桜さくら堂

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ねこじゃら商店世界一のプレゼント/児童文学・猫の童話/感想レビュー・あらすじなど

さがしものは何ですか?

見つけづらいものですか?

 

もし、あちこちの店をさがしまわっても、どうしても見つからないのなら、

「ねこじゃら商店」へ行ってみてはどうでしょう。

ねこじゃら商店には、ほしいものが何でもそろっています。

店のあるじは、年とったブチ猫です。

でも、ねこじゃら商店に行くには、ノラ猫に道をたずねるか、こっそりあとをつけていくしかありません。

 

ねこじゃら商店世界一のプレゼント/富安陽子 作/ポプラ社

 

ノラ猫は気まぐれですからね、

あなたをねこじゃら商店へ連れて行ってくれるとはかぎりません。

この本は、運良く店へたどりつくことができた人の話が書かれています。

ああ、違います。お客さんは、人だけではありませんでした。

さて、どんなものをさがしているのでしょう。

 

1 アメを買いにきたキツネの話

 

ある気もちのよい夏の夜のことでした。あけはなたれたねこじゃら商店の入り口をひょいとくぐって、一ぴきのキツネが店のなかへはいってきました。

 

このキツネは『お富稲荷』のお使い狐で、氏子の田んぼに雨が降らないため、『雨』を買いにきたのでした。

そこで主の白菊丸は、雨を仕入れにいくのです。どんなふうにかっていうと・・・

 

さて、その日もふけ、夜明けがちかづくころ、白菊丸は店のおくからひっぱりだした大きな投あみをひとつ、かたにかついで、ブラブラ山のほうへでかけました。

 

雨なんかどうやって仕入れるのだろうと、不思議に思いませんか。

しかし、ねこじゃら商店の主は、歳をとった猫ですからね。何でもできそうな気がしませんか。ええ、そうなんです。これが出来てしまうんですね。

お代金はお稲荷様ですから、おさい銭ですよ。もしかしたら、いつかチャリーンっていれたあのおさい銭かもしれません。そう考えると、ちょっと楽しくなりませんか。

2 世界一のプレゼントを買いにきた男の話

 

 ノラ猫のあとをつけて、やせた男がねこじゃら商店にやってきました。

町一番の美人でお金持ちの娘さんが、「結婚するなら、世界一ステキなプレゼントをくれる人がいいわ」と言ったので、世界一ステキなプレゼントをさがしていたのでした。

 

 おれの母ちゃんも、はりきっちまって、『おまえも、がんばれ』っていうんですけどね。折れには、仕事もなけりゃ、お金も才能もない。世界一のプレゼントを手にいれるなんて、できるわけがありません。

 

すると白菊丸は、「特別中の特別。とっておきちゅうのとっておき」という品物を店の一番奥にある金庫から出してきます。

ただし、この店には2つのルールがあるのです。

この男はちょっと虫がいいような気がしますが、はたして結果は・・・

 

3 薬草を売りにきた山おやじの話

 

 大きなアクビをした白菊丸は、チラリと時計を見あげて、そろそろ店をしめようかと、こしをあげました。するとそのとき、店の戸がゆっくりとあいて、「こんばんは」と、しゃがれた声がしました。

 

声の主は「山おやじ」という、ねこじゃら商店に山菜や薬草を売りにくるおじいさんでした。

おじいさんは何でも見たい夢が見られるという〈ユメダケ〉、背丈が伸びるという〈セイノビキリンソウ〉、姿を消してしまうという〈カクレガヤ〉など、めずらしい薬草を出しました。

何にでも化けられるという〈バケモッコウの実〉を、白菊丸に食べてみるようにすすめます。

山おやじがあんまりすすめるので、白菊丸は古ぼけたメガネをかけて見てみます。

 

「わたしには、この実が、ほんもののバケモッコウかどうなのかは、わかりません。しかしね、あなたの正体なら、ハッキリとわかりますよ」

 

この古ぼけたメガネは〈お見とおしメガネ〉で、本性が丸見えになるのでした。

さて、この山おやじの正体とは?

 

他に、親戚のお客様が173匹も来るので、おもてなしのための

ごちそうを買いにきたおサルの話」や、

忘れてしまった歌をプレゼントしたいという赤い外套に赤い帽子、まっ白いヒゲをしたおじいさんがやってくる

ねこじゃら商店のクリスマスプレゼント」などがあります。

 

 おじいさんが、ホウッと、大きなため息をもらしました。

「やはり、むりだろうね。いくらなんでもそろっているとはいっても、わすれられた歌までは売っていないだろうからね」

 

しかし、この商品もやっぱりあるのでした。それは・・・

 

作者は言います。

「のらネコのゆくえを、いつも注意してみていらっしゃい」と。

のらネコが、見たこともない路地をひょいとまがったら、そのほそい道のさきに、ねこじゃら商店があるのかもしれません。

 

きっと、いえいえたぶん、作者は猫なのかもしれません。

白菊丸の店のいきつけの猫の知り合いの家族の友達なのかもしれません。

そうじゃないと、こんなお話を知っているはずないじゃありませんか。

これはたぶん、ノラ猫の極秘中の極秘の猫国家機密なのですからね。

猫ちゃんにいつもよりやさしくして、美味しいご飯をあげてくださいね。

そうしたらいつかあなたを、

『ねこじゃら商店』に案内してくれるかもしれませんよ。

 

 

 


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著者・富安陽子さん

1959年東京都生まれ。梅花女子大学特任教授。

『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で日本児童文学者協会新人賞と小学館文学賞、「小さな山神スズナ姫シリーズ」で新美南吉文学賞、『空へつづく神話』で産経児童出版文化賞、『盆まねき』(以上偕成社)で野間児童文学賞、『やまんば山のモロッコたち』(福音館書店)でJBBYオナーリスト2002文学賞などを受賞。

 

 

 

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