俳句をつくってみたい
写真をちょっとうまく撮りたい
そんな初心者のための写真俳句の入門書になります。
俳句は、季語や切れ字などの基礎知識から、季節や暮らしなどテーマに合わせた句作のポイントか書いてあります。
写真は、デジタルカメラの上手な使い方から、自然・人物などの効果的な撮影技術などを、実例をもとに解説してあります。
写真で俳句をはじめよう/如月真菜・著/押山智良・写真/ナツメ社
ビジュアルの時代です。
特に私のような初心者は、映像で補うということが大切です。
というよりも写真がある俳句の方が、楽しいというのが本音ですね。
第一章◎写真俳句のすすめ
写真と俳句、それぞれを単独で味わうよりも、この2つを組み合わせることによって化学変化を起こして、さらに印象的な作品になったり、より豊かなイメージを感じさせる作品が出来あがったりします
組み合わせの可能性は無限大にありますが、大きく分けてつぎの3つのパターンがあります。
①写真に写ったものが俳句に登場する
●オーソドックスな形で、毎日の出来事などを日記に残すのに向いています。
②写真と俳句がイメージを補い合う
●一方が持っているイメージを、もう一方がより膨らませてくれるような組み合わせです。
③写真と俳句が一見離れている
●「なぜ?」と思わせますが、その分、見る人に自由に想像力を働かせてもらえます。
②は、雪の上に紅葉の葉が1枚の写真に、
冬来たる独り寝るのはさびしかり
という句が添えてありました。
③は、忙しそうに歩き回っている蟻の列の写真に、
真夏日の満員電車に揺られたり
という句があります。
面白い効果ですね。
私の場合は、ほぼ①の単純な写真を添えているだけです。
写真俳句を意識して作った句は、今までで1句だけですね。
それがこちらです↓↓↓
旅立ちにみんなと食べた蕗の薹
この章では、写真編を俳句編に分けて、下記解説があります。
写真編
カメラの構え方/手ブレを防ごう/ピントを合わせる/フラッシュを使い分ける/広角と望遠を使い分ける/マクロモードを使いこなす/同じ被写体を何枚も撮る/携帯電話のカメラで撮る/写真を保存する/写真を印刷する
俳句編
俳句はかんたんに作れる/観察・メモ・推敲の3つが大切/五・七・五に当てはめる/字余り・字足らず・句またがり/さまざまな切れ字/季語と歳時記/「一物仕立て」と「取り合わせ」/まずは取り合わせの句から/一物仕立てにチャレンジ
第ニ章◎写真俳句を味わう
この章では、自然や暮らしや一年のさまざまな句が写真と共に載っています。
俳句は、如月真菜さんの句です。
写真の下には季語のかんたんな説明と、俳句を詠んだときのエッセイが書いてあります。↓↓↓
田舎の一本道。さっきから淋しそうな犬が一匹うろうろしている。野良犬ではないらしく、赤い首輪をつけている。
さっき通り過ぎたあたりが家なら、ちょっと遠い。バスが来て去ってゆく私たちを何度でも犬は振り返っていた。
こんなふうに書いてありました。
左のページには、季語はよく吟味して選ぶ と書いてあります。
切れ字の「よ」を使ったことや、季語を「黍畑」にした理由などの説明が丁寧に書いてあって参考になります。
「草いきれ」でも「薔薇の花」でもよさそうですが、「草いきれ」では具体性がなく「薔薇の花」はひなびた感じが出ません。
「黍畑」という季語を選んで初めて、広々とした大景や、ざわざわと通り過ぎる風が感じられてきます。
下にはカメラ撮影のテクニックについて解説があります。
ここでは、動く被写体をうまくとらえる です。
その隣には、季語の「本意」について書かれてあります。
例句も2つ載っています。
この見開きのページだけで、ずいぶん勉強になりますね。
本書では、もうひとつ、下記のように俳句を2つ写真と共に鑑賞するページがあります。↓↓↓
例句は左下の小さな名句鑑賞の句以外は、作者の如月真菜さんの句です。
現代風のみずみずしい作品のように思います。
こういう作品を本人エッセイと写真とで鑑賞するのは、とても楽しいひと時です。
写真を観てなんて美しい情景なんだろうと思ったり、俳句を読んで一緒に感慨にふけってみたり、こんなふうに作るのもアリかと感心して、そのうちに自分も取り入れて詠んでみようかなと思ったり・・・。
第三章◎写真俳句を作ってみる
ここでは桜や紅葉などの写真をもとにして、実際に俳句を詠む方法がステップ1からステップ3に分けて、誰でも作れるように解説されています。
それにしても秋の夕暮れの情景の写真は、なんと美しい日本の夕暮れなのでしょうか。
第四章◎写真俳句を発表しよう
たくさんの人に向けて手軽に作品を発表することができる、さまざまな方法が紹介されています。
俳句は人が詠んだ句を味わうのも、なかなか楽しいものです。
そのなかでも特に自分にとっての名句というのはあるもので、いい句に出会うとしみじみとしたり、ほっこりとしたり、寂しく思ったり、いろいろな感情が呼び覚まされてきます。
歳時記には名句がたくさん載っていますが、多すぎてどうも読み飛ばしてしまいじっくりと味わうとまではなかなかいきませんが、こうして1人の俳人が詠んだ句を少しずつ読んで味わってみるのもいいものですね。
著者 如月真菜(きさらぎ まな)さん
俳人。東京生まれ。
明星大学卒業(日本画専攻)、Bゼミスクーリングシステム修了。
八歳ごろ俳句を始める。1987年「童子」入会、辻桃子に師事。
2002年「童子賞」受賞。NHK文化センター、南大沢カルチャーセンター等の講師を経る。現在「童子」同人、「童子」編集部。著書に句集『蜜』(蝸牛新社)、『菊子』(ふらんす堂)、共書に『無敵の俳句生活』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)などがある。
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