どんなベテランのケアマネージャーでも、この方にはいったいどんな支援が出来るのだろうか・・・と悩むことがありますよね。
そんな時には、ヘルパーさんをはじめとして、医師や看護師や理学療法士とか、お役所の人の意見、それから民生委員、ボランティアも含めた、社会資源のありとあらゆる人の意見や考えを参考にしながら、本人とご家族にとってベストなプランになるよう心がけています。
解りやすくいうならば、人の頭を借りるということです。
ケアマネージャーの事例検討会は、多くのケアマネージャーの頭を使って、支援が困難な方にどんな支援策があるのかを話し合います。
すると1人1人では思いつかないような名案が出て、とても参考になります。
7つの習慣のシナジー効果かもしれませんね。
今回は、≪フォーマルサービスとインフォーマルサービスの調整が難しいケース≫です。
フォーマルサービスは、訪問介護や訪問看護、リハビリなどの主に公的な支援のことをいいます。
インフォーマルサービスは、ご家族や親せき、友人知人などの主に私的な支援のことをいいます。
事例の特徴
・88歳、女性、要介護1。軽度の認知症があり独居しています。
主介護者のYさんは、本人が昔やっていた書道教室の教え子で、ヘルパーの資格がある70歳代の女性です。
本人とは20年程の付き合いで、本人もYさんを信頼しています。
食事、買物、掃除洗濯、服薬確認などをYさんが毎日訪問して対応していますが、Yさんんも高齢であり頼まれたことを忘れてしまうことがあります。
Yさんは本人への思い入れが強く、時折、訪問看護と意見がぶつかることがあります。
本人・家族の意向
本人:これからもこの家にずっと住み続けたい。また書道展に行けるようになりたい。
家族(妹):前から(妹の家で)一緒に住もうと言っているのですが、本人はこの家に拘っているようです。
本人が望むように生活していただければと思います。
介護者・家族の状況
・独身。子供なし。KPは隣県在住の三女え雄が、高齢のため訪問は月1回程度です。
・主介護者は70歳代の書道教室の元の教え子で、ヘルパーの資格を持っています。
既往症・病歴
・認知症
・高血圧症、脂質異常症、脳梗塞後遺症
・変形性腰椎症、両側頚肩腕症候群
生活歴
4人兄弟の長女として生まれる。若いころは書道教室の先生をしていました。え生活歴あこともあr
その他にも生け花や洋裁、社交ダンスも行っていました。
結婚はしませんでした。町会の会計係をしていたこともあり、プライドが高いようです。
本人の状況
・屋内移動、自宅周辺程度なら見守りで歩行ができます。
・腰痛があり、長時間の立位は困難なため、調理や洗濯などの家事はYさんが対応しています。
・調子がいい時は、本人が洗濯をすることもあります。
・最近、お湯を沸かそうとして火の消し忘れが1度ありました。
・短期記憶保持が難しくなってきており、自宅で転倒したことも忘れています。
ケアプラン作成上の課題
フォーマルサービスとインフォーマルサービスの調整をどのように行ってケアプランを作成するか
・インフォーマルサービスの主介護者Yさんと、フォーマルサービスの訪問看護と意見がぶつかることがあります。
・訪問看護としては、Yさんのやり方に納得がいっていません。
・主介護者のYさんとしては、ヘルパーの経験もあるし、本人とは長い付き合いで本人の気持ちは熟知していると言っており、自身のやり方に拘っています。
・本人はどちらもお世話になっている大切な人という感覚でいます。
こういう悩みや問題を、集まってみんなで話し合います。
その時に、 「ブレインストーミングの4原則」
①批判禁止
②自由奔放
③質より量
④便乗発展
ということを心がけています。
それによって、多くの意見や思いが出て、そこからひょんなことに
思いもかけなかった支援策が出てきたりするからです。
あと、それぞれのケアマネが、
「そういえば、こんなことがあった」とか、
「こうしたら上手くいったことがある」など、
体験を話すことで、それを他のケアマネが追体験することができるからです。
それを自分のケアプランに応用することで、
より良いプランになったり、独りよがりの支援策にならないようにすることができます。
意見まとめ
・本人は認知症を発症していたり、脳梗塞後遺症や高血圧症等、服薬や健康管理が難しくなっています。
また、Yさんは高齢で頼まれたことを忘れたりすることもあるので、医療関係のことは訪問看護の意見を重視して行っていくのが良いと思われます。
・家事や本人の身の回りのお世話については、長いおつきあいをしているYさんのやり方を行っていくのが良いと思われます。
・いずれにしても、双方が納得がいくように、本人を交えて、Yさんや訪問看護としっかりと話し合う必要があります。
・Yさんは元教え子ですが、ご家族と同じようなポジションと考えて、どうしても折り合いがつかない場合は、Yさんのやり方を尊重して、不足の部分を訪問看護が補っていくというのも1つの方法かと思われます。
・Yさんも高齢なので、いずれフォーマルな訪問介護が必要になってくるので、少しずつ新しいやり方をケアマネが教えていってはどうか。
・本人の強みを生かし、書道を行っているデイサービス等へ行って、新しい生きがいを見つけるようにします。デイサービスでの介護方法を体験して、本人からYさんに伝えてもらってはどうか。
・いつか書道展に行きたいとの気持ちがあるので、それを励みにリハビリを行ってみてはどうか。 要介護1なので、改善の見込みがありそうですが。
・・・などでした。
いかがでしょうか。
ご家族も医療関係者も介護のプロも、みんな1つの介護チームともいえます。
でも、こんなふうに皆の意見が合わないことは、すごくよくあります。
ほとんどはご家族様のやり方を尊重して、不足の部分をさりげなく補うことが多いでしょうか。
皆が納得がいくようにどう調整していくかも、ケアマネの腕ともいえるかもしれません。
それにはどの方面のことも、知識だけでなく、見学したり、体験したり、話をうかがったりして、良く知っておく必要がありますね。
※ご自宅での介護に限界を感じた時のために・・・
みなさん、こんにちは💛
いつもご訪問をありがとうございます。
久しぶりに、介護問題にいってみました。
介護をされているあなたも、介護をしているあなたも
皆さま、本当に大変だと思います。
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