思うところがあって、また『星の王子様』を読みたくなったので、
ブックオフへ行きました。
初めて『星の王子様』を読んだのは、学生の頃だったと記憶しています。
あの頃は本を買う余裕がなかったので、図書館で借りて読んだのでした。
これは本を開いて、最初に描いてある星の王子様です。
ブックオフは自宅から徒歩20分位のところにあって、駅の反対側にあります。
近くの書店巡りをするときに、ここも、図書館も、そのコースに入っていて、その時の時間や体力配分によって、いろいろ組み合わせて行くのです。
今回、星の王子様が読みたいとなったときに、そういえばちょっと前にブックオフで見かけたなあと思ったのです。
それで探したら、まだ売れてなくて棚のいちばんてっぺんの隅にありました。
図書館のと違って、箱に入っていてるたいそう立派な本で、表紙にはあのなつかしい星の王子様の見慣れた絵が描いてありました。
さっそく家にもどって開いてみると、経年劣化で表紙の縁が黄ばんでいるものの中はきれいで、どうやらまだ未読の本のようでした。
というのは、これには今の本ではあまり見かけなくなった紐のしおりがついていて、それが製本されたときに折られたままの状態で、本の中ほどに押し花のように貼りついてあったからです。
そうしたら、ふっと、これを持っていた元の持ち主はどんな人だったのだろうと、めずらしくそんなことを思いました。
長い間、一度も開かれることなく、ずうっと手元に置いて、長い年月が経って古本屋に出した人なのです。
もしかしたら、この本は自分で買ったのではないのでは?
なぜなら、自分で買ったのなら、開いてすぐ期待外れだとわかって投げ出したとしても、1回くらいは開くのではないのでしようか・・・。
ああ、これは贈りものだったんだ。
そう思いついたら、この本がたいそう立派な箱に入った本だったことや、なんやかやが、するするっとパズルのようにうまくはまっていったのでした。
そして、それはたぶん大切な人からの贈り物だったのでしょう。だから、自分の趣味や興味に合わなくても、長い間、そのまま捨てもせず、放り投げもせず、どこかに大事に置かれていたのだと。
それにしても、今、こうして古本屋に置かれていたということは、つまり、たぶんどこかで大きな変化があって、とうとう『さよなら』する決心がついたのでしょう。
その大きな心境の変化にまでは思いが至りません。
たぶん、就職とか、結婚とか・・・かもしれません。
星の王子様が、この地球から、この本の主人公からサヨナラするように・・・。
そして、これがこの本の最後のページに描かれています。
そして、こう語っています。
「これが、ぼくにとっては、この世で一ばん美しくて、一ばん悲しい景色です。
王子さまが、この地球の上にすがたを見せて、それからまた、すがたを消したのは、ここなのです」
と。
こうして、再び読んでみて思ったのです。
星の王子様はちょっと難解な部分はあるけれど、一度も読まないままで古本屋に出してしまっていいような、そういう本ではないっていうことなんです。
なんてもったいないことをするんだろう。
このもとの持ち主は、まったくもって、人生、ソンしちゃったんじゃないのだろうかって・・・・。
まあ、よけいなお世話だけれど。
そして今、この本は、私の本棚のいちばん上の、いちばん大切な本を置く場所に鎮座しているのでした。
これは感想でも、解説でもありません。
感想を書くには、もっともっと、よくよく読まなければなりません。
それは、またいつか・・・。
今回は、星の王子さまと主人公の飛行機乗りと、
たくさんおしゃべりをしましたよ。
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