あなたはゴリラを、どんな動物だと思っているでしょうか?
わたしはバナナが大好きで、そして、乱暴でこわい動物だと思っていました。
でも本当は、静かに森で暮らしている家族思いのやさしい動物です。
それどころか、ちょっとした音でも驚いてしまう臆病でデリケートなところもあるのです。意外ですよね。
『大きな友だちゴリラ』は、アフリカの広い森にいるゴリラの家族と、ゴリラを愛する研究者のアンとの友情のお話です。
このお話を読んでいるうちに、ゴリラの大きな誤解がとけて、あなたもゴリラのことがちょっとだけ好きになるかもしれませんよ。
大きな友だちゴリラ/こやま峰子/佼成出版社
アフリカの広い森に、あるゴリラのファミリーが、くらしていました。
まっ赤な太陽が地平線にしずむころ、パパゴリラ、シルバーは、生まれたばかりの赤ちゃんゴリラのギリーと、ルナママのねむるところをさがします。
シルバーは家族のために安心して眠れる寝床を作ったり、ヒョウやライオンから守ったりします。また、家族を連れてタケノコを食べに行ったりして、平和に暮らしていました。
そこへゴリラの研究者のアンがやってきて、ゴリラと友だちになろうとしますが、ゴリラの方では人間を警戒してうまくいきませんでした。
ある日、シルバーたちは川辺の林に来た帰りに、まっ白いゴリラの赤ちゃんが1匹だけでいるのを見つけますが、弱っていて上手く育てることができません。それを知ったアンは、白いゴリラの赤ちゃんを助けようと近づいていきます。
三〇〇百キログラムのゴリラは、いざとなれば、すごい力があります。五〇キログラムほどのアンをおしつぶすなんて、かんたんなこと。
でもアンは、シルバーたいをしんじています。友だちだと思っています。
自分のキケンをかえりみず、病気の赤ちゃんゴリラを、そばで見守っていたいという気持ちが、シルバーたちのハートにひびいたようです。
まっ白いゴリラの赤ちゃんもだんだん元気になり、こうして、アンとゴリラたちは友だちになったのでした。
ところが、密猟者が罠を仕掛けて、ゴリラの家族がピンチに・・・。
現在、野生動物たちの森はだんだん狭められてきています。密猟者も多く、これから先、野生動物が生きていくのがどんどん難しくなっていきています。
現在、ゴリラは絶滅が心配されています。
その原因は気球環境の変化や人間による開発・密猟などいろいろありますが、それに拍車をかけているのが、私達の無関心のような気がしてなりません。
マンモスのように一度絶滅をしていまったら、二度ともはや二度と生きている姿を見ることすらかないません。同じ地球に生きているものとして、アンのように友だちになれたらどんなに素敵なことでしょうか。
せめてわずかな理解の助けになるのが、この本『大きな友だちゴリラ』です。
大人はもとより、まだ心が柔らかい子供のうちに、ぜひ読んで欲しい一冊です。
著者・こやま峰子
東京都生まれ。児童文学作家、詩人、エッセイスト。
詩集に「しっぽのクレヨン」シリーズ(朔北社)、『ぴかぴかコンパス』(大日本図書)。絵本の作品に『にじいろのしまうま』『夢につばさを』(ともに金の星社)、など。
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