どんなベテランのケアマネージャーでも、この方にはいったいどんな支援が出来るのだろうか・・・と悩むことがありますよね。
そんな時には、ヘルパーさんをはじめとして、医師や看護師や理学療法士とか、お役所の人の意見、それから民生委員、ボランティアも含めた、社会資源のありとあらゆる人の意見や考えを参考にしながら、本人とご家族にとってベストなプランになるよう心がけています。
解りやすくいうならば、人の頭を借りるということです。
ケアマネージャーの事例検討会は、多くのケアマネージャーの頭を使って、支援が困難な方にどんな支援策があるのかを話し合います。
すると1人1人では思いつかないような名案が出て、とても参考になります。
7つの習慣のシナジー効果かもしれませんね。
今回は、≪夜間不眠のため疲労するケース≫です。
事例の特徴
サービス付き高齢者住宅に入居されている70歳の女性です。
週3回透析を行っており、その疲労のため気力が低下しています。
脳梗塞後遺症による左側の麻痺、拘縮があり、全介助を行っています。
不眠で、息苦しさで夜間に車椅子への移乗を望まれるため、15~20分おきにベッドから車椅子への移乗を何度も繰り返されます。
排便コントロールのため服薬管理をしています。
食欲不振による栄養不足があります。
本人・家族の意向
本人:マッサージやリハビリをしたい。
家族:本人が望むようにして、穏やかに過ごしてほしい。
介護者・家族の状況
施設に入居される前は、同居のご主人が主になって介護をしていたが高齢になったため施設に入居されました。
近所に住んでいる2人の息子、その嫁も共に介護に協力的で、何かあれば対応可能。
既往症・病歴
狭心症、糖尿病、腎不全、脳梗塞、出血性ポリープ、胃ポリープ、骨髄異形成症候群、腎盂腎炎、腎盂腎炎による敗血症など。
生活歴
幼稚園の先生をしていましたが結婚を機に退職し、専業主婦で2人の子供を育てました。体調を崩してからは以前の知り合いに会うことを嫌がり、自宅にてご主人の介護のもとで暮らしていました。
食欲不振の精密検査のため入院してからは、ご主人も高齢のためサービス付き高齢住宅に入所されました。週2回デイサービスを利用していますが、あまり参加されず横になっていることが多いようです。
本人の状況
人工透析を週3回4時間以上受けているため、ひどく疲れやすいようです。
脳梗塞用衣装による麻痺・拘縮(右側)が強く、起居・移動などほぼ全てに介助が必要です。
夜間に眠れないことが多く、息苦しさを訴え、車椅子への移乗を希望されるため、その度に職員が移乗をくり返し、本人も疲れが取れないようです。
食欲不振の栄養不足のため、毎食事の栄養ドリンクの摂取も必須となっています。
認知はほとんどなく、意思表示は可能です。
ケアプラン作成上の課題
夜間の息苦しさによる車椅子への移乗をくり返すため、本人の疲れがたまり体力も低下しています。
透析の疲れもあるため、昼間の活動もあまり出来ません。
このような夜間不眠の方に対して、どのような支援計画を立てたら良いでしょうか?
夜間に眠れないという訴えをされる高齢者の方は、たくさんいらっしゃいますよね。
そのほとんどは、昼間の活動量が少なかったり、
たくさん昼寝をしてしまっているというケースです。
お昼寝は30分くらいだったら良いのですが、
あまり長く寝てしまうと、どうしても夜に眠れなくなってしまいます。
夜に眠れないという訴えがあった人に、
「昼間に寝ていない?」って尋ねると、
「寝ていない」って、きっぱり言われます。
でも、昼間にお部屋を訪問すると、うとうとされています。
ぐっすり眠られているのではなくて、浅く眠っているので寝たという自覚がないのかもしれませんね。
この方の場合は病気も関係しているようなので、とても難しいですよね。
こういう悩みや問題を、集まってみんなで話し合います。
その時に、 「ブレインストーミングの4原則」
①批判禁止
②自由奔放
③質より量
④便乗発展
ということを心がけています。
それによって、多くの意見や思いが出て、そこからひょんなことに
思いもかけなかった支援策が出てきたりするからです。
あと、それぞれのケアマネが、
「そういえば、こんなことがあった」とか、
「こうしたら上手くいったことがある」など、
体験を話すことで、
それを他のケアマネが追体験することができるからです。
それを自分のケアプランに応用することで、
より良いプランになったり、
独りよがりの支援策にならないようにすることができます。
意見まとめ
今回は皆さん首をかしげて、なかなか意見が出ず・・・
「施設のスタッフは、よくやっているよなあ」とか、
「やっぱり医師の意見が欲しいよね」などがあって、
主な意見としては、
・日中の活動で、本人が参加できて楽しめる無理のないデイサービスでの環境つくりをお願いする。
・昼間起きていられるように、傾聴のボランティアに来てもらって、本人に話をしてもらう。
・ご家族に時どき来てもらって、話し相手になってもらう。
・医師に夜間不眠を話して、適切な眠剤をお願いする。
・担当者会議に薬局や医療関係者に入ってもらって意見をうかがう。
・息苦しい原因を医師から聞いて、出来る対策をとる。
などでした。
どうでしょうか?
※ご自宅での介護に限界を感じた時のために・・・
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