意外な結末で着地する9つの短編集です。
どれも面白く読めますが、は第1話の『正月の決意』を是非読んでほしいと思います。
特に今年、ツイてないことばかりの1年だった人に、
もう人生詰んでしまったと思っている失意の人に、
このお話をおススメいたします。是非、読んでみてください。
素敵な日本人/東野圭吾短編集/光文社
正月の決意
正月の朝、達之は例年の書初めをし、妻の康代は御神酒の用意をしていた。
それが済むと、二人揃って近くの氏神様に初詣にで出掛けるが、まだ早いせいもあって通りにも神社にも人通りは全くなかった。
いざお参りをしようとすると、お賽銭箱の前に人が倒れていた。それは町長で、しかもラクダのシャツに股引という姿。
通報して警察が到着し、救急車で運ばれていった町長だが、記憶喪失で何があったのかわからない状態。2人は第一発見者ということで何度も事情聴取をされたり、いつまでも現場に立ち会わされたりとさんざんな初詣となったのだが、実は達之と康代は・・・
自分でも色々と推理をしながら読み進めていきましたが、想像の上をいく意外なラストでした。私もそうしようかなと思った、二人の決意なのでした。
さすがミステリの作家だと感心しました。
十年目のバレンタインデー
かつて別れた美人の恋人が、峰岸が作家として成功して軌道にのってからバレンタインに会いたいと言ってきた。峰岸は期待するが・・・
今夜は一人で雛祭り
三郎が男手ひとつで育ててきた娘が、研修医と結婚すると言ってきた。相手は離れた東北の大病院を経営する家の長男で、結婚したら娘は好きな仕事を辞めて一緒に東北に行くという。家柄の違いに三郎は面白くないし、心配するが・・・
君の瞳に乾杯
場外馬券場でウロウロしている時に大学時代の友人に出会い、人数合わせで合コンに誘われた。向こうはモデルなのだという。そこで出会った可愛い女子と気が合ったのだが、その娘の正体は・・・
他には、
レンタルベビー、壊れた時計、サファイアの奇跡、クリスマスミステリ、水晶の数珠
等など、面白い話が盛りだくさんです。
どれも想定外の結末で、小気味いい読後感でした。
東野圭吾さんの文章はクセがないのでさらっと読めて、それでいながら読後感が良くていい音楽を聴いた後のように残響が尾をひいて心地よいですね。
東野圭吾(ひがしのけいご)さん
1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。1999年、『秘密』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。2006年、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞と第6回ミステリ大賞をそれぞれ受賞。2008年『流星の絆』で第43回新風賞を受賞。2012年、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文藝賞を受賞。2013年、『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞を受賞。2014年、『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。他多数。
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