

どうしてかっていうと、ずいぶん昔に「」という絵を観て、

「あ~~、いいなあ」って惚れてしまったんですね。

ひとめぼれってやつです。

(お米の銘柄ではありませんよ)

ワタクシ、一目惚れが多いですね💦

 

それが本物の絵でもなく、リトグラフでもなく、複製画や画集でもなくて、ただの本だったんですね。

それもふつうの文芸書くらいの本で、絵はさらに小さかったのです。

こんな小さな印刷された絵に感動してしまったワタクシって・・・・。

 

たぶん文章も良かったし、そこに書かれていた東山魁夷画伯の歩んだ人生や絵に対する真摯な思いというものに共感したからかもしれません。

東山魁夷画伯が絵の道を歩こうと志したところとか・・・

 

東山魁夷画伯は、成功する一歩前に、ご家族を全て失っているのです。

絵でも確か出品した作品が落選して、失意の中、死の病に臥せっている弟を喜ばすために、1枚、1枚絵を描いて、見えるところに貼ったのだとか。

やがて残照という絵を描いて、日展に出品しました。この絵は戦争を経験して、命に対する熱い思いを描いたのだそうです。この残照が出世作になりました。

しかし、残照が日展で特選になって、政府買い上げとなったときに、一緒に喜んでくれる身内は誰もいなかったとか・・・。

 

」は、第6回日展に出品した作品でした。

たぶん、このようにすばらしい絵というものは、こんな小さな印刷された本の絵でも、人を感動させる力を持っているのではないのかと思われます。

 

でも、この本っていうのが悩ましいところで、

東山魁夷画伯といえば超有名ですから、本もたくさん出ていますし、カレンダーや絵はがき、リトグラフ、複製画はもとより、いろいろなグッズにも印刷されて出回っています。

そういうのを、こう、比べてみますと、色合いがみんな違うんですね。

本もそうだし、カレンダーも微妙に違います。

印刷の技術の差なんでしょうか・・・。

 

それで、最初に観ていいなと思った「道」が、本によっていろいろで(色なだけに)、

ちょっとショックでした。

 

絵画はやっぱり、実物を観なくちゃあと、

しみじみとあたり前なことを思ったワタクシ、

実は惚れていながら、東山魁夷画伯の本物の絵を観たことがなかったのでは・・・と、

ハタと気づきまして・・・ああ、これでは、

「♬あなたの幻を愛したの~~~♪」の歌ようになってしまう・・・と、

のこのこと、千葉県市川市に在る東山魁夷記念館に行ってまいりました。

(前置きが長いですが・・・・)

 

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ココには、道の〈試作〉があるとのことで、期待でわくわくでしたが、今回は残念ながら展示されていませんでした。

試作とはいえ、あこがれはなかなかに遠いものです。

 

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でも、いくつかの東山魁夷画伯の本物の絵を観られたので、満足いたしました。

 

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記念館に併設されている〈8代葵カフェ〉で、

道のプリントされているカップでコーヒーを飲み(これなんかターコイズブルーだもんね)、大好きなオムライスをいただきました。

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葵カフェからKAIIの森へ出て、写真を1枚。

 

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同じく併設されているミュージアムショップで、絵はがきと一筆箋を購入しました。

ちなみに、当然ですが、記念館内は写真撮影ができませんので、ありません。

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f:id:sakurado:20211130114824p:plainつぎは、長野県にある東山魁夷美術館に行きたいなあ ・・・

と夢をふくらませているのでした。

 

 

※施設案内

 

市川市東山魁夷記念館

 

〒272-0813

千葉県市川市中山1丁目16番2号

☎ 047-333-2011

 

開館時間 午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)

 

休館日 月曜日(祝祭日にあたる場合は開館し、翌平日が休館)

    展示替え期間、年末年始

 

電車 ・京成電鉄「京成中山」駅から徒歩15分

   ・JR総武線「下総中山」駅から徒歩20分

 

バス ・JR下総中山駅から京成バスシステム柏井線「市営霊園」「保健医療福祉センター」行き8分、「北方」下車1分

 

車  ・京葉道路「市川インター」「原木インター」から約15分

   ・駐車場(無料)普通車約20台、大型、中型バス駐車可

 

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みなさん、こんにちは💛

いつもご訪問をありがとうございます。

 

🚙今回はワタクシ、車で行ってまいりました。

師走ですので、交通トラブルに合わないように慎重に運転しています。

みなさまも、お元気でありますように💛

 

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風のラヴソング[みきちゃん]越水利江子【児童文学】感想・レビュー

きこえてくるのはラヴソング

さあ 泣かないで

さあ 立ちあがって

耳をすまして

 

いつでも

だれかが くちずさんでいるはず

あなたへの ラヴソング

 

おもいだして

あの日の ラヴソング

ほら

明日のあなたへの ラヴソング

 

風のラヴソングは作者の越水利江子さんが、自身の子供時代をふり返って、

あのころ、読みおわったあと、力になる物語に出会えていたらと・・・

そんな気持ちから、

今もたたかいつづけているひとりぼっちの幼い戦士たちのために書きつづった少女・小夜子の一生を通して描かれるさまざまな「愛」の物語です。

 

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越水利江子・作/中村悦子・絵/講談社・青い鳥文庫

お題「我が家の本棚」

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みきちゃん

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 みきちゃんは、ええかげんでうそつきや。

路地の子は、みんなそういうてる。いつかも、東福寺の山で、蝶々のオオムラサキを見たいうて、うそついた。

 

 みきちゃんというのは幹夫という男の子で、ウソつきです。みきちゃんの父親は酒癖が悪くて、飲むと暴れていつも大騒ぎになるのでした。

小夜子の両親も近所の大人も子供も、みんなみきちゃんと遊んだらダメだと言います。でも、遊んだらダメな本当の理由は・・・

 

小夜子はみきちゃんと遊んだことがありました。

なぜなら、その日は仲間外れにされたり、テストの点数が悪かったり、お父ちゃんに怒られたりして最低の日だったからです。

 

 しょぼくれて、縁側にすわって雨を見ていたら、向かいの板塀から、黒い顔がひょいとのぞいた。

「さよちゃん、あそぼか?」

 そういうて、みきちゃんは、にやあと笑った。うちもつられて、にやあと笑った。

 

みきちゃんは東福寺の山の秘密のかくれ家を教えてくれて、ここはみきちゃんのお母さんがヒステリーを起こした時に逃げてくる場所だと言うのでした。

みきちゃんのお父さんはお酒を飲むとしょっちゅう暴れるのだけれど、昼間はおとなしくて、男の俳優みたいにきれいな顔をしているのです。

そして、子供たちが花火をやっていると・・・

 

 みきちゃんのお父ちゃんは、じっと空をにらんで、

「ほんまに、さっぱり見えへん」と、くりかえした。

つられて空を見上げてみたら、路地の屋根と屋根のあいだの小さな空に、こまかい星がチカチカ光っていた。

「わしの生まれたソギポの星は、こんなもんやない。

海辺の石垣にこしかけているとな、一晩のうちに、数えきれんほどの星が落ちてきてな・・・

いっぺんに3つも、4つも、シャーシャーと降ってくるのが見えるんや・・・」

 

 白木のおっさんというこの人は、日本人ではないのです。

そして、小夜子はなぜ、周りの大人たちがそのことを理由にして遊んだらダメだと言うのかがわからないのでした。

大人がいうのをそのまま鵜呑みにしないで、小夜子は純真な子供の心でそう思うのです。

 

 そのうちにみきちゃんのお父さんがお酒を飲んで大暴れして、警察がきたり、救急車がきたりして、大騒ぎになってしまいます。

小夜子が海水浴に行く時に、みきちゃんが「カニ取ってきて」といいますが、それを最後に、みきちゃんのお母さんからひどく叱られて遊ばなくなってしまうのです。

小夜子は約束したカニを取って帰りますが、みきちゃんとは会えないまま、カニは10日めに死んでしまいます。

 

ちょうどその日に、みきちゃんは家出をしたのでした。

小夜子はもしかしてみきちゃんは東福寺の山の秘密のかくれ家にいるんじゃないかと思って探しに行きますが、そこは荒れはてていてみきちゃんはいませんでした。

そうして、草のなかから木箱を見つけるのです。

フタを開けてみると・・・

 

 何十匹の白い蝶々はそのまま雨の降りはじめた空にのぼっていって、そのとちゅうで、そこがひろい空やということに気がついて、とつぜん、ひろがって散った。

 白ばっかりに見えた蝶のなかに、青い青いしじみ蝶が一匹、まるで、白いカーテンをあけたみたいにあらわれて、それは、まっすぐの空へ飛んでいった。

「みきちゃん、やっぱりうそつきや・・・オオムラサキなんかいいひんやん・・・・小さいしじみ蝶しかとれへんかったくせに・・・」

         f:id:sakurado:20211214094730p:plain

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 鼻がつーんとしてきた。

 はるか下のほうで、東福寺の駅についた京阪電車の緑色がゆがんで見えて、うちは、声をあげて泣いた。

 

 この「みきちゃん」は作者の越水利江子さんが、初めて書いた作品だそうです。

みきちゃんは、大すきな幼なじみをモデルにしています。

そのみきちゃんは大人になっても、ずうっといつまでも心の中に生きている大切な友達なのでしょう。

 

ですから書き上がった「みきちゃん」を、作者はどこに応募するでもなく、誰に読んでもらうでもなく、ただ自分で読んでは満足していたのでした。

そして、最初の読者でありファンとなったのが、越水利江子さんのお子さんだったのです。子供が気に入って、勝手に読んでいたというものでした。

作者として、とても幸せな門出ですね。

 

 この物語みきちゃんでは、やはりラストの小夜子がわあわあ声をあげて泣いたことが心に残りました。

小夜子の涙は、いったい何だったのだろうかと。

それは子供が、迷子になったときに流すような涙でしょうか。

それとも、何か欲しいものを買ってもらえなかった時に流す涙でしょうか。

 

子供だからそれはそうなのだけれど、でも、ちょっとだけ違うような気がするのです。

 

大事な友だちが、小夜子の手が届かないどこかへ行ってしまったという喪失の涙かもしれないし、

みきちゃんが背負っている運命の過酷さへ涙かもしれません・・・。

それとも、大きな何者かへの無意識の抗議の涙かもしれません。

 

あなたはどう思いますか?

 

それにしても、秘密のかくれ家で蝶が飛び立つ表現は、すごく幻想的でありながらリアリティもあって、これも美しい情景がくっきりと浮かんできます。

またみきちゃんのお父さんが生まれ故郷のソギポの星を話すところも、とても美しく、描写が美しいだけに、それがかえって現実の生活の過酷さを際立たせていて、小夜子の悲しみが胸に迫ってきますね。

ちなみにソギポは韓国最南端の西帰浦市のことです。

 

※ 風のラヴソングは、どれも短いお話になっていますが、どれも内容が深くて濃い作品なので、ぜひ深く味わっていただきたいので、何回かに分けて感想を書いてみたいと思います。

 

著者紹介:越水利江子さん

 高知県生まれ、京都育ち。

「風のラヴソング」(岩崎書店)で、日本児童文学者協会新人賞、

文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

「あした、出会った少年」(ポプラ社)で、日本児童文芸家協会賞受賞。

他に「花天新選組君よいつの日か会おう」(大日本図書)、

「竜神七子の冒険」(小峰書店)、「ぼく、イルカのラッキー」「月夜のねこいち」(共に毎日新聞社)、「忍剣花百姫伝」シリーズ、「こまじょちゃん」シリーズ(共にポプラ社)、「霊少女花」シリーズ(岩崎書店)、「百怪寺・夜店」シリーズ(あかね書房)など、ヤングアダルト、エンターティンメント、幼年絵本まで作品多数。

 


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みなさん、こんにちは💛

いつもご訪問をありがとうございます。

 

🎄クリスマスカードを買ってきました。

クリスチャンではないけれど、毎年何人かの友人に送って楽しんでいます。

コロナ前は、品数が多くある賑やかな街まで行って選んでいましたが、

今はいつもの近所の文具店で買っています。

でも、これも悪くないかなと思っています。。。

 

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