とある古本屋で井形慶子さんの『仕事と年齢にとらわれないイギリスの豊かな常識』という本に出会って以来、彼女の生き方に共感することが多くて気になっていました。
井形慶子さんは28歳で出版社を立ち上げて、本や雑誌の取材で100回を超える渡英をしているようで、夢は『いつかイギリスの田舎に住むこと』だそう。
その彼女が、ついにロンドンに家まで購入したようです。
この本は、それからのリフォームやイギリスでの日常の暮らしぶりを、日記のように綴っています。
ロンドン生活はじめ! 50歳からの家づくりと仕事/井形慶子著/集英社文庫
ロンドンのフラット、ホーリーロウは、一度も直接見ないで購入しました。
契約直後に渡英して、鍵の受け渡しをされたときが、家との初対面でした。
薄汚れたカーペット、黒ずんだバスルームのタイル、ボイラーも今一つ具合が良くないなどと、業者の方が一生懸命説明してくれまいた。けれど、それらの一つひとつは、ほとんど耳に入って来ず、満面笑顔で家中を見て回ったことを覚えています。
と書いてあります。
この本には、その後のリフォームに始まって、ハムステッドの日常の日々の細かな喜びや失望などが、日記のように書いてあります。
ちなみにハムステッドという地域は、フロイトや詩人のジョン・キーツ等の文豪や芸術家が多く暮らした高級住宅街です。イギリスの著名人も多く住んでいて、築100年以上経った瀟洒な家に数億円という値段がつくのだとか。
彼女が購入した家は、ビクトリア時代に建てられた3階建てレンガ造りの邸宅を8つに区切ったコンパ―ジョンフラットで2LDKです。ホーリーロウというのは、その建物の名前だそうです。
比較的買いやすいフラットは、市場に出るなりあっという間に売れてっしまうとか。
運良く理想的な家を手に入れてからの、ロンドンでの生活はどのようなものだったのか、ノンフィクションの物語を読む楽しみがありました。
ノンフィクションというと、一般的に著名人やスポーツ選手など歴史上に名を刻んだ人がほとんどなのですが、このようにいわば一般人と思われる人のイギリスでの日常を追うのは、どこか旅行記にも似た楽しみがありました。
たとえばリフォーム業者の仕事ぶりの遅さから暖房無しでイギリスの寒い冬を過ごさなければならなかったこと、冬のイギリスの道路は雪道で滑って転びやすいので、スニーカーではなくラバーブーツという長靴を履くのがいいのだとか、普通の旅では味わえない生活者としてのイギリスを実感することができました。
そう、まるで自分がホーリーロウで一緒に生活しているようでした。
それにしても50歳でイギリスで家を買うとは、ずいぶん思いきったことをする人だなぁと感心しましたが、それと同時に、イギリスで奮闘する姿に、私も新たな一歩をふみ出す勇気と元気をもらうことができました。
著者 井形慶子さん
長崎県生まれ。28歳で出版社を立ち上げ、英国生活をテーマにした月刊情報誌「ミスター・パートナー」を発刊。現・編集長。
100回を超える渡英後、ロンドンに住まいを持つ。『古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家』『老朽マンションの奇跡』『イギリス式月収20万円で楽しく暮らす』『イギリスで学んだあきらめない生き方』『東京吉祥寺 田舎暮らし』『イギリス式おとな旅の流儀』など著書多数。
社団法人日本外国特派員協会会員、ザ・ナショナル・トラストブランド顧問。
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