介護が必要なほどではないけれど、足腰が弱ってきてゴミ捨てへ行けない人って多いのではないでしょうか?
たとえば高齢者や障がいをお持ちの方、病気がある方などは歩くのもやっとなのに、重たいゴミを持って離れた場所まで行くのはものすご~~く大変ですよね。
また、遠方に住んでいるご家族等も、一人暮らしをされている身内のゴミ出しの心配をされている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ケアマネである私がそういう方を担当して、どのように解決したかをご参考までにお話をしたいと思います。
普通の人にとっては、たかがゴミ出しでも、
弱者にとっては、されどゴミ出し ですよね。
普通の人でもちょっとゴミが出せなかただけで、
あっという間にゴミがたまってがく然としたことはありませんか?
もしも1か月出せなかったら、みるみるたまって
ゴミにうずもれてしまうんじゃないかと思います。
ゴミ屋敷にまっしぐらです。
そこまでいかなかったとしても床の面積が狭くなって、
もっと転びやすくなってしまいます。
だからゴミ出しって何でもないことのようで、
すごく大事なことなんだなって思います。
もし本人がゴミ出しをするのが困難な場合、
どんな方法でやっているのか、
どんな方法だったらできるのか、
きっとあなたは、ずいぶん考えたのでしょうね。
たとえば……
① ご近所の人に出してもらう
② 別居している家族や親族にやってもらう
③ ヘルパーさんに出してもらう
④ ボランティアの人に頼む
⑤ お金を出して何でも屋さんとかを依頼する
考えてはみたけれど、どれもちょっとだけ何かしら問題があって、
どうしようか……
ってためらいつつ、悩んでいるのではありませんか?
そういうのも含めてみんな ゴミ難民 なのだと思います。
では実際にケアマネである私が、
実際に担当したケースをお話しますね。
・ どんな人だったの?
・ ゴミ出しで何が起こったの?
・ どうなったの?
◆ どんな人だったの?
夫亡きあとご自宅で一人暮らしをされていた80代の女性です。
子供はなく親族は他県に住んでいる姪一人だけでしたが、縁を切られたとのこと。
要支援2で、ふらつきはあるものの老人用のショッピングカー(歩行器ではない)
を使って、近くのスーパーまでなんとか買い物にも行く事が出来ていました。
この段階で地域包括より担当を依頼されました。
◆ ゴミ出しで何が起こったの?
初対面の挨拶をして、生活のようすや身体の状態をみて、要望などから福祉用具
などの事業所と今後のことについて検討をしました。
ところが、まもなく電話があって
「ゴミ出しに行く時に転倒して、肩を脱臼した」
とのことでした。
◆ どうなったの?
肩の脱臼はすぐに病院で治療してもらったけれど、
帰宅後、一人夜間に痛みで動くことが出来ずベッドの下で、
排せつ物にまみれて夜間せん妄が出てしまいました。
夜間せん妄というのは、見えないはずの人や物が見えるという状態です。
すぐに救急車で病院に運ばれたのですが、入院は本人の強い拒否があり、
かといってご自宅で一人でというわけにもいかず、
ショートステイを利用することになりました。
この時の状態は、排泄、入浴、着替えなどすべて全介助なので、
再度行った認定調査では要介護3でした。
ゴミ捨てで転んで、要支援2からいっきに要介護3
になってしまったのです。
その後、ショートステイで半年近く療養した結果、
だんだん良くなってきました。
それでも転ぶ前ほどは回復せず、左肩は上に上がらなくなり、
歩行器を使っても家の中の短い距離しか歩けません。
でも、本人が自宅での生活をしたいという希望があったので、
訪問介護や福祉用具による住宅改修、福祉用具の貸与、宅配弁当、
介護タクシーでの通院など、さまざまなサービスを利用して週3日から
自宅での生活の練習を始めることにしました。
この時、またまた発生したのが、ゴミ出しの問題でした!!
本人に代わってゴミを集積場まで持って行ってくれる人が、
どうしてもみつかりません。
ヘルパーさんも周辺の事業所をすべて問い合わせてみたのですが、
早朝に来てくれる人がいませんでした。
・ゴミ出し問題の解決までの道のり
👟 そこでまず市役所に行ってみることにしました。
受付に簡単に説明して案内されたゴミ関係の〇〇課へ行き、
「こういう人(詳しく説明)がゴミ出しで困っているんですが、
どうしたらいいんでしょう」
30分位説明をすると、
「どうしても行けないんですか?」
「他に近所の人とか、ヘルパーさんとか、親戚とか、誰かいないんですか?」
との質問があって、それに丁寧に説明をしていきました。
一通り納得すると、「許可がおりるかどうかわかりませんが……」
「それは介護保険の方からの申し込みになりますから、
介護保険課へ行ってください」とのこと。
(-_-;) 先に言ってよ~~っ
👟 今度は介護保険課へ。
介護保険課でまた同様の説明をすると、
「それは〇〇課の方です」と。
「〇〇課にはもう説明をして、こっちだって言うものですから」
「あ、そうですか。じゃあ、申し込みしときます。後で、〇〇課の方から
連絡があると思います」
📞 待つ事1週間ほどで、電話がありました。
また〇〇課からの質問がありました。
再度、同じ説明を栗菓子(じゃなくて)くり返しました。
📞 さらに待つ事1週間ぐらい、
今度は課長さんという方から、また同様の質問がありました。
「またですか、もう何度も説明をしてるんですけど」と心の中で思いつつ、
再再再度、介護保険課を合わせると再再再再度説明をしました。
「それじゃあ、検討しますから」とのことでした。
📞 さらに待つ事1週間。
「それでは自宅前で、週1回だけ収集しますので……」
ということになりました。
めでたし、めでたし
haa~~
ケアマネとしての今までの経験からすると、
とにかくお役所との交渉事は、忍耐です。
そして粘ることですね。
ということで、なんとか解決しました!!
何かの参考になるかもしれませんので、経験したことを書いてみました。
ゴミ出しの問題で悩んでいるあなたも、
一人で悩んだりせずに、
ケアマネージャーやお役所とか、他者に相談してみると、
何か新しい方法が見つかるかもしれませんよ。
悩みを一人で抱え込まないで、時には甘えることも大事です。
そうして、出来る時になったら、代わりに誰かを手助けすればいいのです。
お互いさま という日本の良い風習は、大事にしたいものですよね。
読者のみなさま、おはようございます💛
🌸桜さくら堂🌸を訪問していただき、
ありがとうございます!!