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この一句-108人の俳人たち-/下重暁子/感想レビュー・要約など

松尾芭蕉をはじめとして江戸期の近世俳人から、現代の俳人まで、

数多くの代表句と共に経歴までもが、

下重暁子氏のエッセイと解説によってたくさん紹介されています。

 

一つの俳句を鑑賞するとは、私の場合、一つの絵画を鑑賞するのにも似ています。

名画の前にはしばし立ち尽くして見入るように、名句もやはり鑑賞にふけってしまうので、なかなか読む進むことができない本でした。

 

この一句-108人の俳人たち-/下重暁子・著/大和書房

 

ページを開くと、右側に俳人の名前と簡単な経歴などと、代表句が3句ほど載っています。

左側は、俳人に対する下重暁子氏の無駄を削ぎ落した完結明瞭な想いが綴られています。さらにここにも代表的な句が、2句、3句ほどあります。

 

例えば、与謝蕪村のページを見れば、

1716(享保元)年~1783(天明3)年/摂津(大阪府)に生まれ。

江戸に出て俳諧、書画の道に入る。のちに京都に居住し、文人画家としても一家をなす。夜半亭二世。俳人として芭蕉と並び称される。

 

菜の花や月は東に日は西に

月天心貧しき町を通りけり

牡丹散て打ちかさなりぬニ三片

 

そして、エッセイには、

 はじめて好きになったのは与謝蕪村の句だった。風景が目の前に浮かんでくる。

 

 文人画家としても有名な蕪村の展覧会が、江戸博物館で行われたことがあった。

そこには、長い間見たいと願っていた「鳶烏図」や「夜色楼台図」があった。

 蕪村の句もまさに一幅の絵である。

とあります。

これは私も共感するところですが、蕪村のみならず、名句とはそういう深い味わいがあります。

 

江戸から現代にいたるまでの俳人の句をこうして読んでみると、俳句の流れが分かるようになってきました。

俳人にも句の趣にも考えにもセンスにも、色いろな違いを見出すことができて面白かったのですが、ただ1つだけ全ての俳人に共通することは、皆命がけで俳句を詠んできたのだなあということでした。

貧しい生活や病気と闘い、戦争による弾圧に闘い、偏見や孤独と闘い、そうして生き残ってきた俳句ですが、これからの一番の強敵と思われるのは、無関心と忘却なのかもしれません。

これから俳句を学びたい人に、是非おススメしたい1冊です。

 

 

著者 下重暁子さん

1959年、早稲田大学教育学部国語国文科卒業。同年、NHKに入局。アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民放キャスターを経た後、文筆活動に入る。

ジャンルはエッセイ、評論、ノンフィクション、小説と多岐にわたる。財団法人JKA(旧自転車振興会)会長等を歴任。日本ペンクラブ副会長、日本旅行作家協会会長。

主な著書に『「鋼の女」―最後の贄女小林ハル』(集英社文庫)『晩年の発見ー私に残された時間』(大和書房)、『ブレーキのない自転車ーわたしのまっすぐ人生論』(東京堂出版)などがある。

 

 

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