高校を卒業したあと、進学も就職もしませんでした。
かといって引きこもりではないし、
また事業をはじめたわけでも、親からの遺産があったわけでもありません。
ただ単に、乗り遅れてしまっただけだったのです。
その後、彼は年収90万で暮らすようになりました。物価が高い東京で・・・。
「でも、いざ乗り遅れてみたらこれがめちゃめちゃ楽しくて・・・ここは楽園かと思いましたよ。」
年収90万円でハッピーライフ/大原扁理著/ちくま書房
では大原扁理さんは、
東京でどんな生活をしているのでしょうか?
年収が90万以上ある人も、無い人も、すごく参考になることでしょう。
なぜなら、大原扁理さんは、とてもハッピーなのですから。
第1章 ハッピーライフの基本とは
大原扁理さんは週2日だけ働いて、それ以外の5日を、節約しながら自由気ままな『隠居生活』をしています。
しかも20代半ばから。
起きたいときに起きて、1日中好きなことだけをして、食べたい物を食べて、寝たいときに寝るという生活です。
こういう生活について、大原扁理さんはこう語っています。
このような生活をしていると、『全然うらやましくない』と若干見下されることがあります。
だけどみなさんがイメージする貧困層の苦しい生活と違って、渦中から実際どう見えるかっていうと、
「これはこれで幸せなんだよな~。」
いちばん大切なことって何でしょうか?
それは、「どうすれば自分が幸せか?」を、他の誰でもなく、自分自身が知っていることじゃないかな。
これさえ知っていれば、ちょっとぐらい流行とか契機とか人間関係、周辺環境が変わっても、しなやかにその中で幸せになれるはず。」
第2章 フツーって、何?
大原扁理さんは子供の頃は、母親は朝からお酒を飲んで昼にはもう出来あがっちゃっているという極貧の生活をして育ちました。
サンタクロースのことを母親に聞いたら、「サンタは金持ちの家にしか来ない」と言われ、学校ではヤンキーに目をつけられて酷いイジメにあったり・・・。
そういう環境の中でも、彼はマイペースを貫いて生きていました。
好きな教科の英語は徹底的に勉強して学年でトップクラスだけれど、数学は0点です。
そして、高校卒業したとき、彼は進学も就職もしなかったのです。なぜなら、
どうしようかな~と思ってたら、全部終わってました。
さらに定職に就くことなく、10年以上も経ってしまったそうです。だけど、それに彼はOKを出しているのです。
好きなことなんかなくても、今すぐ見つけなくても、もっと言えば死ぬまで見つからなくたって、別にいいじゃないですか。
大事なのは、嫌いなことで死なないこと。
この諦観というか、心境はすごいなと思います。
仕事も、自分のやりたい仕事を探すのではなく、「出来ないことや嫌いなことをしない」くらいで、自分にOKを出すくらいでいいと。
このくらい目標を低くしておくと、すごくラクだと思います。
友達や自分の外見、イジメや家族やについても、彼自身のラクな考え方を話してくれています。
これは自分がしたいライフスタイルを目標に頑張るのではなくて、自分が無理しないで稼げる範囲のライフスタイルにするという逆転の発想です。
しかも、その生活を十二分に楽しんでいるのです。
第3章 衣食住を実感する暮らし
大原扁理さんは23歳で上京して、最初は杉並区にある4畳半の家賃が7万円のシェアハウスに住みました。
住み心地は悪くはなかったのですが、自分には合わないと感じて探した結果、今は多摩市の家賃2万8千円のワンルームに住んでいます。
多摩市は東京ですが、都心からだと、ちょっとした旅行っていう感覚でしょうか。
そこは5畳でバス・トイレとロフトまで付いています。
駅から歩いて20分もかかるので、誰も訪ねてきません。
スーパーもコンビニも周辺にはあまりありません・・・。
世の中で良しとされている地理的な条件には外れているけれど、大原扁理さんにとってはまさに希望通りのど真ん中の部屋だったのですね。
外でどんなにイヤなことがあっても、家の顔(?)を見るだけでホッするそうです。
雨の日には屋内にいるから濡れなくていいと考えるだけで、うれしくなって床にうつぶせになって家にハグしてしまうというのですから、相当なものです。
家もそうですが、衣類に関しても彼独自のものがありますし、特に食生活についてはこだわりがあって、スコーンを焼いたりりんごジャムを作ったり、健康的で、ある意味豊かな食生活をしています。
それはコンビニでアルバイトをしていた時に、お弁当を買いに来る人がそろいもそろってみんな覇気がない顔をしていることに気がついて、それからは自炊をするようになったということです。しかも、いろいろ試して自分に合った食生活を見つけたとのことでした。
第4章 毎日のハッピー思考術
わたしは、お金ってちょっと可愛いと思うんです。
・・外貨を含めたら世の中にどんだけのお金があるのか知りませんけど、その途方もない量の中から、このお金たちはなんでわたしのところに来てくれたんだろう、って思うと可愛くないですか?
せっかくウチの財布にお越しいただいたんだから、絶対に無下に出来ないと、と思う。
今振り返ると、あのとき(上京したばかりで働きまくって、稼いだお金の大半が生活費と税金に消えていたとき)わたしのところに来てくれたお金には申し訳ない気持ちでいっぱいになるのです。お金にしてみたら、そんなくさくさした気持ちで持ち主のもとを離れていかなきゃいけない気持ちはいかばかりか・・・と。
今は週2で楽しく働いて、大事に大事に使っている。
少ない手持ちから、どうすればひとりでも多くの人が喜んでくれるか、一生懸命考える。。
募金箱を見たら必ず入れるし、お世話になった人や遠くの人に、年末ジャンボの宝くじをおくったりするのが、楽しすぎるのだと語っています。
このように大原扁理さんは考えているのです。
そして、お金に対するこういう考え方っていうのは、逆にお金持ちの人たちと一緒だなって思います。ここ不思議ですね。
しかも、なんと年収90万円なのに、貯金までしています。
自分の生活費から逆算して半年分くらいの貯金があれば、何かあってもビルから飛び降りたりしなくても済むと思っています。
また学校で英語が好きで得意だったという彼は、ひと時はマンハッタンやロンドンに行って暮らしたし、今は台湾でも隠居生活ができるか試しているとか。
大原扁理さんのすごいところは、あくまでもよく自分を知っていて、自分が望むことを淡々と迷いなく普通にやっていくところです。
色々な人生経験を経て高齢になってからっていうのではなく、若いまま隠居っていうところが突き抜けていますね。
これはある意味すごいことです。
でも、若くて健康じゃなきゃ無理でしょって思うあなたも、一度、この本「90万円でハッピーライフ」を読んでみてください。
その辺りのことも、彼はちゃんとわかっていて、その対策も考えています。
人生、負けとか勝ち以外にも、豊かな生き方や生活があるんだよ、と教えてくれています。
彼はこのベストセラーになった本の出版で、年収90万どころか相当な印税が入ったのではないのでしょうか・・・・しかし、大原扁理さんはそれを生活費に使わずに貯金して、相変わらず質素で豊かな自分らしい生活を続けているようです。
著者 大原扁理(おおはら へんり)さん
1985年愛知県生まれ。
25歳から東京で週休5日の隠居生活を始め、年収100万円以下で6年間暮らす。
現在は台湾に移住し、海外でも隠居生活ができるか実験中。
著書に『20代で隠居―週休5日の快適生活』(K&Kパブリッシャーズ)、
『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)など。
年収90万円でハッピーライフ (ちくま文庫 おー72-1) [ 大原 扁理 ]
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