あなたは今、介護をしていますか?
それとも、これから介護を始めようとしているのでしょうか?
それは転倒から始まったというこのマンガは、現在80歳になるたま子さんの介護をめぐるストリーです。マンガの後には、介護についての解説があります。
とてもリアリティがある内容で、しかもサスペンスとともに始まる介護の物語です。
手に汗にぎってマンガを読んでいるうちに、いつしか介護のスペシャリストのような知識が身についていることでしょう。
福辺節子・代居真知子著 / 株式会社 誠文堂新光社
- 第1章 介護は突然やってくる!
- 第2章 介護保険(現代介護のベース)
- 第3章 介護と医療
- 第4章 介護とお金
- 第5章 介護保険サービスを利用した介護生活
- 第6章 在宅介護の日常と介助
- 第7章 介護と食事
- 第8章 介助がより必要になった時のために
- 第9章 介護方法などの変更を考える
メインキャスター
たま子さん:80歳/骨折をきっかけに介護生活に。愛猫と自宅生活を続けることを望んでいる。マンガの中心人物。夫の佐藤健一はすでに亡くなっている。
静(鈴木静):母親の介護に携わり、人としても成長していくマンガのキーパーソン。
娘婿(鈴木二郎):会社員。頼りなさそうだが、ここぞという時には妻を精神的に支える。
孫(鈴木翔):たま子さんが面倒を見てきたこともありおばあちゃん子で、介護に協力的。
長男(優):長男としての責任を感じながらも、自分の生活を優先し、妹に介護を一任。
嫁(令花):遠方に住んでいることを理由に姑の介護を拒絶。施設介護を勧める。
次男(正):フリーのミュージシャン。母への愛情は強いが、生活能力は少々不足。
ジュリー:介護知識を読者とともに学ぶ、ナビのような猫。
ボス:介護博士猫。ジュリーが敬愛する相談相手。猫集会にいる。
第1章 介護は突然やってくる!
ジュリーとたま子さんは楽しい日々をおくっていたけれど、ある日、たま子さんが玄関で転んで、脚の付け根を骨折してしまった。
1か月の入院生活で、たま子さんのケガは早く回復しましたが、リハビリと認知症対策が必要と聞かされた静はがく然とした。
無事に退院できたものの、今までとは様子がちがうたま子さんを心配して、ジュリーはボスに相談した。するといろいろな介護について教えてくれた。
静もたま子さんの物忘れが多くなったり、身だしなみに無頓着なったりするで、心配がつのるのだった。
解説の内容
- 介護の種類(老々介護/息子介護/遠距離介護/ダブル介護)
- 家族の介護計画~
- 認知症の基礎知識、間違われやすい症状、認知症かなと思ったら
第2章 介護保険(現代介護のベース)
たま子さんの物忘れがすすんで、やがて認知症の症状が出てきます。
買物に行って帰れなくなったことが起こり、静は自宅に鍵をかけてたま子さんが外に出られないようにしたら、たま子さんが大さわぎをしたためパトカーが来てしまう。
ジュリーにボス猫は介護保険を申請することをすすめる。
解説の内容
- 介護保険制度と介護サービス利用の流れについて
- 在宅介護(地域密着サービス、訪問介護、通所介護)
- 住宅改修と福祉用具の貸与・購入
第3章 介護と医療
たま子さんは介護保険の申請にかかりつけ医が必要になったため、近くにあるA医院を受診した。ところが薬を多量に出され、たま子さんは1日のほとんどを眠って過ごすようになった。
総合病院で紹介されたもの忘れ外来のクリニックは相性も良く、薬も減らしてくれてたま子さんの状態も良くなった。たま子さんや静との信頼関係もできるようになって、定期的に通院するようになった。
解説の内容
かかりつけ医とは:何でも相談できるうえ、最新の医療情報を熟知していて、必要なときには専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師
かかりつけ医がいるメリット
- 日常的に健康管理をしてもらうことで、重い病気のときにはすぐに専門機関につなげてもらえる。早い診断、早い処置が可能になる。
- 総合病院受診の時に「紹介状」を書いてもらえる。
- 「主治医の意見書」や「診断書」が必要になったときに、すぐに頼める。
- 介護が必要になった時、介護関係者と連携して適切な看護を指示してもらえる。
- 介護度が重くなった時、家で最期まで診てもらうことができる。
かかりつけ医を選ぶときの条件
- 一般的には内科がいいと言われるが、何科に医師でも幅広く診断できること。高齢者の場合は、高齢医療に詳しく、認知症に関しての知識も持っていることが望ましい。
- できるだけ家の近くで、24時間対応してくれるか、何らかの形で連携が取れるか、ほかの医師や地域の医療関係と連携しているといい。
- 高齢者介護の知識があり、積極的に取り組んでいる。医療関係者だけでなく、福祉や介護関係者ともつながっていること。
- 終末医療にも携わってくれる。
- 本人との相性がいい。一方的な診断ではなく、本人や家族の話をきちんと聞いてくれ、対応してくれる。
第4章 介護とお金
静はたま子さんの入院費用が思いのほかたくさんかかったので、お金のことが心配になった。今後のこともあるので、夫に介護費用について会社の介護経験者に聞いてもらった。ところが親のお金だけで足りている所もあるが、親の年金だけでは足りなくて子供が兄弟で出し合っているところなどまちまちだった。
たま子さんに収入のことを聞くと、また今度ねとはぐらかされてしまう。
しかし、本当はたま子さんはお金の管理ができていないことを自覚していて、これからはお金の管理をまかせようと思っていた。
ところが静がたま子さんに頼まれて銀行に行くと、委任状がなかったのでおろすことが出来なかった。
解説の内容あ」
- 大きな出費(医療費)
- 介護保険の費用について(在宅費用の目安、施設介護など)
- 青年後見制度について
第5章 介護保険サービスを利用した介護生活
たま子さんは認定調査の結果、要介護1の判定が出た。静がケアマネージャーに介護サービスを頼もうとしたら、たま子さんは「他人と何かをするのは苦手だから」と拒否した。ケアマネージャーが機転をきかして上手く説得して、週2回通所するようになった。
一方、静はケアマネの勧めで「介護カフェ」へ行くようになった。ここでは介護を今している人だけじゃなく、専門家や本人も来て、相談したりグチを言い合ったりして楽しい癒しの場になっていた。
解説の内容
- ケアマネージャーの仕事についてや付き合い方
- ケアプランについて
- つどいの場、介護カフェ、交流サロン
第6章 在宅介護の日常と介助
骨折から5年が経ち、たま子さんの認知症はゆるやかに進んでいるけれど、杖も取れて愛猫ジュリーとの生活は続いている。
家事は静がやってくれて、たま子さんは週3回デイサービスに通所している。楽しそうに出かけていくたま子さんを見て、ジュリーもたま子さんの小規模多機能を見学してみると、たま子さんはおしゃべりをしたり、得意なピアノを弾いたり、みんなと調理をして生き生きとしていた。
たま子さんが小規模多機能に泊まるようになると、静も友人と旅行をして介護の息抜きをすることができるようになった。
解説の内容
- 介助の心得(やり過ぎない、慌てない、大切な声かけ)介助・介護とは、される側とする側との対話です。一方的にならないように気をつけましょう。
≪距離・角度≫
①最初は少なくともめいっぱい手をのばしても届かない2メートル以上離れた位置から声かけをします。角度も真正面ではなく、15度~30度。
②初めから正面2メートル以内に近づきすぎると恐怖心やストレスが高まります。
③介助される人の反応を見ながら近づいていきます。
- 介助の基本(立ち上がり、歩行の介助、寝返りと起き上がり)
具体的な図を参照に、基本的な動作の仕方についての解説
第7章 介護と食事
たま子さんの入れ歯が合わなくなり、静が流動食を作った。食べやすく栄養が一度に摂れるようにひとまとめにしたら、赤ちゃんのご飯のようになってしまった。
たま子さんは憤慨して、自分で作るといったものの結局うまくいかない。
解説の内容
- 低栄養について
- 食事介助の方法について
第8章 介助がより必要になった時のために
静は最近、たま子さんがトイレで転んだり、お風呂でおぼれそうになったりする悪夢を見るようになった。そして今後、たま子さんが1人で着替えができなくなったり、自分で食事ができなくなったりなど状態が悪化したらどうしようかと思い悩むのだった。
ケアマネージャーに、介護の基本的なことを知っておいた方がいいと助言される。
解説の内容
- 由佳からの立ち上がり介助
- トイレの介助
- お風呂の介助
- 着替えの介助
- ベッドから車椅子へ
- 車いすの種類と機能
などについて、図解入りで説明されています。
車いすの機能も一応知っていると、今後レンタルや購入する時の参考になるでしょう。
第9章 介護方法などの変更を考える
小規模多機能の通所がきっかけで、静にも介護の友人ができた。話を聞くと、それぞれ少しずつ状態が変わっていき、施設を考えている人もいることがわかった。
たま子さんをこのまま独り暮らしをさせるのが心配になった静は、たま子さんの家で同居する決断をし、家族も賛成してくれる。めでたし、めでたし(*^^*)
- 介護施設の種類の説明など(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、ケアハウス、グループホーム、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向き住宅など)
おしなべてこの本「マンガで分かる無理をしない介護」は、
これから介護をしようとする人
介護を始めたばかりの人
将来、介護をするかもしれない人
には、基本的なところがやさしく、もれなく解説されています。
またマンガによる介護者の静や本人のたま子さんが、よくある事例として取り上げられているので、とてもわかりやすく自分のことのように読み進めることができます。
最初は気軽に、マンガの部分だけの拾い読みでもいいかもしれません。
それだけでも介護がどういうもんか、なんとなく解るようになってきます。
それから、関心や興味がある部分の文字による解説を読んでみると、よりいっそう理解が深まります。
2回、3回と読めば、もうあなたは専門家くらいの知識がつくでしょう。
特に気になった「かかりつけ医」について、本書より抜き書きしてみました。
またもう1つ、注意したい高齢者の症状と予防も書いておきますね。
ご参考にしてください。
- 脱水:高齢者はのどの渇きを自覚できず、トイレ介助に気をつかうことで、水を飲むことを控えて水分が不足しがちです。成人は1日、1.5ℓ~2ℓの水分が必要なので、頻繁に水分を補給します。
- 便秘:運動不足から便秘になりやすい傾向にあります。食事、運動で改善を。排便は毎日でなく3日に1度程度で大丈夫です。
- 誤嚥:誤嚥性肺炎、窒息に至ることがあるので注意が必要。飲み込みに問題を感じたら、歯科医などに相談を。
- 低栄養:高齢者が陥りやすいのが、エネルギー不足とタンパク質不足の低栄養。
- 感覚器障害:視力低下は白内障、緑内障、黄斑変性症などが起きていることも。異変を感じたら、早めに眼科、耳鼻科の受診を。
- 廃用症候群:心身の機能が全体的に低下していき、寝たきりにつながることが多いので、医師に相談しながら機能訓練回復を。
マンガでわかる 無理をしない介護 もしもの時に必ず役立つ「はじめての家族介護」基本・知識・実践法 [ 福辺 節子 ]
いよいよ、本格的な夏到来ですね!!
夏が始まったばかりでなんなんですが、
どうも私、暑さに弱くて、いつも頭がくらくらするんです・・・
みなさん、脱水に気をつけましょう!!
それと、今日と明日(17日~18日)は、吉日ですよ~~♪
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